Osaka,Japan Traditional Fishing Game Herabuna釣り入門 へらぶな釣り池でふなを釣る「ヘラブナ釣り」。海や川ではなくて、 誰でも安全に、しかもかんたんに釣りが楽しめる。 餌はうどんやねり餌で、ミミズとか生きた餌は使わない。 30pぐらいの大きなふなを釣るので、結構引きも強くて、 釣りの醍醐味も楽しめる。 道具は3mほどの軽い竿と簡単な仕掛けだけ。 費用もかからず親子・カップルでも楽しめる。
でもどんな釣りでどうやって釣るのかは、
知り合いでもいなければなかなか手を出せない。
ふな(鮒)を釣る事に興味を持たれた人、
自分もやってみたい人は是非このサイトを見て始めてみて。
懇切丁寧に書いた。
ヘラブナ釣りはとても面白い。お金もあまりかからない。
やり方が分かれば簡単だが、奥がとても深くて飽きない趣味だ。
毎週のように一人で池に行ってはこの釣りだけを、
何十年も続けている人はいっぱいいる。 どこがそんなに面白いのか、 このサイトをじっくり読んでもらえれば、幾らか分かるだろう。 そして一度でも理論的なこの釣りでふなを釣る事が出来れば、 その面白さ、喜びの大きさはすぐに分かるだろう。 面白くなければ、週に2日3日、 それを何十年も通い続ける人なんていない。
この釣りはあまり道具を使わない。
なので釣り具メーカなどの産業には向かない。
そのためテレビの釣り番組ではスポンサが無くて、
放送などはほとんどされない。 スマホの仮想空間なんかより、現実世界の釣りが格段におもしろい。 魚が針に掛かって、水中に引き込まれる手ごたえは 狩猟本能に響く、何かがあるのかも知れない。 獲物を得る喜びを感じられるのは、釣りだけだろう。 魚がかかった時の手応えは最高にいい、忘れられない。 海では大きな魚が釣れるので、喜びも大きいだろう。 しかし装備や舟の準備やらが大がかりでお金もかかる。 釣れる釣れないは魚の事情で、運しだいだ。 へらぶな釣りは釣り池で楽しめる。 小さな池にたくさんのへらぶなが飼われているので、 春から秋ぐらいの間だと、釣れない事はまずない。 だけどほかの釣りのように、魚がたまたまやって来て、 餌を食べてくれるのをぼけーっと待って、 あー!釣れたとうい、そんな単純な釣りではない。 濁った池の水底にいるへらぶなを、 浮きの動きだけで魚の寄りの雰囲気を察知し、 へらぶなが餌を吸い込む瞬間の小さい浮きの動きを狙いすまして 釣り上げる。とても確信的な釣りなのだ。 とてもち密で論理的な思考力も使う。 自分なりの技術をどんどん高めていく趣味になる。 何十年やっていても興味の尽きない釣りだ。 子どもでも始められるし、奥の深い釣りなので、 大人になってからも、おもしろさはずっと続く。 老人になっても釣り池に通っている人はたくさんいる。 (ただし大阪の釣り方に限る、後述) 頭も使う、手先も使うので、特に理科や数学が好きな子どもには、 もってこいの教育材料にもなる。 一生楽しめる高等でいい趣味だ。 へらぶな釣りを始めるここでは、ヘラブナ釣りを誰でも、自分だけで始められるように、 その「始め方」を詳しく解説した。諸所に図や映像も入れた。 特に大阪近辺を舞台に解説していく。(大阪近辺と関東では 「へらぶな釣り」が全く異なる)。 へらぶな釣りは道具も簡単でお金もかからず、餌もねり餌やうどんだ。 魚を手で触れなくてもいい。 やり方さえ分かれば、誰でも簡単に始められる。 荒っぽく説明すると、竿4000円、竿掛け2000円、糸800円、 ハリス糸800円、針300円、おもり300円、浮き800円、餌1500円(5回分)、 釣り池料金2000円(1日)、あと帽子とサングラス。 筆者は小学生の時にお年玉でかった竿や道具箱は今でも使っている。
最近はどこを見てもスマホばかり、指先1つで色んな事が楽しめる。 手先もよく使う、自分なりの工夫もよくするようになる、 魚との駆け引きで頭も使う。 安全で子どもの教育 には持って来いの材料だ。 じっくり物事に取り組む性格の子どもには、是非やらせてみるといい。 たった一人でも楽しめる、もちろん友達と一緒でも楽しめる。 子どもの人生に良い影響を、確実に与えるだろう。 人生を通してずっと楽しめる高等な趣味だ。 しかもお金を浪費する事も無い。
へらぶな釣りは複数人でも楽しめるし、たった一人で一日とおして
誰とも交流しなくても、自分一人の世界ですごく楽しめる。
人とのつきあいが煩わしい人にもおすすめ。
日常生活のストレス解消にもとても良い。 ![]() へらぶな釣りとは「へらぶな」は釣るために、 大阪で人工交配で作られた大型の鮒(フナ)だ。 釣ってはすぐに放す、釣るという行為だけの楽しみ。 あまり貪欲な魚でないので、釣るためのテクニックがいくらか必要だ。 魚が餌を食べるのをボケーっと待っているような、 偶発的な釣りではない。 たくさん飼われている池で、試行錯誤して釣り上げるという楽しみ方。 特にウキの動きを見て釣り上げるのが、最高におもしろい。 ふなが餌に近づいてきたのも、手に取るように分かるのだ。 釣るための技術を、試行錯誤するのが楽しみの目的で、 「大きいのが釣れた」とか、「何匹釣れた」というのは、 単なる結果で、決して目的ではない。 「釣れた」事が目的ではなくて、「どうやって」釣れたが目的だ。 だって釣り池には数千匹もへらぶなが飼われている。 釣れて当たり前。「釣れた」が嬉しいはずはない。
自分の考え通りに釣れた事が最高のおもしろさで、
大きな喜びになっていく。
試行錯誤がずっと続く釣りで、仕事を引退したら、
毎日でも池に通って釣りをしたいぐらいおもしろい。
何故そんなに楽しいのか、何がそんなに魅力的なのか、
自分一人で始めるにはどうすれば良いのか、
費用はどれぐらいかかるのか・・・
へらぶな釣りの魅力へらぶなを釣っている人は、それを食べるために釣りをしていない。 釣れればその場ですぐに逃がしている。 1日釣って数匹、釣り池では数匹〜20匹ぐらいは釣れる。 大きさは20cmから40cmぐらいで魚の引きは結構強い。 そんな釣りのどこに魅力があるのか、 これを理解してもらうには、文字ではなかなか伝わりにくい。 このサイトを読んで、1度でもへらぶなを釣る事ができ、 竿がしなって、玉網ですくい取った時に、喜びを感じる事ができれば、 もうなんの説明も不要だ。 へらぶな釣りが他の釣りと大きく違う点がある。 それは「確信的な釣り」だという事。 適当で偶然に釣れる釣りではない。餌を入れて、 魚が来るの待つ、偶然寄ってきた魚がパクっと食って、 あー釣れた! そんな単純な釣りでは面白くない。 人が知恵を絞って、手を変え品を変え、魚をおびき寄せる。 見えない水中を、ウキの動きを通して想像する。 魚が餌の周りに寄っているな、小魚か大きなふなか、 餌を食べた瞬間がウキに現れる、 「食った!」と確信した瞬間に竿を立てる、 魚特有の逃げる動きが竿を曲げ、手に伝わる。 次の映像はウキの小さい動きでふなを釣った映像だ。 初めてだと分からないかも知れないが、 「あー、ふなが寄って来たなー」と分かるようなウキの動きのあとに、 カチッと浮きが沈んでふなが餌を食べた瞬間(アタリ)をとらえている、 それにパッと合わせて釣れた映像だ。 「ふなを釣り上げる映像」 (ブラウザの「戻る」ボタン(上の左向き矢印) でこのページに戻れる) こうやって釣り上げた時の嬉しさは、とても複雑な嬉しさだが、 一度味わうともうやめられなくなる。しかも上記の映像は、 手作りの仕掛け・餌・ウキで釣ってる。簡単ではあるが、 自分の作った物で見事に釣れた喜びも、この釣りの大きな魅力だ。 ほかの釣りと一見同じようだが、一番違う所は、 作為的にへらぶなが餌を食べるように持っていく事 (食いアタリを出す技術)。 それから微妙なウキの動きを通して、水中の魚の様子を察知する事 (へらぶなの食いアタリを見極める技術)。 水面に立ったウキは水中の様子をたくさん伝えてくる。 そのたくさんの情報を読み解いて、ふなが餌を食べた瞬間を狙う。 これらの技(わざ)がおもしろい(釣るための技術の面白さ)。 ウキの動きをどう読み解くかは、人それぞれの想像と勘と経験なのだ。 四季や天候、場所、餌などの条件によって、また池の違いによって、 ウキの動きが色々変化してくる。 自分の情報分析がピタリと合うと、へらぶなが釣れる。 ちょっと難しそうと感じただろうか。なるべくそのあたりの情報も、 詳しく書いていくので大丈夫。少しやってみると、 自分独自の考えも出てきて、 ウキの動きで水中の事が手に取るように分ってくる。 たとえ少ししか釣れなくても、 ウキの動きを見ているだけで楽しくて、 一日があっという間に過ぎてしまう。 このサイトの表題「大阪の」とあるのは、 大阪・奈良・京都・滋賀などのへらぶな釣りは、 多くの人が釣り池の池底でふなを釣る「とこ釣り」 を楽しんでいるからだ。 池底で釣るのは、浮きの動きが面白いからで、 たくさん釣るための手法ではない。 へらぶなは水面近くや中間層にはたくさんいる。 でもそんな所にいるふなは、簡単に釣れ過ぎて、 大人がやるには単純すぎて面白くない、すぐに飽きてしまう。 浮きの動きがものすごく単純なので、 近畿の釣り池ではほとんどやらない (そんな釣りは金魚すくいと同じレベル)。
池底のふなを釣る「とこ釣り」は、
ウキに表れる「食いあたり」がとても微妙で、それを楽しむ釣り方だ。 このきれいなあたりで釣るためだけに、 「へらぶな釣り」という魚が存在している。 50匹、100匹という数を釣って喜ぶ遊びではない。 そもそも釣り池だと、当然ふなは小さい池にたくさん飼われている。 そんな中で数をたくさん釣るのは子どもの遊び。、 近畿ではそんな単純でバカみたいな釣りは普通はやらない。 何匹釣れたか、大きいのが釣れたか、なんて事よりは、 へらぶなの微妙な「食いアタリ」を見極める事を楽しんでいる。 これはへらぶなという魚だからこそ。 コイやマブナでは経験できない。 へらぶなは貪欲な魚ではない、餌を食べる時はかなり慎重で、 ふわっと吸い込む事が多い。 それがウキに小さい動きとなって現れる。 大きくウキが動く事もあるが、小さい動きであればあるほど、 釣れた時の感触はたまらない。 アタリを見極める力で、小さいアタリを見逃さずに、 へらぶなが釣れた時は、本当に気持ちがいい。 これを経験するからみんなやめられない。 将棋や囲碁の対戦で、分からないようなわなを仕掛けて、 相手がうまくそれにかかって勝利したとか、 ピッチャーからの配球を予想して、ズバリ的中! バットの真芯でとらえて、ホームランを打ったときの手応えに、 近い感触かも知れない。 何でもそうだが「自分の読みとおり」にうまくいった時ほど、 痛快な気分はないだろう。へらぶな釣りのおもしろさはそこにある。 自分の読み通りのウキの動きで、へらぶなが掛かったときの感動を 是非、味わってほしい。 こんなに面白い経験はほかでは絶対にできない。 釣りなんだけど、いわゆるお魚釣りとはちょっと次元が異なるのだ。 どうでもいい事だが、関東のへらぶな釣りでは、 釣り池で底じゃなく、水面近辺で釣っている。 餌会社が作った色んな餌を、 大量にばらまいて、まき餌で数釣りをやっている。 浮きの動きなんてどうでもいい、引けば適当にパッと上げている。 餌会社が作り上げた、広く大衆向けのお魚釣り遊び。 とても「へらぶな釣り」と言えるシロモノではない。 「とにかく数を釣る事」にやっきになる。 釣り池には数千、数万のへらぶなを放してあるのだから、 いっぱい釣れて当たり前 (餌を播いて金魚すくいをやっているようなもの、笑止)。
人口が多いだけの東京近辺なので、
雑誌や書籍、ネットやテレビで見るへらぶな釣りとは
ほとんどがこのたぐい。 へらぶな釣りは大阪が発祥の釣り。 近畿圏に住む人は、こんなのとはまったく無関係でいい。 「へらぶな釣り」という文化は近畿圏だけのもの。 このサイトでは正統な「へらぶな釣り」だけを説明する。
へらぶな釣りでは、道具はそんなに必要ない。リールだ、ルアーだ、
ライフジャケットだ、クーラーボックスだ、そんなの必要ない。 釣れたふなは網ですくって針を外して、その場ですぐに逃がす。 水面からは決して上げたりしない。 針は「かえし」の付いていない「スレ針」を使うのですぐに外せる。 魚を触る事もほぼない。 釣り方を知れば、小学生高学年以上なら楽しめる (筆者は小学3年生からやっている)。 でもその割に「技を極める」釣りでもあるので、 大人になってからも、長い人生を通して楽しめる趣味になる。 釣り池には高齢者もたくさん来ている、 現在ではむしろ高齢者の方が多くて、 この先、後継する人がいなくなるのではと心配になる。 関西の若い人は是非このサイトを参考に、 とても興味深い大阪文化のこの釣りを始めて欲しい。 釣り方リールは使わない。3〜4mぐらいの真っ直ぐな、 しなる竿(へら竿)を使う。 竿と同じぐらいの長さの糸を付けて、その端に針を付ける。 途中に細く長い(20〜30cm)独特なウキ(へら浮き)を付ける。 餌は粉を水で練ったねり餌かうどんを小さく刻んだもの、 これだけだ。とても簡単な構成。 へらぶな釣り用の竿(へら竿)は中古で2000円ぐらいから。 カーボン製が主流でとても軽い。女性・子どもでも扱える。 糸や仕掛け・針は2000円程度でそろうだろう。これで1年はゆうに使える。 へら浮きは1000円ほど。 餌は1袋500〜1000円で2〜3種類を混ぜて使う。 餌は1度買えば、5〜8回は使える。 (関東の釣り方は餌をバカバカ投入するので、 1日のエサ代でも結構かかるが、 大阪の釣り方はそんなには必要ない) あと「竿掛け」という物が必要。 へらぶな釣りは餌を何度も付ける、 餌を付ける時は両手を使うので、 その間、竿を置く場所になる「竿掛け」という物がどうしても必要だ。 竿掛けは1000円〜。 へらぶなを釣ったら引き寄せて網ですくう、この網も必要だが、 大阪の釣り池では両方とも貸してくれる、 最初から絶対に必要という物ではない(関東様式の 水藻フィッシングセンターでは何も貸してくれないので要注意)。 500gの魚をすくえる網なら100キンの物で十分(夏になったら売っている)。 中国製ランディングネットなら通販1500円ぐらい。 海釣りで使っていた物があればそれで十分。 仕掛けは竿に糸(テグス)を結んで、途中にへら浮きを付ける。 ウキより下の方にウキがちょうど 立つぐらいのおもり(シズ)を付ける、一番下に釣り針を付けて完成。 簡単でとてもシンプル。 餌は池に着いてから、 へらぶな用の粉餌に水を入れて、ちょうど良い固さに練る。 それをパチンコ玉ぐらいの大きさにして付ける。 竿を振ってそれを池に入れて、 ウキの動きを見て、引けばさっと竿を立てるとふなが釣れる。 大まか、簡単に概要を記述したが、それぞれに細かい部分があり、 詳細は後述していく。 へらぶな釣りは釣り方を楽しむもので、魚をゲットするものではない。 釣ったへらぶなは優しくすぐに水へ帰す。 その魚がまたすぐに釣れるのか・・・そこまでバカじゃないね。 餌はねり餌なので、池に入れるとそんなに長くはもたない。 30秒〜数分おきぐらいで竿を上げて、 竿掛けに置いて、 針に餌を付けてまた振り込む。これの繰り返しが1日続く。 退屈ではない、餌を付けて振り込んだら、じっとウキの動きを見て、 水面下の魚の動きを読み解く。 頭は常にフル回転だ。1日はあっという間に過ぎる、 実は釣れない方が時間が早く進む。 高齢者の釣り人は”ボケ防止になる”とよく言う。 のんびりした釣りでない事は確かだ。 自分の釣っている場所にへらぶなをおびき寄せるには、 ある程度の時間間隔で餌を投入する必要がある。 上から餌を撒けば水面に集まるだけで、 これでは釣りは台無しだ。 針に餌を付けて投入し、自分の釣っている池底のポイントに、 正確にふなを集めながら釣っていく。 釣り場所
じゃーどこで釣るのか・・・ズバリ言えば釣り池だ。 釣り池釣りの技術を楽しむのは、この釣り池での釣りだ。 釣り池にはたくさんふなが飼われているので、釣れて当たり前。 釣る技術を楽しむ所。 釣り池(関東では釣り堀、管理池)は野池やため池を改造して、 へらぶなを養魚場からたくさん買い入れて、桟橋を作って、 へらぶなを釣るためだけに作られた施設。 昭和の時代は、街の中にまであるぐらい、あちこちにあったが、 釣り人口の減少で、大阪府内では数カ所ぐらいに減った。 一般の人が釣り池を見かける事は、かなりなくなったが、 少しは残っていて、へらぶな釣りを楽しんでいる人が結構いる。
有料で1日の釣り料金は一人1500円から2500円。
トイレが完備されている所がほとんど、食堂がある所もある。
釣り池は釣り方によって、大きく2つの種類がある。
大阪や奈良・京都では、底で釣る事が規定されている釣り池が多い。 へらぶな釣りは、底で釣るのとそうでないのとでは、 技術も興味も全く異なる。 なので釣り池自体で大きく分かれている。 「技術を楽しむ用」の底釣り規定の池と、 「数釣り用」の釣り方自由の池とに。
このサイトでは大阪のへらぶな釣りの紹介なので、
3つのタイプの釣り池を紹介しておく。
細かい事が好きではない、単純でも釣れればいい、
という人もそれは好きずき。
なので大阪にも釣り方自由、
チュー釣り用の深くて大きな釣り池もある。
水藻フィッシンセンタ 釣り池はネットで探すと、すぐにいくつか見つかるので、 自分の近い所を探すといい。このサイトでは電車で行ける池を紹介する。 最初は一人で行くのに少し勇気がいるが、 このサイトをよく読んで、一度行って見れば状況も分かる。 最初はできれば土日を避けて平日に行けこう。人が少なくて気が楽だ。 少し慣れてから土日に行けばいい。 釣り池はゲーム性を出すために、「大助」というものを設定している。 このあと紹介する枚方の「王仁新池」では、 35p以上のへらぶなを釣ると大助だ。池の料金で使える金券がもらえる。 釣り池によって、大助の大きさや賞は異なる。 ダム湖ダム湖では釣りが許可されている所があり、地元愛好家や遊漁組合などが、 へらぶなを購入・放流している所がある。 大きな水域で育った大きなへらぶな(巨べら)がいたりするので、 その大きさと強い引きを楽しめる場所だ。 しかし広大な水域なので魚の密度が低い。 つまりあまり数が釣れない。 初心者には不向き。しかも遊漁料が必要(有料)。 でも野趣もあってとても魅力的ではある。未だに人気が高く、 ダム湖ばっかり通っている人も多い。 強い引きを楽しみたいなら、どぶ川でコイを釣る方がいい。
自然の中で長い竿で巨べらを釣ると、その快感は替え難く、
釣り池などでの釣りは、こまごましていてあほらしく思えてくるだろう。 釣り池のように、微妙なウキの動きを楽しむという事はない。 太いウキでも、大きくズボッと引くので、それに合わせるだけ。 技術的には単純だ。とこ釣りではなく、水面より2〜3mの所で釣る。 タナ(魚がいる深さ)は日ごと、季節ごとで変わっていく。 野池・湖
最近は野池で釣りができる所が本当になくなったので、
あればラッキー。
条件的にはダム湖と同じ。
でも結局は人が放流していないと、
へらぶなは自然界にはいない。
大阪近辺ではもう野池はどこも釣り禁止で場所はない。 川へらぶなは流れに逆らって、グイグイ泳ぎ回っている魚ではない。 川で釣る場合、流れがとても緩やかか、 淀んでいる部分でないとほぼ釣れない。 ウキも見に難くく釣りにくい。 わざわざ出掛けて行って釣るほどの良い条件の所は少ない。 近所にあって、簡単に通える所があればいい。 魚の数も少なく1日数匹釣れれば嬉しいぐらい。 へらぶなは少ないがマブナは多い、コイやライギョ、 ナマズ、ブラックバスと色々釣れる。 子どもだけで行くのはかなり危険だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−へらぶなは人が交配改良して作りだした魚なので、 本来は野にはいない。 放流があちこちでされた結果、野池、ダム、 川でもほんの少し釣れる。 北海道にも放流されている(大沼公園で一週間ほど釣った経験がある。 へらぶなはよく釣れたが大きいのは釣れなかった、2000年ごろのお話)。 へらぶなの釣り方で「マブナ」もよく釣れる。 ウキの引きは単純明快で、マブナ釣りでもそれなりに楽しめる。 ナマズや鯉も釣れるので、それなりに楽しい。 へらぶな釣りの道具とりあえず、大阪の釣り池から始めるとして、必要道具を紹介する。 へらぶな釣りの道具は千差万別、ピンからキリまである。 最初はとにかく安物でいい、面白い!と思えてから、 人の物を見て、いい物を欲するといい。 お金ばかり出して高級道具を求める人もいるが 自作して楽しんでいる人もたくさんいる。 へら竿竿だけは最初は中古でもいいので、日本メーカ (櫻井釣漁具、シマノ、オリンピック、 ダイワ、がまかつ、リョービ)の 3000円から5000円ぐらいの物(並継ぎ・カーボン製)を購入しよう。 このメーカ製品ならまず間違いない。 柔らかい竿よりは、少し硬めが釣りやすい (通常へら竿には何故か名前が付いている)。 例えば中古で「白眉」(旧オリンピック)、 新品の「陽舟」(ダイワ)など。 「白眉」は中古品で6000円程度、 「陽舟」は新品2024年モデル・10尺で1万円ほど。 長さは10尺ぐらいが良い。 へら竿の長さは尺を使う(10尺=約3m)。 ここで紹介する3つの釣り池(寺口・西池・王仁)のいずれでも ちょうど良く使える。 10尺ぐらいの長さだと、野池やダムではあまり使えない。 釣り池用になる。長いと扱いが少し面倒なので、最初は10尺ぐらいで 仕掛けの振り込みや、魚を釣った時の竿さばきを身につけるといい。 へら竿は材質によって3種類がある。カーボンロッド(現代の主流)、 グラスロッド(昭和の主流)、 竹竿(工芸品)だ。新品で買える物はカーボンロッドになる。 カーボンロッドが一番軽くて使いやすい。 竹竿は高価(一桁あがる)でちょっと重い。 竹竿にはふなを釣った時のしなり具合が何とも言えない良さがある。 実用というよりは、感情的な物になる。 見るだけでもすばらしい物があり、コレクションしている人も多い。 10尺ぐらいの長さの竿なら、古いグラスロッドでもぜんぜん大丈夫。 カーボンロッドよりは少し重い。 振り出し式になっていて、扱いやすい。 安いのが見つかったらそれで十分だ。 新品のカーボンロッドも良いが、やはり高価なので、 最初は中古を求めるのも良い。 中古品が置いてあるお店で、見ながら聞きながら購入するのが 一番たしかだ。 でもお店が近所に無い場合は、通販、 フリマサイトやオークション(検索=「ヘラブナ 竿 10」)でも 購入できる。最近は釣り具店がとても少なくなった。 安物でも使えるが、 中古で5〜6000円の日本メーカ製品だと多分一生使える。 しかしフリマやオークションだと送料が1500円〜2000円もかかり、 結局1万円近くになりやすい。それなら通販ガバゾンとかで、 新品1万円ぐらいの物が買える(ダイワ「陽舟」)。
(オークションでの注意事項) 日本メーカのカーボンロッドは「並継ぎ」と言って、 ばらばらになっている1mほどの本体3〜4本を太い順に、 先に継ぎ足して1本の竿にする構造になっている。 (「振り出し竿」というのはテーバー状の竿が、 1本に重なって収納されていて、 それをビューンと先へ伸ばしていく構造の物で、 昔のグラスロッドがこの構造。 カーボンロッドでは少ない、高級品にはない) カーボンロッドの中古品を購入する時は、 この継ぎ足していく差し込み口の部分(穴)が、 割れていない事がとても重要。 割れた物は竿が途中でスポスポ抜けて、使い物にならない。 商品説明の所に「口割れはない」と書かれている物は大丈夫。 釣り具専門の中古買い取り業者はよく分かっているので、 もし口割れ品だと「ジャンク」扱いでと、 ちゃんと注意書きにも記されている。 オークションで決める時は、ちゃんとメーカ名が記述さている事、 材質がカーボンで、 口割れがないと、文書で書かれているのが一番信頼できる。 「写真が全て、自己判断で」と書いている業者は信用できない。 竿掛け
へらぶな釣りは座ってする。餌を付けて竿を前へ振って、
仕掛けを水面へ振り込んで、あとはじっと浮きの
動きを見て釣るのだが、その間、竿を手で空中で支え持っているのではなくて、
前方水面上に竿状の「竿掛け」
(1.5mほど)を突き出して、そこに竿を置いて使う。
竿掛けは足元の木の部分にねじ止めする。 下図で水平に固定されている竿が「竿掛け」。
竿掛けもピンからキリまであって、
一番安いのはガバゾンで鉄製のが1000円ぐらい。
網(玉網、たも)
へらぶな釣では釣れた魚を水面より持ち上げたりしない。釣れたら竿を立てて
ふなを引き寄せ、手前に来たら網ですくい取る。網の中で針を外して、そのまま
逃がしてやる。 下図は金属の柄に金属ワクの網を取り付けた。網は中国製で500円ほどだった。 金属ワクは折り畳みできる。折りたためると持ち運びがすごく楽。 でも中国製品に耐久性は望めない。1年ほどで 枠の付け根の所がぐらぐらになるものが多い。
へら浮きへらぶな釣りで一番重要とされるのが、 「へら浮き」と呼ばれる少し細長いウキだ。 へらぶな釣りが他の釣りと違う一番の特徴はこの「へら浮き」だ。 なにしろ、水面下の動きをこのへら浮きを通して読むのが、 この釣りの一番のポイントなので、最も特徴のある道具だ。 へら浮きもピンからキリまである。数百円から1本1万円のものまで。 子どもの頃に、釣り池のおじさん達からよく言われたのは 「竿なんかは何でもいい、お金をかけるなら浮きだ」と。
ではどんな浮きが適当なのか、どんな浮きを買えばよいのか・・・。
これはへらぶなの釣り方によって、色々変わってくる。
へら浮きは赤・緑・黄の視認する部分の「トップ」と、
浮力のための「ボディ」に別れる。
トップが水面より出て、ボディは水中に沈む部分。 10尺のへら竿を使う場合、自分から約4〜5m離れた水面で、 浮きのトップを見ながら釣る事になる。 細いトップの方がほんの少し敏感になるが、それほど気にする事はない。 見えにくいと意味がない。 0.8mmから1mmの太さがあるものを選ぶのが無難だ。 「パイプトップ」と言われる物は1o前後で太くて見やすい。
ちなみに下図は全てパイプトップで、
上側2本はパイプトップ径1o前後、
3本目は2oだ。
上2本が完成品、下2本は自作途中品。
へらぶな釣りが大好きになれば、自分で見やすい浮きを作ればいい。
下図の一番下がクジャクの羽(作りかけ)、
その上がカヤ(作りかけ)。 仕掛けここでは仕掛け作りに使う部品の紹介をする。 詳しい仕掛けの作り方は後述。仕掛けは海釣りのように 市販品を買うのではなく、すべて自作する。 (へらぶなの仕掛けは市販されていない)
へらぶな釣りの仕掛けはとても簡単。
竿の先から手元まで伸びるメインの釣り糸を
「道糸」という。この「道糸」には浮きとおもりが付く。
道糸の端に「ハリス」という細い糸を結び、ハリスには釣針が結ばれる。
これだけ。
下図は針を結ぶ糸と(ハリスという)、針と
、針に糸を結び付ける道具(赤い物)。
ハリスを針に結ぶ方法はやや難しい。ネット動画を見て練習するのもいい。
面倒なら最初はハリスが結ばれた針が、市販されているので利用するといい。
通販サイトで見つけてみよう。針は3号か4号。
(数字が大きいほど大きい針)
ゴム管は黒いゴムの管で、道糸にそれを通して、
更にそこにウキを差し込んで浮きを止める物、
6個で200円ぐらい。 へらぶな釣では、おもりは「板オモリ」というものを使う。 大阪では「シズ」と呼ぶ。 厚み0.3mm前後、幅15mmぐらいの長い鉛のうす板。 チューイングガムを薄く延ばしたような板状で、数10cm巻かれて売ってる。 へらぶな釣りにはこの「板シズ」が絶対に必要。 浮きをちょうど良い所まで沈めるために、これを道糸に巻き付ける。 浮き沈み具合を微妙に調整する必要があり、 この板シズを削るように切りながら調整する。
下図の右上に巻いてある物が板シズ。
板シズは色んな厚みのものがある。
使い始めたらもうずっと同じ厚みを利用する方が、
浮きとシズの関係が分かり易い。
0.25oのがいい。将来、うどんで釣る時の事を考えて、
シズは少し薄い目の物を使おう。
100均で安い自転車用の虫ゴムがあれば活用できる。
とこ(池の水深=ウキ下の長さ)を測るためのオモリや
針を外すためのラジオペンチの先にかぶせるなど。
へらぶな釣りでは釣針がとても特徴的で、
針の先端の「返し」の部分がない物を使う。
「返し」は針がすぐに外れないようした釣針の特徴だが、
へらぶな釣りではこの部分が無い物を使わなくてはいけない。
これを「スレ針」という。 へらぶな釣りでは魚が掛かったら、 竿を立てたまま引き寄せて、網ですくうまで糸はピンと張ったまま。 なので通常魚は外れない、釣針の「返し」は不要だ。 「スレ針」だと釣れたら網の中で針はすぐに外せる。 魚の傷も最小限で済む。 この釣りでは浮きの動きに合わせて、 魚が餌を食べた瞬間に竿を立てて釣るので、 針はほぼ飲み込んだりさせず、針はうわくちびるにかかる。 釣りに慣れた人なら、針にハリスを結ぶのは誰でもできるだろう。 入門者は最初、針とハリスが結ばれた市販品を使うといい。 興味のある人は後述の「少し発展系」の所に、 ハリスと針の結び方を詳説してあるのを参照。 動画サイトでもたくさん出ているので、見て練習しよう。 ハリスと釣り針を別々に購入する場合、取りあえずハリス=0.6号、針=4号 ぐらいでよい。ハリスの結び方は後述。 仕掛けは自分で作る。釣りへ行く前に自宅で竿を伸ばして、道糸を付けて、 ゴム管を通して、 ハリスと針を付ける。それを「仕掛け巻き」に巻きつけて、 当日釣り場へ持参する。 この仕掛け巻きも市販されているが、 最初は段ボール紙を15cm長の長方形に切って、 それに巻きつければいい。将来何種類も竿を購入して、 長さごとに仕掛けが必要になったら市販品を購入しよう。
下図は市販の仕掛け巻き。左から「普通の」「へら用」
「プラの一般汎用」。
「へら用」は高級。巻いていって最後の部分を留める部分が金属なので
道糸を傷め易い。筆者は使わない。
もし購入するなら「メイホウ」の仕掛け巻きが申し分ない。
段差の2本針でも簡単に引っ掛けられる、
巻き終わりを止める所が両端にたくさんある。
至れり尽くせりで1つ50円程度(3個入り150円)。
こんな便利な物はほかにない。 餌関係へらぶなは草食魚なので、生き餌は使わない。 餌は大きく分けると「うどん」か「ねり餌」のどちらか。 「うどん」は昔はへらぶな用の白いうどんが売られていたが、 現在は無い。 現在はわらび餅用の粉で自作する。 わらびうどんの作り方は後述「少し発展系」の所の うどんのとこ釣りの箇所で詳説した。 「ねり餌」は釣具店で餌会社の粉を買って、釣り場で水を入れて作る。 「わらびうどん」の扱いは若干手間なので、うどん専用池でないなら、 取りあえず「ねり餌」を使う。 ねり餌の種類はたくさんあるが、取りあえずは2つでいこう。
餌会社のへらぶな用餌で、入手容易な
「段差バラケ」(1000円前後)と「ダンゴの底釣り芯華」
(500円前後)を使う。
なぜ2つかというと、この2つの配合比率を変える事で、
ねり餌の状態を変化させる事ができる。 ねり餌を作る時、少し深めのタッパとプリンのカップを使う。 スーパで売っているプリンやもずくを食べたあとのカップが使える。 これで粉と水を目分量で測って、ボウルに入れてかき混ぜて練り上げる。 タッパは100均ので十分。1〜2時間で使い切る量をこまめに作ろう。 ネット映像では洗面器にどっさり餌を作っているが、 あれは関東の釣り方で、山ほどまき餌を使う釣り方。 餌会社が儲かるように仕向けている。広告男が見本映像で広めている。 あんなのは絶対に真似しないように。余った餌ををどかどか池に 捨てている、近くで釣っている人がまだいるのに、最悪だ。 下図の餌は大きい袋(左)がバラケ餌(約1000円)、 小さい袋(右)がダンゴ餌(約500円)。1本針のとこ釣りなら、 これで5日〜7日分。1回の餌代が200円〜300円かかる。
小道具類
仕掛け作り
まずは糸の結び方。普通の団子結びではナイロン・テグスでは
ほどけてしまうので、2回輪に入れる団子結びにする。
穂先に道糸を結べたら、テグスを繰り出して竿と同じ長さの所で切る。
これで仕掛けは完成。浮きと板おもりをつけないまま、
段ボールの長方形に切った物に巻きつけて(仕掛け巻きでもいい)、
現地へ持参する。
釣り池で竿を伸ばして、この仕掛けを出して、穂先に付けて、
浮きとシズ(板おもり)を付けて調整する。 それ以外に緩衝用ビニールひもやヨリモドシなど、 ごちゃごちゃ入れている人もいるが、どれも必要ない。 ピュンピュンと素早く竿を振り上げては、 ふなが餌を吐く前に、引っ掛けるように釣る人もいるが、 ちゃんとした食いアタリを見極めれば、 そんな激烈に速く引き上げなくても、 すっと竿を上げるだけで十分に釣れるので、何も付けなくていい。 竿のしなりだけでテグスにかかる力が十分に吸収される。 この仕掛けでも40cmを超えるへらぶなは普通に釣れる。
実は仕掛けにはもうちょっとだけ付加する物が必要だ。
直接魚を釣る目的のものではない。
浮きの位置を定める時に使う「目印」だ。
使い方は後述する。
「目印」は浮きより少し上の位置で、木綿糸を道糸に結び付けるだけ。
その結び方を下図で説明する。
黄色のわっかの直線部分が道糸と平行になっている所がある。
わっかに通しながら、わっかと道糸を一緒に巻いていく
4回ほど巻きつけたところ。 この木綿糸の結び目「目印」は道糸上でスカスカ動くと使い物にならない。 少し硬い目にしっかり結ばれている必要がある。 黄色の木綿糸の両端を引っ張って結び目を作る。 しっかり結んだら、結び目だけを残すように あまった木綿糸の両端を赤矢印の所で切り落とす。(下図参照) この小さい結び目が目印になる。 目印は池底の水深を測る時に道糸上で上下に動かす。目印を動かす時は、 爪でギュッと挟んで動かす。
実際でもテグスの道糸にはこの黄色の木綿糸を使って目印を作っている。
(綿手縫糸:綿100% 24/3) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 釣り池へ出掛ける(大阪の釣り池)初めて釣り池へ出掛けるには、 やっぱりある程度釣れる時期がいいだろう。 釣り池でも釣れる時期とそうでない時期がある。 盛夏の頃は避けるように。 とにかく暑い、パラソルが無いととても1日釣りなどできない。 (パラソルは釣り池で貸してもらえるが、色々と大変だ) 盛夏の頃は、ここで紹介する王仁新池は池底ではほとんど釣れない。 理由は確かではないが、底の方では酸欠になって、 生物がいないような状態になる。ジャミすらいなくなる感じだ。 この王仁新池へ行くなら、 ゴールデンウィークの頃が最もよく釣れる。春、秋もいい。 冬はうどんを使ったとこ釣りがとても面白いが、 入門ではない。興味があれば、 このサイトの下の方にある「うどんのとこ釣り」の項を参照。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− へらぶな釣り発祥の大阪の釣り池はこじんまりとした池で、 水面は太いパイプで四角く区切られている。
これは波が立たないように、伝わらないようにしたもの。 (京阪奈地区以外の釣り池・・・ 管理池とか呼ばれる。そこでの釣りは池底ではなくて、 水面と池底の中間で釣る「チュー釣り」というおさかな釣りだ。 浮きの微妙な動きなんて読むことはしない。 餌をばらまいて、どんどん釣るだけ、いわゆるばかちょん釣り。 このサイトではそんなものは対象にしない。)
さあー、大阪の釣り池へ行こう。以降は実際に即して記述する。
釣り料は1日2000円(女子は1000円、彼女連れにはベスト)、
6:30から16:30まで(晩秋〜冬は16時まで)。
道路側から池に入る所に事務所がある。
そのまま通って池に入る。「おねがいします」ぐらいを
言って事務所を通りぬけて池へ進む。
料金は9時ごろ釣り池のおばさんが集めに来てくれるので、
桟橋に入って釣ってればいい。
料金を集めに来てくれる時に昼食の注文ができる。
事務所の食堂で食べられる。
桟橋はどこでもいいが、浮きが見えやすい場所がいい。
水面の反射によっては見やすい場所がある。空の白い色が
水面に反射して見える場所では浮きが見えにくい。
初めての釣りはちょっと緊張するかも知れないが、
お金をちゃんと払うのだから、遠慮する必要はない。
空いている場所ならどこでもいい。
初めてなら、人がいない空いた場所にしよう。
間違っても、チュー釣りの連中の隣には入らないように。
バシャバシャと竿を水面でやるもんで、
うるさくてじっくりと釣りなんてできたものではない。
(浮きから餌までが1m未満で釣っているので分かる) 場所を決めたら道具を広げるぞ。まずは座り位置を確保して、 荷物を置いて、シートか新聞紙を広げよう。 桟橋床板の隙間に物を落とさないように。
竿掛けを設置する。桟橋の木に直接ねじで留める
(下写真の物は古い金具式の物)。竿を置く場所が設置できたら、
竿を伸ばして置く事ができる。
仕掛け巻きと竿を出して、仕掛けを竿先に付ける。
竿を伸ばして仕掛けもセットする。針が付いているので、
あちこちに引っ掛けないように注意する。
写真の竿掛けは古いタイプで桟橋の横木にねじ(矢印@)で留める。
矢印Aのねじを回すだけで竿掛けの角度を調節できるのでとても
便利、コンパクトで軽い
(でももうこのタイプは販売されていないのが残念)。
手受けは無くても釣りはできる。こういうタイプの手受けもなかなか
見かけなくなった。オークションなどで時々見かける。
現在は万力という横木に噛ませる方式が主流で、
それに竹の竿掛けを差し込むタイプばかり。高価で少し重い。
このサイトの道具紹介・竿掛けの写真の下の物がそれだ。
万力の先にある棒の部分と、
それに差す竹竿の口径が合わないと使えない。
特にJIS規格などないので、自分で調整できない人は、
万力と竿掛け用の竿と、その先端に付けるV字型の竿を載せる部分が、
セットになった物を購入すればいいが、新品だと結構高価。
竿掛けなんて釣りにはどうでもいい。
最初からこんな物にお金をかける必要はまったくない。
下図は竿が万力の棒の部分に完全にはまっていない、けど落ちないから
使える(普段は使わない)。こんな物は自作している人も多い。
下図の竿掛けなら王仁新池では無料で貸してもらえる。留めネジも
貸してもらえる。 竿掛けがセットできたら、竿を出して仕掛けを結び、さらに 浮きを付けるが、取りあえず釣り針から1mぐらい上 の位置に浮きを付けておく。浮きは道糸上をスライドして、 固定できるようになっている。道糸をつかんでキューっと動かしてみる。 浮きから釣り針までの長さ「浮き下の長さ」はあとで精密に調整する。 とりあえずは1mぐらいにしておく、長くしないように。
竿掛けに釣り竿を置く。その時、竿掛けの角度を調節して、
釣り竿の先端が少し水面に沈むぐらいに竿掛けを設定する。
調整の仕方は竿掛けを固定している部分のネジを回して、
自分のいいようにする。 浮きとおもり(シズ)の調整 これで第一段階の準備が完了。次は大事なへら浮きの調整だ。 現段階では仕掛けに浮きだけで、シズは付いていない。 当然仕掛けを池に入れても、浮きは立たない。 これから板おもりを仕掛けに巻いていく。 (板おもりは大阪では「板シズ」や「シズ」という)
浮きの大きさがトップ14p、ボディ14pぐらいだと、ボディの
太さにもよるが概ね1g〜1.5g前後のおもり重量になる。
板シズの厚みによるが、4cm〜6cmぐらいの長さを切り取る。
初めての時は少し長めに切ってから使う。
シズは切り詰めながら調整していく。
最初は浮きが全部沈むぐらいのシズを付けて、
徐々に切っていって、浮きのちょうどいい所が水面から出るように
調整していく。 巻き方は最初シズの端をほんの少しだけ曲げて(1〜2o)、 そこに道糸を挟み込む。 曲げた部分をぴったり折って道糸をはさみ、 そこを中心に出来るだけ隙間を開けないように、 密に丁寧にクルクル巻いていく。 シズがきれいに巻けていないと、水中を通る時にその部分が回転して、 糸に撚り(ヨリ)がかかってしまい、もつれの原因になる。 ![]() ![]() ![]() シズが付いたら仕掛けを水面に振り込む。 竿の握り部分を利き手で持って、 もう片方の手で針の所のハリスを持つ。 針を引っ掛けないように、前をよく見て、 ハリスを放すと同時に竿を少し立てて、前に少し振り出す。 竿の下側から降り出すアンダースロー。
そうすると仕掛け全体は前に振れて、水面にポトンと落ちる(はず)。
水面に落ちると同時に、竿を下げてそのまま竿掛けに置く。
すぐ手前に落ちると失敗、なるべく遠く向こう側に放り出すようにし、
一番遠くで落ちると成功だ。ちょっと練習してみるといい。 この王仁新池は概ねどこも1mよりは深いので、 シズを付けて池に放り込むと、 シズが水中に沈んでいき浮きが立ち、ズブズブ沈んでいく。
浮きが立たないのは、シズが軽すぎるか、浮きが立つ前に、
シズが池底に着いてしまっているかのどちらか。 ここまでこのとおりにすれば、浮きは全部沈むはずだが、 もし沈まなければ、板シズをほどいて、 新しい長めのシズで巻き直す。 浮きが水中に没しない場合、
全体が沈み切った浮きを、ちょうど良い所まで水面から出すために、 次に板シズを少しずつ切り詰めていく。これがおもりの調整だ。
浮きのトップのちょうど良い位置で釣り合って浮くように
調整していく。 最終的には水面から浮きのトップ5目盛りが出るように 板シズを調整する。 トップ5目盛りめは赤になっているものが多い。 慎重に正確にこの5目盛りめが出るように調整する。 その際、道糸が全部沈んだ状態である事。 釣りをする時は、道糸が全部沈んだ状態でやる。 道糸の重量もわずかにかかる。浮きのトップの太さにもよるが、 半目盛りぐらいは変化する。 ![]()
(再度おさらい) ゆーっくり全部沈むぐらいになったら、 今度は2oぐらいずつ切る。道糸も全部沈んでいる事も確認する。 そしてトップの先が見えるぐらいで止まったら、 浮きの浮力と板シズの重さがだいぶ釣り合ってきている。 今度は1oずつ切っていく。 概ね1oだとトップの半〜1目盛りぐらい浮き上がっていく感覚 (板シズの厚み・トップの太さにもよるので注意)。 この浮きの調整はとても大事なので、時間をかけて慎重・ 正確にゆっくり行おう。 慣れてくると板シズを切り詰めていく手順ものみこめていく。 ![]() −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 浮きとシズの調整が終わったとしよう。ここまでで、道糸は全部沈み、 浮きは水面に立って、トップが5目盛りの所まで出ている。
水面に浮きが立ち、
水中に板シズと針がぶら下がってつり合っている状態だ。
釣り針から浮きまでが1mぐらいだと、
釣り針も底には着いていない状態でつり合っている。
つまり針は水中で宙ぶらりんになっている。 この状態で餌を付けると、トップがいくらか沈んで、 餌(針)が水中にぶら下がっている状態になる。 餌を宙ぶらりんで釣る釣り方を 「チュー釣り」という。 「チュー釣り」では、浮きから針までの長さをきっちり測ったりせず、 適当な長さにして釣る。 50p、1m、底近辺(測ったものではない)とか適当。 この釣り方は大阪や奈良・京都の釣り池では禁止されている所が 多いので、要注意。 大阪の釣り池は池底で釣る「とこ釣り」が大前提だ。 へらぶなは底で釣る(とこ釣り)、というのは常識中の常識。 その理由はこのサイトを、最後まで読まれると理解できる。 とこ釣りでないなら、へらぶなという魚を使う必要はない、 コイやマブナでいい。
まあチュー釣りなんてどーでもいー、大阪では関係ない −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
水深の測り方(とこの測り方) さて、大阪のへらぶな釣りでは、 もう少し調整が続く、もう少し我慢しよう。 大阪のへらぶな釣りは、池底で釣る、と書いたが、 それは「浮きが立って5目盛り出ている状態で、 餌がぴったり池底に着いている状態で釣る」という事。 これがとこ釣りだ。 そのようにするためにどうするか、それを以下に詳説する。
浮きとシズのバランス調整が出来た段階で、今度は水深を測る。
浮きは道糸にゴム管で留めてあるだけなので、
上下にスライドできる。
浮きから針までの長さ(この長さが水深に当たる)を調節して、
池の底にぴったり到達するようにして使う。
この調節をする事が水深を測る事だ。 ではとこの取り方を解説する。 さて水深を測る(とこを取る)前に、 池のどこの水深を測るのか・・・ それは自分がふなを釣る「自分のエリア」を決めて、 そこの水深を測る事。位置が少しずれると数cm変わったりする。 「自分のエリア」とは毎回そこに餌を投入して、その場所の底に ふなを集めて釣りをするエリアだ。 海釣りやブラバス釣りのように、へらぶな釣りでは、 あちこち場所やポイントを変えるような事はしない。 一日ずっと同じ場所で釣るのが普通。 おおよそ半径30pぐらいをイメージしよう(下図の点線円)。 へらぶな釣りでは、あっちで釣ったり、 ちょっと横で釣ったりは基本しない。 竿を振って、仕掛けを振り込んで、 毎回そのエリアを外さないように投入する。 そのための竿や糸の扱い技術は必要で、 少し風があってもなるべく正確にそのエリアに、 浮きを立てられるようにしならなければいけない。 一日百回程度は振り込むので徐々にその技術を身に着けよう。 「自分のエリア」を目測で定めて、 そこでとこを取る。(水面に映る像で定める)。 池の底はプールのようにまっ平ではないだろう(想像)。 石が転がっているかも知れない、穴が開いているかも知れない。 測る場所が左右前後にずれると水深も変わってしまう事がままある。 「自分のエリア」は自分が釣りをする姿勢で竿を手元に持って、 その状態で、仕掛けを水面に振り込んで、一番遠くに浮きが立つ所だ。 つまり竿先から浮きまでの間の道糸は、ピンと伸びている場所。 もしそれより手前に入れてしまうと、 道糸はゆるんでしまう、これではだめだ。 釣りをしている時は、竿先(穂先)から浮きまでの道糸は、 常にピンと伸び張った状態になっている事が基本だ。 左右の位置もだいたいに決める。 そのエリアでその日1日釣りをする事になる。 竿先から浮きまで道糸がぴんと張っていないと、 浮きが引いた瞬間(ふなが餌を吸い込んだ瞬間)に、 竿を立てる動きが、道糸全体に伝わらない。
へらぶな釣りでは「ふなが餌を食べた瞬間」「竿を立てる」
「針が動く」の3つが素早く連動しないと釣れにくい。
なので竿先と浮きまでの間の道糸がたるんだ状態ではいけない。 さてここからがとこの測り方・・・・ 浮きとシズの調整ができた段階では 浮きから下は水中で宙にぶらさがっていて、 浮きのトップの5目盛りの所で釣り合っている状態だ (シズが重力で底方向に引っ張る力と、 浮きの浮力で上に引っ張り上げる力がつり合っている状態)。 この状態で釣り針に少しだけおもりを付けると どうなるか・・・トップの5目盛りより沈んでいくずだ。 実際にやってみよう。少しだけのおもりは簡単に自作できる。
下図はその一例、シズを1pほど巻いて、それをゴム管に突っ込んだもの。
おもりの調整の所で経験したので分かるだろう。
シズを1pもつければ、
浮きのトップ5目盛りぐらいは全部沈んでしまう。
このゴム管は自転車の虫ゴムで100均で売ってる。
浮き止め用のゴム管でもいいがシズが入りにくい。
シズに小さい輪ゴムを巻いてもいい。要はシズに針を引っ掛ける所が
あればいい。 少しだけシズを針に付けて、仕掛けを水面に振り込むと、 まず浮きが「自分のエリア」の所で立って、 それからゆっくりトップが沈んでいくはず。 もし沈んで行かない時は、 板シズと浮きが水中で釣り合っていなかった事になる。 水中で釣り合っていれば、少しのおもりを針に付けただけで 必ず浮きは沈んでいく。
さて、ややこしい話は置いておいて、 微妙なバランスで、浮きとシズが釣り合って浮いているところに、 針に小さい鉛のおもりをつければ、当然沈んでいくはず。 この時、重すぎるシズを付ける必要はないのも理解できるだろう。 重すぎるシズは、池底で泥にめり込んでしまいかねない。 浮きから針までの長さは、 池底の泥の上にエサが載るぐらいの長さがいいはず。
ダンゴ餌でも重さはある、でも体積も大きく浮力もある。
ダンゴ餌は普通に丸めるぐらいだと、
水中では自重でやっと沈む程度。
なので池底で泥の上に載っても、ほとんど沈まない程度。 ここからが実際のトコ取り(水深測定)
浮きの先端が少しだけ見えた状態で、
竿を持つ手を池の上に伸ばして、
竿を前方へ押し出すようにすると
(下図「状態1」の黒矢印)、
なんと浮きの先端がにゅうっと浮きあがってくるだろう
(下図「状態2」の赤矢印)。
下図のように浮きのトップの先端が少し見えていた「状態1」
から2〜3目盛りぐらいが水面から伸び出てくる(「状態2」)。
実際には「自分のエリア」より少しだけ手前に仕掛けを振り込んで、
竿をぐっと前に押し出して、浮きが「自分のエリア」の所で、
浮きトップの先端が水面から少しだけ出るようになるまで、
道糸上の浮きの位置を調整していく。 ![]() しかしこれがなかなか難しい。理屈ではこういう事だが、 池の底はまっ平ではない。 仕掛けを振り込むたびに少し位置が前後左右する。 すると水深もセンチ単位で変化するだろう。 また水面の水が少し流れていると、浮きがそれに流されて、 浮き下が「状態2」のようには垂直にならない。 トコを測るたびにあれ?となる経験をするだろう。
しかし理屈どおりにはいかなくても、
いくらか妥協して「このへんでいいだろう」と、
経験で決めていく。
餌を付けて釣りをやっている最中でも、
なんか浮きの引き(アタリ)が変だなーと感じて、
またトコを測り直すという事もしばしばやる。 トコを常時正確な長さにする事は、 へらぶな釣りの基本的かつ重要な作業だ。面倒がっていてはだめ。 このような作業のサバキ技術でも、 ベテランと初心者では大きな差が出る所になる。 シズの調整とトコ取りの正確さが、 とこ釣りではとてもとても重要。 この2つの事で、アタリの出方、アタリの様子も変わってくる。 毎回の釣りで、この2つがいつも同様で正確であって初めて、 他の項目の変化を試していける。 例えば餌の種類、大きさ、固さ、ばらける具合など。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トコが測れて次に何をするか・・・。ここで登場するのが仕掛け作り の所で説明した「目印」だ、あの黄色い木綿糸の結び目だ。 今、浮きのトップの先端が、水面から少しだけ出た状態、 つまりトップの先端から針先までが、 「自分のエリア」の水深になっている。 この水深の位置に「目印」(結び目)を合わせる。
仕掛けを上げて、浮きを道糸にそわせた状態で、
「目印」の結び目を移動させる。
浮きのトップの先端に「目印」を合わせる。 次にこの「目印」の位置が水深なので、今度は浮きを上にずらして、 トップの5目盛りめをこの「目印」に合わせる。 これでトコ合わせは完了になる(下図中央の状態)。 この状態で針にえさを付けると、 底にえさがあって、そこから浮きまでがちょうど水深になって、 浮きとシズが釣り合っている状態になる(下図右側)。
この状態でふながえさに触れると、その動きが敏感に浮きに伝わる。
浮きとシズのつり合い、
浮きから池底の餌までの長さがぴったり合っていて、
初めて池底のへらぶなの動きを、敏感に浮きに伝える事ができる。
へらぶながいかに慎重に餌を食べたとしても、
浮きにはその動きが伝わる。
ここまで地味な作業だ。 この作業の正確さがへらぶな釣り(トコ釣り)の技術の1つだ。 「へらぶなをトコで釣る」とはこの理屈になっていて、 この作為性があるからこそ、 このへらぶな釣りのおもしろさが際立つ。 トコがずれると浮きに表れるアタリもおかしくなり、 いいアタリで竿をしならせる事が難しくなる。 いいアタリで釣り上げてこその面白さ。 とこをきっちり取っても、餌を付けて投入すると、 下図のように実は浮きより下が斜めになる。 そのため、浮きが5目盛りよりも1目盛りほど沈んだ状態になる。 その証拠に、竿を少し前に押し出すと、浮きが上がってくる。 これはとこが間違っているのではない。 餌が池底で軽く引っ掛かって、アンカー(錨)状態になっているので、 どうしても斜め分が沈む。 この状態で、餌が溶けてしまうと、 アンカーが外れて浮きが浮上してくる。 つまり餌がなくなった事がそれで認知できる。
アンカー状態が外れて、浮きが1目盛りほど浮上する別の理由がある。
それは魚が餌の周辺を泳いだり、餌をつっついた時だ。
アンカー状態が外れて浮きが浮き上がる事で、魚の寄りを察知できる。 竿先から道糸〜ハリス〜餌まで、たるむ事無く、 張力が掛かっている状態なので、餌周辺の動きが浮きまで敏感に伝わる。 魚が餌の周辺を動くと餌がゆれて、 餌が付いている状態でもアンカーが外れて、 浮きが浮上してくる。 へらぶなは落ちている餌をいきなり食べる事はまれ。 餌に寄ってからしばらくしないと食べない。 なので、アンカー状態が外れて、浮きが少し浮き上がってからの アタリを取るようにしないと釣れない。 この前の上述箇所で「餌が溶けてしまうと、アンカーが外れて浮きが 浮上してくる」と書いた。魚が餌に寄って来てもアンカーが外れて、 浮きが浮上すると書いた。どちらも現象はよく似ているが、 魚が餌に寄って来て浮きが浮上する場合は、 餌が溶け散った時よりは少しだけ沈んだ位置だ。 つまり、1)餌を投入、2)浮きが立ち、ゆっくり浮きが沈んでいく、 3)5目盛りより1目盛りほど沈む(斜め分)、 4)魚が寄ると少し浮上(ここでアタリを待つ)、 5)餌が溶け散ると更に少し浮きが浮上して、 5目盛り目よりも少し浮上して止まる、という順序。 少しややこしいが、実際に池でやってみて、 またこの部分を読み返してもらうと理解が進むだろう。 4)の箇所で「ここでアタリを待つ」と書いたが、 それより前の3)の状態でアタリが出たらどうするか・・・、 あまり合わせない方が良い。ふなが寄っていない時のアタリなので、 ジャミかスレ・アタリの場合が多い。 トコがずれると、どのような事が起こるかを示す。
(浮き下が水深より長かった場合)
(浮き下が水深より短かかった場合)浮きとシズが釣り合って、
餌を付けていない状態では、5目盛りまで見えているはず。
針に餌を付けると、餌の重みで5目盛りより浮きが少し沈む。 しかし注意が必要。さきに書いたように、 「斜め分」によって5目盛りよりも沈むので、5目盛りより沈む即、 浮き下が短いと判断しないように。竿を前に押し出してみて、 浮きが上がってくれば、それは「斜め分」で沈んでいるだけ。 それでも浮きが沈みがちの時は、 少しずつ浮きを上にずらしていく(5oぐらいずつ)。 浮きがシズの位置(5目盛り目)まで出るように調整する。 しかしトコをもう一度きちっと取り直す方がおすすめ。 浮き下の長さによって、浮きに現れるふなの寄り具合や、 アタリの出方が変化してくる。 その微妙な変化を見ながら、釣っている最中でもトコは時々確認して、 最良な状態に調整・維持する必要がある。 アタリの出方はとこの長短でも変わるし、浮きの大きさ(浮力)や、 トップの太さによっても変化する。最初は同じ浮きを、 1年ぐらいじっくり使ってみよう。それから変化を見るようにしないと、 浮きの変化によるアタリの変化は見定められない。 下図@はトコを取った直後の状態。 浮きの先端と道糸のトコの目印が合わさっている。 黒矢印はシズを調整して浮きが水面に出る位置。 つまり5目盛りめ=「シズの位置」という事。
Aは浮きを道糸にそって上にずらして、シズの位置
(5目盛り目)とトコを合わせた時の図。これで浮きが
5目盛り目まで出たら、餌(針)が底にぴったり着く事になる。
あるいは、Aの状態で餌を付けて浮きが5目盛りまで出ている状態で、
餌(針)を少しずらしたい時は、
やはりBのように浮きを上にずらす。
すると図の*と矢印の差(1目盛り分)が池底にずらせた状態になる。
よく釣り池で「どれぐらいずらしているの?」「1目盛りほど」
などと会話しているのがこのこと。
竿の上げ下げの操作で、また魚が釣れてあばれたりするタイミングで
浮きも上下にずれることがある。
ここまでは理論的なお話。実際はこうはいかない。
その最大の理由は、池の底なんて何があるか分からない。
プールのような人工池はあまりデコボコが少ない。
しかし野池を釣り池にしているような池は、
池底の凹凸が激しい。とこを取る場所が10cmも違うと、
とこも激変する事がある。泥、木の葉、
石ころ・・・一体池底はどうなっているのか、潜って見てみたいぐらい。
とこを取る場所を前後左右で探ってみると随分と変わる事がよくある。
では一体どこの位置でとこを測ればいいのか。
あまりにデコボコで大きな石がある感じだと、とこ釣りは困難。
そういう時は少し場所を移動する事も考える。
なるべく安定した小さいエリアを見つけて、
そこになるべく精度よく餌を投入する。そういう操作術も必要になる。
「とこ取り3年、餌打ち5年、アタリの見極め13年」とか。
やっと釣り始める また池にはふな以外に小さい小魚や淡水えびまでうようよいる。 これをジャミと呼んでいる。 このジャミ連中もえさをしょっちゅうつっつくのだ。 ジャミが浮きを引く(ジャミあたり)動作も浮きには現れる。 ジャミ当たりの中から、 いかにへらぶなが食った時の浮きの引き(食いあたり)を見極めるか。 また釣り池ではふながたくさんいるので、 えさを入れていくと、 かなりふな達がえさ周辺に寄り付いて来て、 ハリスにぶち当たる。 このハリスにふなが触れても、浮きにその動きが伝わる。 これは「スレあたり」と呼ばれる。 スレあたりに合わせると、 ふなの体に針が引っ掛かって釣れてしまう。 これは釣った事にはならない(海釣りなら なんでもゲットだが、釣り池ではそんなの意味が無い。 チューの数釣り連中はそれでもいいのだろう)。 ジャミあたり、スレあたり、食いあたり・・と浮きの動きには さまざまな情報が発現する。この中で食いあたりを見つけた瞬間に 合わせて竿を立てると、竿がぐぐっと曲がってへらぶらの手ごたえを 得ることができるのだ。 浮き下(トコ)の調整、えさの調整、浮きの動きの読み、 これら3つがピタリと合わさった時だけ、 あのなんとも言えないへらぶなの引きを味わえる。
餌の準備 えさは色々あるが、取りあえず餌会社マルキューの「段差バラケ」と 「ダンゴの底釣り」の2つを配合して作っていく。 「段差バラケ」は撒き餌に使う物。 それだけでダンゴに練って水へ入れると、 20〜30秒ぐらいで崩れ去ってしまい針だけになってしまう。 これでは釣れない。 そこで「ダンゴの底釣り」を2〜5割ぐらい混ぜて、 すぐにばらけて無くならないように調整する。 バラケを押さえるために入れるだけなので、何でもいい。 グルテン系の製品でもいい。 配合比率は色々だが、最初は「段差バラケ」: 「ダンゴの底釣り」=5:1ぐらい。 「ダンゴの底釣り」の比率を多くするほど、 餌は水中でバラケにくくなる(水中で粉を撒きにくくなる)。 ふなやジャミはこの粉のような餌が大好きで、たくさん寄ってくる。 魚を寄せて釣るのにはいいが、夏近くになると、 たくさん寄り過ぎて水中は混乱状態になる こうなると浮きの動きもめちゃくちゃになってきて、 きれいな食いアタリを拾えなくなってくる。 へらぶなは単独行動はしない。5〜10匹ぐらいの小群でいる。 なので1群だけ寄っていればいい。その中の1匹だけ 釣り上げる。あまり餌を入れ過ぎないようにする事はとても大事。 やみくもに魚を寄せればいい、というものではない。 釣り池ではふながたくさん飼われているので、 夏場では特に寄せ過ぎないように、 餌を調整しながら釣る事が重要。 ダンゴ餌のバラケ具合、固さ、大きさを調整する。 餌が水中を降りて行くスピードも重要で、 これは浮きの浮力で調整する。 つまり浮きの浮力が大きい物(ボディの太さ・長さ)は 重いシズになり、そのシズが餌を水中に引っ張り込む。 軽い浮き(浮力の小さい浮き)はシズも軽いので、 餌はゆっくり水中を降りていく。 ふな達を寄せ過ぎずに、適度に池底に誘導しながら 釣るようにする。 特に温かい時期では、池の上層で餌をばらまき過ぎたり、 餌の落ちていく速度が遅すぎたりすると、 底層のふな達までが全部上層に登ってしまう。 すると池底の方では、まったくアタリが出なくなってしまう事もある。 これを「うわずり」と言う。うわずりには注意が必要。 水中が見える訳ではないので、浮きの動きを見ながら、 餌や浮きを調整する。 仕掛けを投入して浮きが立つ前や立ってすぐに、 浮きが引いたりすると、餌は上層で食われている証拠。 餌が上層でつっつかれるが、池底ではまったくアタリが 無くなってしまったら、うわずってしまっている。 そんな時はトイレに行ったり、 お茶をしたりして餌の投入をしばらく控える。 しばらくしてから、餌を固く小さくしたり、 浮きを少し重い目(浮力の大きめ)に交換したりする。 −−−−−−−−−−−−−−−
ダンゴ餌つくり
混ぜた粉に水を入れても最初はばらばらした感じだが、
かき混ぜているとしっとりしてきて、
ぎゅっとまとめるとねっとり固まってくる。
出来たダンゴをカップの水の中に入れて、
時間ととともにどうなっていくか観察してみよう。 下図でこのダンゴの大きさと重さを示した。 直径約1.2cm(ほぼ球形)で0.8g。浮力を計算すると0.90g重。 この計算では餌は沈まない(浮力の方が大きい)。 直径1.2cmの球形では誤差が大きすぎるよう。 1.1cmで計算すると浮力は0.70g重になって、 沈む力の方が0.1g重勝って沈む。 浮きのトップ部分の浮力は1p長あたり約0.01g重だったので、 このダンゴ1個でもトップ全体を沈めるぐらいの重みがある 計算になる。針(3〜4号)1本の重さは0.01g程度。 餌が浮きをどれぐらい水中に引っ張り込めるかは結構微妙で、 餌の大きさをギュッと固めると浮きを沈める力が 大きく増すことになる。 このあたりは浮きのトップの太さ、ねり餌の種類や状態で、 変わるが、とこ釣りではそんなに関係ない。
ちなみに浮き5目盛り目にするシズの調整の時は、
水中ちゅうぶらりんで調整している。
つまり針の重さ(0.01g)も入っているので、
1目盛り分ぐらいが針になっている。
餌(針)が着底して少しでもずらした形になると、
この針の重さ分がなくなり、
浮きの目盛りは1つ分浮き出る事になる。
現実にはなかなかそうならない。
水中では餌(針)から浮きまでが少し斜めになって、
その分ぐらいは相殺されるイメージ。
餌の重みが池底でアンカーになって浮きを引っ張る形になっている。
餌が無くなってアンカーが掛からない状態になると、
やっぱり針1つ分の重みが抜けて浮きが少し出てくる。
この辺は現実の池で経験してみるといい。 「段差バラケ」には魚を寄せる「さなぎ粉」が入っている。 「段差バラケ」に「ダンゴの底釣り」を混ぜてあるが、 やっぱり1〜2分ぐらいで水中でかなり崩れているはず。 なので最初は1分おきぐらいで竿を上げては、 またダンゴを付けて振り込む事を繰り返す。 「自分のエリア」の水底では、 バラケた粉状の餌がおいしそうに舞っているだろう(想像)。 それを食べに小魚、ふなが集まってきてくれるだろう(想像)。 水中に舞う餌もふなは大好きで、喜んでふわーっと吸い込む。 その様子は浮きの動きにも現れてくる。
ねり餌は「ダンゴの底釣り」の単品だけでも構わない。
でも「段差バラケ」を配合した方が魚を集めやすいのと、
実は「段差バラケ」の方が少し体積があって、
費用の節約にもなる。へらぶなの粉餌は結構高いぞ。 実際の釣り方
桟橋に自分の安定する形で座る。
手元に竿の握り部分が来る状態にする。
竿は自分の中央の位置に来るようにしてもいいし、
利き手近くにしてもいい。 玉網は利き手の反対側に置いておく。 魚が釣れたら、利き手で竿を立てて引き、魚を手元まで引き寄せて、 玉網ですくう。
餌は針が隠れる程度に付ける。餌の形は概ねまん丸でいい。 アタリが出てサッと合わせる時は、竿先を1mほど素早く、 でも力は入れずに軽く素早く上げる。 「素早く軽く」、決して竿を力強くギュッと握って、 思いっきり上げたりしない。 軽くサッとあげると、もしへらぶなが餌を食べていたら、 鋭い針はふなの唇に必ずかかる。 針の先ではなく、丸い背の方が唇に当たって釣れない時もあるだろう。 きれいな食いアタリに合わせても、必ず針が掛かるとは限らない (確率の問題)。
針が掛かると竿を伝ってふなの重みが伝わってくる。
針に掛かったふなは逃げ惑うので、
ある程度力を入れて、慌てず優しく竿を立てて、
自分の方へ引き寄せる。
水上にふなを引き出したりしないで、手元に引き寄せて、
水中から玉網ですくってあげる。網を桟橋の上に上げて、
玉網の中で針を外して、玉網の中のまま池に入れて、
すぐに逃がしてあげる。
もし餌を飲み込んで、喉の奥で掛かっていれば、
ふなの体を持って、
指先を喉に入れて針を押し込むと外れる。
慌てずに優しく外してあげよう。
へらぶな釣りは、
餌を付けて池に入れてじーっと待っているような釣りではない。
「自分のエリア」の位置の池底には、最初魚はいないだろう。
へらぶな釣りはこの浮きの動きを見極める遊びである。
パカパカ釣り上げて、喜ぶ子どもの釣り遊びではない。 さてどんな浮きの動きがへらぶなが食ったアタリなのか。 これを見極めるのがこの釣りだ。 経験を積み重ねるしかないが、 ここではザクっとした事を記しておく。 あとは自分で経験して、想像しよう。 そして釣れるか釣れないか、 色々な浮きの動き(アタリ)に合わせてみよう。
基本的には浮きの動きと魚の大きさは反比例する。
つまり小さい小魚ほど浮きはズボッと沈む。
逆に大きなへらぶなだとほんのちょっと、
トップが数mmほどカチっと沈む。
これは典型的なへらぶなの食いアタリだ。
30p近い大きなふなが、口を開けて一息でスコンと吸い込む様子が、
浮きの動きに現れる。 でも一度でも、このきれいなアタリでへらぶなが掛かって、 竿を引く手応えを味わったら、もうこの釣りはやめられない。 この快感は海で大物を釣る以上の快感だ。 春以降温かい季節だと、 7p前後の小魚がすぐに餌に食いつき、 浮きはズボッと全部沈む。 このアタリに合わせても何も掛からない。 たまに小魚(ジャミと呼ばれる)が釣れるので、 ジャミ・アタリだと悟る。 餌を付けて仕掛けを投入すると、浮きがピュンピュンと動く。 餌をジャミが突っついて食べてる。 しばらくそれは見過ごして、 一旦浮きの動きは静かになる、 じーっと見ていると数oほどの鋭いアタリが出る。 これに合わせてみるとふなが掛かって、 竿に重い手応えがかかるだろう。 ところが実はこういう半目盛りほど(5oほど)のアタリでも、 なかなか釣れない。 ジャミでもこういう鋭いアタリになる事も多い。 またへらぶなはとても用心深い魚で、 一度食っても瞬間的に吐き出す。 この「食い吐き」でも、 浮きにはきれいなアタリとなって現れる。 へらぶながどういう理由で、 この「食い吐き」をするのかはあまり分からない。 餌が固いとか大きいとか、 ハリスが唇に触って違和感を感じたからとか。 手元の水面にへらぶながたくさん寄って来る事がある。 そんな時は、ダンゴ餌を1つ放り込んでどんな食べ方をするか、 観察してみると言い。食べてすぐ吐き出すような事も見られる。 本当の事はへらぶなのみが知っている。 それで餌の硬さを柔らかめに変えたり、小さくしたり、 ハリスを細くしたりとかがよく試される。 「xxを変えたらよく釣れるようになったわ」というので、 硬さ・大きさやハリスの太さが原因だと言われるようになる。 しかしいつもそうとは限らない。 勘と経験で色々変えて楽しむ人もいる。 変えずにそのままやっていても、 徐々に変化して釣れるようになってくる事もままある。 そんな程度の試しでは、本当の事は分からない。 この辺を探ってみるのもへらぶな釣りの面白さでもある。 それとやっぱりアタリの見極めが面白い。浮きは色んな動きを見せる。 その動きの中から、自分の経験と勘で、へらぶなが食った瞬間と 確信した刹那に合わせてみる。 自分の「確信」で釣れた時の喜びは相当なもので、 これこそがへらぶな釣りのへらぶな釣りたるゆえんなのだ。 余談だが、4人ほど桟橋に並んで、仕掛けや餌、浮きは 全部同じにして、ハリスの太さだけを変えて、 浮きにさわりが出やすいかを実験したとする。 「ハリスが細い方がさわりが良く出る」という結果が出たとする。 しかしこんなデータは、真実とはとても言えない。 確率統計論からすれば、こんな1つきりのデータでは、 本当にハリスの太さが影響したなんて、 とてもとても断言などできたものではない。 疑いたいなら「数理統計学」や「確率統計学」をやるといい。 1つや2つのデータからは何も言えない事がよく分かるはず。 あれこれ考えるのは楽しい事だが、 本当の事は誰にも分からない、とするぐらいがちょうどいい。 1匹釣れたら、自分のエリアに集まっていたふな達は、 怖がって少し散ってしまうだろう。 そこでまた餌を投入する。 ジャミ・アタリが激しくあって、静かになる。 もう針には餌がなくなっているだろう。 仕掛けを上げてまた餌を付けて振り込む。 そうやっているとジャミ・アタリのあとに、 またふなの食いアタリらしきものも出てくる。
見えない世界の事が、なにか小さい事を通して、
想像の世界で見えてくるという経験は、
日常の生活でどれ程あるだろうか。 浮きの動きと想像で頭の中は1日中ずっと回転している。 釣り池だとへらぶなはたくさんいる。釣れないと何故釣れないのか、 そればかり考えては試行錯誤の繰り返し。 釣れない日の方が、1日はあっという間に終わってしまう。 ジャミ・アタリとへらぶなのアタリ 暖かい時期なら、餌を付けて振り込むと、2、3投目で 何らかしかの動きが見られる。 浮きが1〜2目盛りほどピュンと沈むアタリが出るだろう。
餌を嗅ぎ付けて、最初に集まってくるのはジャミ(小魚など)だ。
こんな小魚やエビなどが池にはいっぱいいる。
このような小魚は時どき針に引っ掛かってもくる。
ジャミは体が小さい分、動きが速い。
餌を入れてすぐに出るあたりはジャミあたりが支配的だ。
また釣り池では釣っていると手元にへらぶながたくさん集まってくる。
下図はその様子だが、
水面反射であまりよく見えないがたくさんいる。
作った餌を少しだけパラパラっと播いてみよう。
集まったふな達がどんな食べ方をするのか、
どんな吸い込み方をするのか観察しよう。
こういった観察事例から池底で起こっている事、
そしてそれに連動して浮きがどのように動くか、
などなど、想像力を膨らましていく。
針に餌を付けて投入する、最初はジャミ・アタリが続くだろう、
10秒ぐらい静かになる、
そして少し強みのある半目盛り(5o)のアタリが出る、
へらぶなの典型的な食いあたりだ。なんてきれいなあたりだ! こんな浮きの引き(アタリ)が食いアタリだ、とその瞬間だけを見て、 判断するのではない。その日その日で、どんな動きがあって、 どんなタイミングで、どんなアタリが食いアタリかを、 いろんなアタリに合わせながら判断していく。 季節によっても違ってくる。1日の中でも違ってくる。
最初ジャミ・アタリが続いて、次にへらぶなが餌の周囲を
ゆうゆうと泳ぎだすと、小魚たちは逃げ散る・・・これも想像だ。
そうして、おもむろにふなが餌を吸い込むのか。
こういう想像と経験を積んで、アタリを見極めていく。
アタリを見極めて、ぱっと合わせて釣れた時の感触ほど最高なものはない。
この感触を味わうためだけに、料金を払って小さい池でへらぶなを
釣るのだ。
ジャミ・アタリが多いと、文句をいってる人をよく見掛ける。
筆者の場合、ジャミは全然嫌いじゃない、へらぶなを誘ってくれている。 ジャミあたりが無くなって、 ふなが餌を用心深く食べる時はゆっくり吸い込む時もある、 そんな時は浮きはゆっくり半目盛りぐらいしずむ。 これもへらぶなの特徴的な食いアタリなのだ。さっと合わせてみよう。 でも実はスレ・アタリの時もある。 へらぶな釣りでは「逃げアタリ」もよく出る。 ふなが用心深く静かに餌を吸い込む、小さいアタリが出ている、 しかしそれを見逃すと、 ふなは吸い込んだ餌に違和感を感じて(糸が付いているので)、 飲み込まずにパッと逃げる、 その刹那、浮きにアタリが出る。これが「逃げアタリ」だ。 1目盛りぐらい沈む。 それで合わせてしまうと、空振りならいいがスレで引っ掛かってしまう。 「スレで引っ掛かる」とは、ふなの体に針が掛かってしまう事。 へらぶな釣りでは最悪の事。 驚いて逃げるふなに針を切られてしまう事もよくある。 ふなの体に傷とつけてしまう、寄っていた魚が逃げ散ってしまうと、 悪い事の連続だ。 へらぶな釣りではちゃんと口に針が掛かって釣れないと、 釣れた事にはならない。 口以外の所に引っ掛かって釣れたのは「スレ掛かり」だ。 「今日はスレ掛かりが多いわー」と大声で言っている人がいるが、 それは小さいアタリを見逃しているからだ。ちょっと恥ずかしい事だ。 (自分では)きれいなアタリに合わせているのに、スレ掛かりが多い日は、 小さい(1o〜3o程度の)アタリに的を絞って合わせてみよう。 小さいアタリには、初心者はなかなか手が動かない。がんばって、 見逃さないように合わせてみよう。釣れた時の感激は絶大だ。 食いアタリを見逃すと、次の食いアタリはなかなか出ない。 へたくそほど、待ってばかりの釣りになりかねない。 仕掛けを投入したら、浮きが立つところから、 じっくり注意深く見るようにする。 そして真の食いアタリを見逃さないようにする。見逃していると、 なかなか釣れないし、「逃げアタリ」で引っ掛けてしまうぞ。 ふなが餌の周りに寄ってきていても、 食わずに餌の周囲を泳ぐだけで、浮きにはアタリのように表れる。 「戯れアタリ」とでも言おうか。 このようなアタリに合わせても空振りばかり。 しかしそんなアタリを見送って、 しばらくあとのアタリに合わせると、 釣れたりするパタンもよく経験するだろう。 数は一応数えるが、へらぶな釣りは数を釣るものではない。 アタリを見極めて確信して釣るのが目的だ。 数は釣れなくても、想像通りのきれいなあたりで釣れたときは、 その感触は忘れられない。 家に帰ってお風呂に入っても、お布団に入っても、 目を閉じれば会心のアタリが見えて、 ふなが掛かった時の重みが手によみがえる。 何匹釣れた・・なんてどうでもいい、 この感触に喜びを感じられれば、もう一生忘れられなくなる。
このようにへらぶなの食いアタリを見極める楽しみは、
ここに記述した「とこ釣り(底釣り)」ならではの事。
大阪近辺ではとこ釣り専用池が多い。
とこ釣り専用でも、餌は自由の池と、うどん限定の池がある。
とこ釣りにこそへらぶな釣りの面白さがある。 このロジカルでち密な釣りこそが、本当の「へらぶな釣り」だ。 こんなのが辛気臭く感じる人は、へらぶな釣りには向かない。 豪快な引きを楽しみたいなら海釣りや、 川で鯉を釣ることだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それでもなかなか釣れない時もある、午前中釣れていたのに、 午後はさっぱり釣れなくなる時もある・・・ あれ・・なんでだろう・・と考える。 餌が悪いのか、場所が悪いのか、 それとも池全体でへらぶながあまり食い気がないのか、 確実な答は誰にも分からない。 おじさん達があーだこーだと言ってるけど、 どれもいい加減なもので、ちゃんと調べた根拠は無い。 そんなに餌を入れても大丈夫か? ジャミもたくさん食べる、 へらぶなもたくさんいる、 満腹になって寄り付かなくなるまでは、 かなり時間がかかるだろう。 でも午後になるとやっぱり多少は満腹になるのか?して 食いあたりは減っていく時もある。 午前と午後では、浮きの動きや釣れ方も変化してくる。 勿論季節によっても大きく変化してくる。
また午後になると、投入した餌を上の方にふなが集まって、
上の方で食べてしまう現象もよく見られる。
仕掛けを振り込むと、
シズが沈んで行って、浮きが立つが、
その前にふなが餌を咥えてしまう事もある。 へらぶなは10匹前後で小グループで泳いでいて、 1匹がふらーと来て、餌をたまたま食べるような事ない。 ふな達がうわずってしまうと、 底の辺りにはいなくなり、アタリがパタッと無くなってしまう。 盛夏になってくると、 上層では植物プランクトンの光合成が活発になり、酸素が豊富になる。 植物プランクトンはへらぶなの主食なので、上層で泳ぎ回るようになる。 盛夏の暑い頃だと、底の方にはジャミもふなも全然いなくなる。 底の方の溶存酸素量が少なくなっているのだろうか。 盛夏でこのような現象になると、1日ほぼ釣れない。 夕方になって2、3匹釣れればよいほう。 そのふなを底へ誘導しながらとこ釣りをしなくてはいけない。 これがなかなか難しい。餌は上層ではなるべくバラケないようにして、 その餌はやや速い目に水中を落とす (このために浮きのシズのは重いめ、 つまり浮力のある物にするとか)。 ところが速すぎても、餌を追わない。 浮きの浮力の調整も技術の1つだ。 しょっちゅう浮きの交換をしている人も見かける。 そしてふなを底へ誘導する。 あるいはバラケ性のダンゴはやめて、 グルテンマッシュ系(白い粉の餌)にするとか。 うわずり対策をやりながら釣っていく。 浮きの一連の動きを見ながら、餌の投入間隔も意識して釣ろう。 バカバカ餌を投入すれば良いというものではない。 池底の自分のエリアを(バスケットボール大ぐらい範囲のイメージか)、 上手に作っていく感じだ。 食い気のあるへらぶなをある程度連続的に、適度に寄せていく。 池の状態、水温の変化、へらぶなの寄り具合、浮きの重さ、餌の内容、 餌自体の固さや大きさ、餌の投入間隔・・・ これらを総合して浮きが動くように、 食いアタリが出るように操作していく。
でもこれが一番の正解かどうかも分からない。
ある日はそれでうまくいっても、
同じ事が別の日でも通用するとは限らない。 しかし最初の1年ぐらいはあまり色んな物を変化させずに、 辛抱強く続けてみよう。浮きなどの仕掛け、餌も変更せず、 釣れる日釣れない日、釣れる時間釣れない時間を幾度も経験すると、 本当のへらぶな釣りの状況が見えてくる。 変えてばかりいると、何が功を奏したのか、 何が良くて何が悪かったのか全然分からなくなる。 へらぶなの変化の状況を頭に入れてから、少しだけ餌を変えてみて、 その反応を見ていくようにしないと、 技術の蓄積は無茶苦茶なものになってしまうだろう。 せっかくへらぶながたくさん飼われている池で釣るのだから、 釣れればいいわー、という単純な快感を味わうのではなく、 自分なりに技術の蓄積を楽しもう。それがこの釣りだ。
少し発展系入門編のあとに、この少し発展系でいくつか細かい事を、 書き足しておく。参考にされるべし。 針の結び方
自分で針を結ぶ。 言葉でいうと、ハリスのわっかを作る。わっかの辺と針の真っ直ぐな軸の 部分をぴったり合わせて、ハリスの端で わっかと真っ直ぐな軸部分を一緒に巻き込んで、最期に穴にとおし て引っ張るだけ。それを最初図示する。
簡単な結び方法なのだが、これを実際に小さい針と細い
ハリスで指だけで持ってやるには、結構工夫と練習が必要だ。それを後半に
図示する。 下図に大きなダムへら用の針とハリスに見たてた黄色の木綿糸で 結び方だけ展示する。結び方は記憶すること。
ハリスのわっかを作って針の軸に沿わせる。 上述のハリスと針の結び方の構図はよく覚えてからでないと、以下に 述べる実際の結び方が理解できないだろう。針結び器を使う時でも、 この知識は必要だ。
結び方の構図は把握したとして、
実際に小さい針に細いハリスを、
どう結び付けるのか・・・。
手っ取り早いのは「針結び器」を使えばいい。
少し道具を使うと、手だけでも簡単に結べる。
下図のような小さいクリップだ。
これに針と糸を挟んで巻けば楽に結べる。
クリップに針を下図のように挟む。
挟んだら次に横からハリスを引っ張り入れる。うまく引っ張り入れて
針とハリスの両方が、クリップではさまっている状態にする。
ハリスだけがスルッと抜けるようではだめ。
右手に持ち替えて、針とハリスを一緒に親指と人差し指でつまむ。
親指でつまんだ所に小さいわっかが出来るようになる。
このように右手親指ではさんで、ハリスを向こう側へやると
ここに小さいわっかができる。
下図矢印の所にハリスをぐるぐると巻きつけていく。
上図の向こう側へやったハリスの先を、
ピンと張った状態になるように、
中指と薬指で挟んで保持する。 なぜ「ピンと張ったまま」でこれを繰り返さないといけないかは、 実際にやってみるとよく分かる。
ここでは4回ほど巻いているが実際は6〜8回ぐらい巻く。
ハリスは常にピンと張った状態を保持する。
巻きつけたら、左手に持ち替えるが、この時、
巻いた部分を左手でクリップごと挟む。
巻いた部分がほどけてくるので、ほどけないように
左手でしっかりと保持しておく。
実際は左手は放してはいけない。
放さずに上図のように糸をわっかに通して、そのまま引っ張る。
下図は参考のために離した状態を撮影したもの。
針の軸の部分に、糸が巻き付いているのが見える。
上図のように左手は放さないで、1つ上の図のままで、
次はハリスの元の方(長い方)を、
下図矢印の方向に引っ張ると、わっかが締まっていって、
ハリスと針が結ばれていく。
最後はハリスの両方をよく引っ張って、硬く結んでおく。
こうなればもう手を放しても大丈夫。
下図は実際のハリスを針の横に挟んだところ。
針もハリスも両方が、
クリップではさまれている状態。
ハリスと針を右手でつまんで・・
中指と薬指で糸を挟さみながら針の軸に巻いていくところ。 2本針針を2本付ける方法。ハリスを結ぶ道糸のわっかにもう1本針を付ける。 この時、ハリスは5〜8cmぐらい長くして、段違いにする。 通常トコは上の針で取る。上の針にトコを測るおもりを付けて池底の 水深を測る。つまり下針は池底にだらりと付くかたちになる。
餌は上下同じダンゴで釣ってもいいし、上下で変えてもいい。
下針はマッシュ・グルテン系の白いダンゴやうどんなど。 いずれにしても、邪道だ。一度にたくさん餌を入れたい!? どちらか食うだろう!? という確信がない釣り方になる。あたりが出た瞬間はどっちを食べたのか 分からない、1つはジャミがつっつき、もう1つはふなが食べたとか・・・ あたりがぼけてしまう。お勧めできない。
餌をたくさん投入したいなら1本針で振り込む間隔を短くすればいい。
違う餌を試したいなら1本針で餌を変えてふなのあたりをみればいい。
要するにとこ釣りで2本針にする必要性は見当たらない。 へらぶなの仕掛けは2本針が常とうのように思われているが、 なんの根拠もない。 2本針のメリットはあまり感じた事がない、 デメリットはいくらでもある。 人の好き好きだが。 「チュー釣り」は数を釣る遊びなので、2本と言わず3本でも、 4本でも適当な長さで段差を付けて、どっさり餌をまけばいい。 適当に色んな餌を付ければ、よけいたくさんのへらぶなが集まる。 あとは浮きが沈めば、竿をあげるだけ。 餌会社さえ儲かれば経済は回る。でも池の水は汚れる。 ねり餌について
へらぶなのねり餌は大きく分けて2種類。 下図の左は焼麩・集魚材が入ったバラケる餌。主に播き餌。 水中に入れるとどんどん粉になって解け広がる。 へらぶなが好むような粉が、水中でまき散らされる。 これだけで練った餌を針に付けても、 すぐに解け落ちてしまうので釣るのは困難。 下図真ん中はダンゴ餌で、あまり水中で解けない。 集魚剤とつなぎの粉が入った物。 池底でふなに食わせるダンゴの餌になる。 針に付けても水中である程度残っているので、 練り方にもよるが、2分〜4分程度は残っているだろう。 下図右は、上記2つの中間ぐらいのブレンド品
入門編ではこれらを混ぜて、
混ぜる比率を変えてダンゴのバラケ具合を調整する解説をした。
とこ釣りをするなら、これらの餌だけで十分で季節を問わず万能だ。
下図はグルテン材入りのマッシュポテト。
集魚性能は弱い。
ジャミのひどい池・時期に使える。
集魚性能が弱いので、餌打ち間隔は短めにして、
ふなを寄せる事に気を配ろう。 1本針では入門編で記述した集魚材入りのダンゴで釣っていて、 池底にふなやジャミが集まり過ぎた感じが出た時や、 池底から上層にあがってきしまうような時に、 グルテン入りマッシュポテトに切り替えたり、 あるいはグルテンとダンゴを合体させて (混ぜるのではない、マーブルと呼ばれる)、 これを使う人もいる。 作り方はプリンカップに半分ほど粉を入れて、 同じだけ水を入れてかき混ぜる。 最初はシャパシャパだけど3分ほどおくと固まる。 指にベタベタとくっついて、ダンゴに丸め難いときは、 面倒くさがらず、指を水で湿らせてから扱う。 もう1つプリンカップに水を入れて、指をぬらすといい。 グルテン餌を使わなくても、魚が集まり過ぎて、 場が乱れ気味になったら、 餌の投入間隔を少し長くしたり、ダンゴ自体を小さくしたりする。 また最初から少し固い目にダンゴを作っておいて (段差バラケ:底ダンゴ=1:1ぐらい)、 柔らかくする時は、手に水をつけてねったりする。 場が乱れてきたら水を付けずやや固い目に 丸めて使ったりして調整する。 とこ釣りと餌の調整(うわずり対策)
釣り池ではへらぶながたくさん飼われている。
魚の群集心理的な物が作用しやすい。
魚が少ない環境(野池など)では餌を投入しても、
魚が水面近辺に浮き出る事は少ない(水面近辺は魚にとっては危険)。
しかし釣り池では、特に夏になると、
ふなが上にあがってきやすい。
餌を振り込むと、着水した所で餌が溶けて粉が振り撒かれる。
それを食べるふながたくさん水面や上層に集まってくる。 夏ごろ、ふながうわずってしまうと、とこ釣りでは全くと 言っていいほどアタリが出なくなってしまう。 浮きがさっぱり動かない。 試しに浮き下を少し短くして、餌を底から上にあげると、 いくらでも釣れる。これはとこ釣りではない、要注意。 こんな風になってしまうと、とこ釣りが出来なくなる。 そこで夏になってきたら、 最初から餌は上層ではなるべく粉をまき散らさないようにする。 つまり餌の配合として「バラケ餌」を少なくする。 あるいはもう「ダンゴ餌」単品で使う(バラケ餌はゼロ)にする。 固さは餌を途中でふながしゃぶっても崩れないように固くし、 底で柔らかくなるようにする。 また浮きはボディが少し太め・長めの浮力のある物を使う。 そして水中では餌を速く底まで落とすようにする。 アタリに合わせる回数も、若干抑え気味に、 これぞというアタリに絞って合わせる。 あまり頻繁に竿を上げていると、 底より少し上に餌が舞ってしまう。 シズより少し上の深さでふなが泳ぐようになってしまい、 もう底の餌を食べなくなる。 するとシズに体が当たって、 それが浮きにアタリとして現れるようになる。 そんなアタリに合わせても、一向釣れない現象が起こる。 もしうわずってしまったら、休憩して、しばらくしてから 固めの餌に交換しよう。浮きも少しおもめの物に交換しよう。 浮きを替えるとアタリの出方が変わる事はよくある。 面倒がらずにやってみよう。 浮きの止め方
上述では道糸にゴム管を通して、
そのゴム管に直接浮きを差すやり方を述べた。
竿が10尺程度(道糸の長さも10尺程度)ならこれでいい。 長尺の竿で釣る時は、ブランコ式のへら浮きを使うか、 道糸に直接ゴム管を通さないやり方にするかだ。 ブランコ式のへら浮きが手に入らない時は後者の方法にするが、 ちょっと部品が必要になる。
下図はブランコ浮き、上側は通常の浮きで、
下側がブランコ式のへら浮きだ。
浮き本体の下側にあみひも(リリアン)が付いていて、
その先にゴム管に差し込む用の軸が付いている。 ブランコ式のへら浮きが入手できない場合、 ゴム管は道糸には通さず、 ゴム管を外から道糸に結び付ける。
道糸と同じテグスでわっかを作って、それを道糸に結んでいく。
下図の白糸の小さいわっかがそれ。
道糸に浮きの上下で結び目を作らないといけないが、
この方法が一番良い。
道糸にはできる限り、余分な物を付けないのがベスト。
ゴム管と糸だけで浮きを留める事ができる。
下図は道糸に浮き止めゴムを通してへら浮きを差してある。
その両側には浮き止めゴムがスライドしないように、
固定するゴム(実はこれも「浮き止めゴム」と称する)
を入れてある。これは海釣り用。
この図に使っている物は、
中国製安物であまりしっかりと固定できない。
そのため、浮きが上にずれないように、
上側(下図では右側)にさらに固定するための木綿糸
(黄色の小さいやつ)を結んである。
この図は右が竿先側、左が針側になっている。 下図は市販されている製品。左上のは道糸に通して固定するゴム。 ワイヤーの穴に道糸を通してそれを引き抜くと、 この小さいゴム塊に道糸が通る(別の仕掛けへの再利用は不可、使い捨て)。 仕掛けを作る段階でこの小粒のゴム塊を最初に通して、 次に浮き止めゴムを入れて、 更にこの小さいゴム塊いれて上下で挟んで固定する。
左下のケースに入ったのは浮きを差し込む浮き止めゴム
(中国通販20個400円送料込み)。
黄色い部分の小さい穴に道糸を通す。
右側のは日本製の浮き止めゴム。6個黒いのが見えるが、
これは2袋分をここに入れている。
実際は300円で3個、つまり1個100円。
高価で品質のいい長持ちする日本製。
中国製は長持ちしない。釣り池によく通い、
数か月で道糸を替えるぐらいなら、中国製でもいい。
これが劣化すると浮きを失くすので要注意。
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![]() うどんのとこ釣り(両うどんの底釣り)
さて、実はここからが大阪のへらぶな釣りの核心だ。 上述していたような、ねり餌ダンゴのとこ釣りが上達してきたら、 真のへらぶな釣りである、うどんのとこ釣りに段階を上げよう。
うどんのとこ釣りとは、段差6p程度の2本針で、
餌はうどんだけのとこ釣りの事。両うどんの底釣りなんて言い方は、
関東系の言い方で、近畿ではこういう言葉使いはない。 「うどんのとこ釣りは難しい」と言う人がいるが、決して 難しいという事は無い。 1日に釣れる数がねり餌だんごよりは少ないので、 知らない人からは難しいように見えるだけ。 本来へらぶな釣りはバカバカ数釣りをする遊びではない。 じっくりへらぶな独特のアタリを楽しむためだけに、 へらぶなという魚を選んで釣りにしている。 それ以外にへらぶなという魚を使う理由は存在しない。 決してチュー釣りするために使う魚ではない。 (チュー釣りならコイ・マブナがいいに決まっている) 新しい釣り道具は何も必要ない。 仕掛けは常にシンプルでいい。道糸には浮き・シズだけ、 ハリスには針以外は何もつけない。 付けてはいけない。 餌は自作のわらびうどん、1日分がたったの20円でできる。 市販品もあるが、簡単・安価に自作できる。 うどんにまぶす粉も1日50円程度。 あとは技術だけの楽しみで、とても興味深い釣りだ。 技巧派の人が好む傾向にある。 大工・機械工・理髪美容師・料理師や理科系の人などなど。
うどんのとこ釣りとは、餌はうどんだけで、池底で釣る釣り方だ。 かつては、へらの釣り池は、どこもうどん専用というのが 当たり前だった。 しかしその技術を伝承する人がいなくて、衰退していった。 昔は自分の技術は秘匿するというのが当たり前だったから。 インタネット文化はなんでもオープンだ。 へらぶなを池の底で、うどんで釣る事こそ、 へらぶな釣りのへらぶな釣りたる所以なのだ。
へらぶなという自然界には存在していなかった魚を創り出し、
それを小さい池にたくさん飼って、釣る遊び・・・
へらぶな釣り。
制限された環境でいかにへらぶなを釣るか、
これが釣り池の釣りというもの。
何でもありでは、それはただのおさかな釣り遊びか漁だ。
海釣りがそうだろ。野池やダム湖で釣る場合も何でもあり。 この釣りには、細かい部分で色々な釣り方がある。 何十年もうどんのとこ釣りだけで、釣り池に通っている古老も多い。 若い時に習った事をずっと追及して、何十年も経った人も多い。 技を極めたような人から受け継いだ釣り技術を、 さらにずっと追及している。 浮きの選別、浮き下の調整(とこの取り方、目盛り合わせなど)、 2本針の調整、うどんのまぶし粉や餌の大きさ・・・などなど。 小さい部分ではあるが、 技を極めた人それぞれの系統のようなものもある。 一人で黙って一日釣っている古老は、へんこな所もあるだろう。 でも話してみると、結構色々話してくれる人もいる。 入門したてでは無理だろうが、 ある程度ここに書いた内容で経験を積んでみて、 それからお話を聞くとよい。あまり経験が無いと、話しても通じない。 うどんのとこ釣りではバリエーションが非常に限られる。 餌はうどんだけ。 うどんの種類はスーパで売ってる食用のうどんか、 わらび粉で自作した物。 うどんにまぶす粉は通常ペレットかマッシュポテトの粉末。 ペレットとはへらぶなの養魚場で餌として撒かれている餌。 関西の釣り池には、そこの池で使っているペレットが、 必ず販売されている。それを購入して使う(300円〜500円)。 この単純な餌の中で、変化させられるのは うどんの硬さや重さ大きさ、マッシュポテトかペレットか、 ペレットの粒の大きさぐらい。 小さい差でしかなく、これを変えたからといって、釣れ方、 釣れる数に大きな差が出る訳でもない。 この小さい差を微妙に調整して、 ベスト・ポイントに追い込めるのも技というもの。 浮きのおもさも重要だ。浮きの重さとは、浮きに合うシズの重さの事。 ざっくり言えば、浮きの浮力が大きい物は重い浮きになる。 軽い浮きとは、 ボディが細いカヤや羽根などで作られた浮きで、浮力が小さい。 うどんのとこ釣りでは軽い浮きを使う事が多い。 それはうどんを水中でゆっくり落とすため、 より小さい微妙なアタリを見極めるため。 うどんとねり餌だんごで大きな違いは、水中で粉をまき散らす量だ。 ねり餌だんごは粉をねり固めた物なので、 餌が水中で落ちていく最中も、 池底に着いてからも粉をまき散らすので、魚が寄りやすい。 へらぶなはこの粉をものすごく敏感に見つける。 うどんでは表面についたペレットなどの粉が撒かれるだけなので、 魚を寄せる効果が小さい。 うどん餌はふなの視界の前を通った時ぐらいしか気づかない、 しっぽの辺では気づかない(桟橋手元に寄っているふなで実験)。 大きい池では特に寄せるのが困難だが、うどん用の池は比較的小さく、 浅い。そこにふながたくさん飼われているので、 頑張って寄せないと釣れない、というイメージは少ない。 しかしなかなかうどん餌は見つけてくれない。 釣れないのはむしろ技術的な原因にもある。 ダンゴ餌と大きく違う点はうどんは池底でも解けて無くならない事だ。 後述するが、池底に着底したうどんを操作して、 食いアタリを出す事が出来る。これは非常に効果的。 落ちてしまっているうどんはよほどでないと、ふなは追わない。 過去に底に落ちてしまっているうどんには気がつかない。 制限された小さい領域で、最良点をさぐり、小さいアタリを 見極める技術、これこそがへらぶな釣りの最大の魅力だ。 じっくり技術で釣る釣りなので、大人向きだ。 素人ではさっぱり釣れない。 入門者にはハードルが少し高いため、 知り合いの手ほどきがなければ、 このへらぶな釣りの世界に踏み込むのがちょっと難しい。 でも大丈夫、技術は知識、それを限りなくここに記述していく。 このサイトを作った目的は、 そんな知り合いがいなくても、 入門者一人だけで、へらぶな釣りができるようになる事。 できればうどんのとこ釣りというプリサイスだが、 とても興味深い領域にまで入ってもうら事。 できるだけたくさんの人が、 この「うどんのとこ釣り」をやるようになって、 大阪のへらぶな釣り文化を継承していってもらいたい。 うどんのとこ釣りが出来るのは、大阪と奈良・京都ぐらいだ。 文字、図、映像だけで全てを説明しきれないが、 最大限、詳細に記述してみた。入門編として参考にして欲しい。 一度だけ読んでも分かるはずがない。何度も読んで、 何度も釣り池に通って、また読んでを繰り返さなくてはいけない。 では順に説明していくので、 真のへらぶな釣りの世界へ入って行ってもらおう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 釣り方概要 まず最初に書いておくが、この釣り方は数を釣る遊びではない。 池にもよるが、1日数匹、多くて20匹を超えるぐらいだ。 そのレベルの釣りであるという事を認知しておこう。 きれいなアタリで釣れたか、アタリを出す手法が成功したか、 小さい微妙なアタリを見極められたか、 の答えを得る釣りなのだ。
仕掛けはダンゴ餌のとこ釣りと同じ。 針は2本針にする。両方とも同じうどんだ。 餌がうどんなので、寄せるためには一投で2個投入できる方が良い。 ふなが落ちていく餌を見つけやすい。 また上針と下針で、ふなが餌を食べた時のアタリが少し異なる。 これも楽しめる。 ハリスは30pで段差は5〜6pにしておく。 ハリスの長さは規定される事があるが、30pならどこでも大丈夫だ。 (理由はハリスが長くて、シズの位置が底側より上にあり過ぎると、 餌が池底に落ちるまでの時間が長くなりすぎる。 その途中で食べた魚を釣りあげるのは、 とこ釣りとは言えない) 上針と下針で針の色を変えておくと便利。 どちらの針で釣れたかを分かり易くするために、 金色とシルバーの2種を使い分けるといい。 例えば下針を金色(ゴールドで重いイメージ)、 上針にシルバーとか。 うどんは自作する。うどんの作り方は後述。 予め10cmぐらいに切ったうどんを取り出し、 まぶし粉を付けて、これを更に5o前後に切り刻む。 この小さいうどん片を針に付けて釣る。 仕掛けを振り込む時は、下から出すのではなく、 オーバスローで入れる。 これは竿先から浮き〜餌までの糸をピンと張るため。 これでへらぶなの微かな食いの動作を察知・制御できる。 シズを調整して、とこを測って、 ペレットをまぶしたうどん餌を付けて振り込む。 うどん餌特有の小さいが、 はっきりしたいいアタリを楽しもう。 へらぶなのうどんに対する小さいアタリで、 1匹でも釣り上げる事ができれば、 へらぶな釣りの世界に足を踏み入れた事になる。 場所 当然釣り池で釣るのだが、チュー釣り専門の深い池は事実上不可。 大阪と周辺の奈良・京都・滋賀・兵庫にはまだ少しだが、 うどん専用かとこ釣り専用の釣り池が残っている。 そこなら快適なうどんのとこ釣りができる。 寺口釣り池、 西池、 阪本など・・・。寺口と西池は電車の駅から徒歩10分以内。 現在は釣り方自由の王仁新池、 茨木新池なども 深い池ではないので、うどんのとこ釣りはできる。 釣り方自由の釣り池なので、 うどんで釣っているすぐ隣に、あとから入って、 平気でバカチュー釣り(しかもカッツケポン) を始めるポン助野郎もいる。 最初は気になるかも知れない。でもある程度上達してくれば、 そんな化外の連中は完全に無視して、 自分のへらぶな釣りを探求できるようになる。 実は王仁新池のような自然に近い池は、 池底は泥だったり落ち葉だったり、傾斜があったり、 ジャミが多かったり、ポン助がいたりと、 障害物があったりする。 そんな中でうどんのとこ釣りをするのが、 逆に面白かったりする。 季節 うどんのとこ釣りは勿論四季を通して楽しめる。 温かい季節は全般によく釣れる。しかし上層を泳ぐようになり、 ジャミ対策とともに、上ずり対策も必要になってくる。 これらの対策に失敗すると全然釣れない事もある。 晩秋ぐらいから春先ぐらいまでは、寒くはなるが、 池の魚も落ち着いてくる。釣れる数はすこし少なくなるが、 うどんのとこ釣りはアタリを楽しむ釣りだ。 へらぶなは池底で待ち構えており、 小さいアタリを楽しめる絶好のシーズンになる。 浮きがほとんど沈まないようなアタリも出てきて、 面白さは倍増する。これぞへらぶな釣りの真骨頂。 寒さ対策をしっかりする。少し高価だがダウンスーツを身にまとう。 天気図の気圧配置が西高東低で、 日本海に筋状の雲が出るような日は避けよう。 寒風吹きざらしでは寒い上、風で波立って、釣りに苦労する。 北風が吹かない日を選ぶといい。 竿 基本何でもいい。注意は寒期、寒期だと浮きの細かいアタリが、 よく見えるぐらいの長さにしたい。 7尺〜11尺ぐらいの間で竿を数本準備したい。 水深+2〜3尺ぐらいまでの竿を選ぶ (目が良ければもう少し長尺の竿を選ぶのもいい)。 とこ釣り限定の釣り池では、水深は深くて7〜8尺ぐらいまで。 寺口だと9尺〜、西池11尺〜、王仁7尺〜。 釣り方自由の王仁新池、茨木新池でも、とこ釣りができる程度の水深。 竿の硬軟は個人の好み、硬めの方が取り込みが楽。 筆者の好みはどうでもいい事だが、硬めが好き。 カーボンロッドなら櫻井釣漁具の江戸川英仙 をそろえている。ダイワの陽舟も安価で硬めだ。
釣りに余裕が出てくれば、この「竿のしなり」を楽しもう。
きれいなアタリに合わせて、竿がぐっと止まる(魚がかかる)、
深い底からへらぶなを引き上げてくる、この時の竿のしなりが
何とも言えない。ゆっくり引き上げながら、
自分の竿のしなりを眺めてみよう。
「あー、いい竿だ」と思えれば、
少々高い竿でも納得が得られるだろう。 仕掛け 基本構成は上述したダンゴ餌のとこ釣りのものと同じ。 異なるのは2本針にする事だけ。1本針でも構わない。 道糸0.8号、ハリス0.4号、針ガマカツヘラ鮒スレ4号。 ハリス上針=30p、長針(下針)=36p。段差は固定でいい。 道糸の一番下の輪っかは小さ目にする=1pぐらい。 道糸は細い方が重量が軽い。 浮きへの影響をほんの少しだけだが小さくできる。 ハリスは細くしても効果薄い、短尺竿だと切れやすいので、 0.3号や0.2号など使う必要なし。 道糸には浮きとシズだけが付く、 他の部品などは一切付けてはいけない。 重さのある物はシズのみにしないと、浮きが立って、 トップが定常位置まで沈んでいく過程が、変則的になる。 Simple is the best. 寒くなるとハリスは細い方がいいとか、 針は小さい方がいいとかの説が、 まことしやかにささやかれている。 個人のなんとなくの経験談で、確率統計的な根拠は一切ない。 惑わされないように。そんな事に気を取られるよりは、 アタリを見極める事に心血を注ごう、遥かに重要だ。 2本針にする理由:ダンゴ餌に比べて、ふなを寄せる効果が小さい。 せめて1投で2個いれようという考え。 あと浮き下の調整にもよるが、上針と長針では、 アタリの出方が少し異なる。その差を楽しもう。 あとふなの違いによる差があるのだが、 根拠はやや曖昧・・・。 上針とんとん(意味は後述)だと、池底での餌の動きに差が出る。 上針の餌は揺れやすい。波による水面の変動が餌に伝わりやすい。 一方、長針(下針)は動きにくい。動きやすい餌に興味を持つへらと、 動きを恐れるへらの両方に対応できる。
道糸の一番下の輪っか(ハリスを結ぶ所)の大きさは、
直径1pほどにしておく。この部分はクセが付く事があり、
小さい方がいい。 うどんは空気中では重さを感じるが、水中では浮力は小さい。 わらびうどんはほとんどが水分。 水の入った風船は空気中では重いが、 水に入れるとほぼ浮力がないのと同じ。 浮き
「ふなが追っていけるスピード」とは・・・分からない。 経験則になるだろう。季節によるし、魚の密度によもよるし、 その日の活性度や食い気によっても異なるだろう。 0.5g〜1.0gの間で3段階ぐらいの浮きを準備できるといい。 アタリの出具合などを見ながら、 その日の内にも浮きを何度か交換していく人もいる。 浮きを変えるとアタリの出方がかなり変化する事もある。 でも最初の内は、あまり浮きを変えずに、 じっくり1年ほど同じ物を使う。 あまり色々いじくると、何が良くて何が悪いのか分からなくなる。 浮きのトップはムク0.5o〜0.9o径、パイプ1o〜2o径程度のもの。 うどんのとこ釣りではムクの細めの物を使う人が多いが、 パイプの方がいい。 それはトップのシズ位置を変える事で、 シズの重さそのものを変化させられる。 詳しくは下の「浮き調整(シズ調整)」の項を参照。 トップのムクとは、グライスファイバ制のトップで中が詰まっている物、 パイプトップは文字の通りパイプで、中が空洞になっている物。
下の図は上から
このトップを1p沈めるには0.03g必要なので、 トップを4pほど沈めるには0.03g×4=0.12gのシズが必要。 合計は0.59gのシズ重量になる。 実際は道糸の軽重によっていくらか変わる。 ![]()
冬場のへらぶなのアタリはとても小さいが、
餌を吸い込む力が弱いのではなくて、
吸い込むストローク幅が小さい。勘違いしている人が多いが、
「小さいアタリだから、
細くて浮力の小さいムクトップが有利だ」と思っている。
でも小さいアタリ=弱い引き、なのではない。
そもそも30p前後の大きなふなが、大きな口で餌を吸い込むのだ。
直径2o、太めのパイプトップでも、
1pを沈めるための浮力はわずか0.03g重しかないので、
十分敏感に反応する
(浮き下全体の仕掛けの重さ自体2gに満たない)。
1o〜2oほど沈む小さいアタリでも、
見逃さないように視認性最優先でトップを選ぶべき。 うどんの作り方(一例)
わらびうどんの作り方・・・100均でレンジ対応の
ボウルを購入。直径10〜15cmぐらいで片手でつかめる大きさ。
そこにわらび粉(またはタピオカ粉)を10g、小麦粉10gと
水80tを入れて、塊が消えるまでスプーンでよくかき混ぜる。
「よくかき混ぜる」のは時間が勝負。
底には粉のかたまりが溜まっている。泡立て器なんかでガーっと
混ぜるのではなくて、スプーンで長めの時間かき混ぜる。
テレビを見ながらでいいので10分以上。
時々かたまりがないか、スプーンですくってみるといい。
100均の小さい電動混ぜ器(コーヒ用?)でやると簡単すぐだが、
飛び散りやすいのと泡だらけになる。泡があっても、
加熱してガーっとかき混ぜると大丈夫だけど。
電子レンジで20秒加熱する、まだ液体のサラサラ状態。
これをよくかき混ぜて、再度レンジで40秒ほど加熱する。
すると今度はかなりねばついた状態になる(下図)。
今度はスプーンで、ボールもスプーンも力強く持って、
よくかき混ぜる。手早く50回ほど、ガーっと混ぜる。
この時、片手でボウルをつかめると、
かき混ぜやすい。かなり粘り気が強い。でも熱いので、
濡れふきんで持ちながらとか。
さらに50秒レンジで加熱しながら、レンジの中を見ていて、
お餅のようにぷーとふくれてくるので、ある程度ふくれたら
レンジを止めていい。下図のようにぷーっと膨れる。
それをまたスプーンでガーっとよくかき混ぜる。下図のように、
半分透明のような状態になっていれば完成。
このわらび餅を熱いうちにへらぶな用のうどん絞り出しポンプ
(シリンジ)に入れて、冷水に押し出せばわらびうどんができる。
ポンプ出口は3o前後(2.8o〜3.3o)。
ポンプで押し出すのは結構力が必要で手が疲れる。
それでビールビンや口の小さいビン(ポンプのシリンダが
はまらない大きさの口のビンや容器なら何でもいい)に
水を入れておいて、
ポンプの先を容器の口に入れて、その状態で上から
ピストンを手のひらで押し込むと、押し出しやすい。
下図の容器は100均のパスタを入れる容器。
うどんは水切りをするのでざるが必要。
100均でざるとボウルがはめ込み式で、
セットの物が売っている。
冷水を入れたざるボールに、容器に押し出したうどんを
そのまま移す。
ざるボウル内で水に浸したうどんを10cm長に指で切っていく。
うどんを手のひらに乗せて、目分量で爪で切っていく。
全部切れたら、そのままざるに揚げてよく水切りする。 それを1本ずつ丁寧に、 少し長めに広げたサランラップに並べていく。 ![]()
ラップ長の半分ぐらい並べたら、ラップを折り返してかぶせて完成。
折りたたんで四角系のタッパに入れて持参する。 作るわらびうどんの量は、餌の使い方にもよるが、 そんなに頻繁に餌打ちをしないので、 粉10g+10g+水80tの量で、 1日使って1割以上は残るぐらいだ。 調合比率はスターチ1+小麦粉1+水8(重量比)。 水を少なくすると固い目にできる。小麦粉を増やすと重くなる。 ジャミの季節では餌を食いちぎられてなくなる。 その対策としてうどんを固めにするといい。
スターチはわらび粉(さつま芋)かタピオカ粉(キャッサバ芋)。
コーンや片栗粉(ジャガイモ)は使えない。
わらび粉もタピオカ粉も2s単位だとガバゾンで1600円前後(2024年)。
スーパで購入しても大して変わらない。 うどんは釣りに行く日の前日に作り置きする。 作ったうどんは冷蔵庫で保存しない。硬くもろくなってしまう。 わらび餅は冷蔵庫に入れないでしょ。 どうしても入れる時は、タッパごと新聞紙で包んで、 野菜保存庫に入れるといい。 でもどこの家庭でも野菜保存庫は満杯では? そんな時は、 発泡容器か100均保冷袋にタッパごと入れて、保冷剤を入れておく。 さらに釣り池へ持参する朝、保冷剤を交換しておけばいい。 保冷剤はケーキとか買った時にくれる小さい保冷剤で、 1つか2つ入れておけば大丈夫。 保冷剤は小さいビニルパッチ袋に入れて使い、 帰宅したらまた出して、 冷凍庫に入れるようにすれば、保冷剤は汚れない。 夏場暑い時期でも、夕方ぐらいまでは腐ったり硬くなったりせずに、 良い状態で使える。 以上のうどん作りでは、ラップに包んだ所までは、 釣りの現場とはまったく隔離されていて、 使用する物は食品、食器レベルなので、自宅キッチンで行えるはず。 家族の理解を得る事は大事。 これに尿素をよく入れる人がいる (市販品釣り用のわらびうどんの素は尿素入り)。 尿素は保湿材、水をよくくっつける薬品だ。 でも上記レシピのわらびうどんは表面がべたべたなので、 まぶし粉はよくくっつく。尿素を使う必要性はない。 ただ冷蔵庫に入れると固くなったり、表面のべたべたが減少するので、 尿素を入れれば、多少その点はよくなるようだ。 また尿素には防腐剤としての効果はないが、 アンモニアを発生して殺菌作用があり、うどんは腐りにくくなる。 数週間ぐらいはもつようだ。 でも尿素は薬品、化粧品用であっても食品ではない。 農業用は言うに及ばず。なのでキッチンで扱うには不向きか。 いずれにしても余計な薬品類は、 使わない方が魚や池の状態保全にいい事は間違いない。 面倒くさがらずに、釣りへ行く前日に作ろう。 釣り自体は面倒くさい事の塊だ。 1つぐらい手を抜いてどうするのか。 竿の振り方 上述のねり餌だんごのとこ釣りと違って、 うどんのとこ釣りの場合は とにかく道糸からハリスまで、ピンと張った状態で釣りをするために、 基本、竿はオーバスローして、仕掛けを振り込む。 仕掛けのハリスの1本だけを持って、もう1本は餌が ダランと開いた状態で、竿より少し後ろで保持し、 糸はピンと張った状態のままで、 利き手で竿を立てて、ハリスを放すと同時に竿を前に 降り出す。針(餌)が上空で円を描く軌跡を見ながら振り込む。 仕掛けの先端(餌の部分)がなるべく円弧を描くように振り込む。 前方へ飛ばすような軌跡だと、着水寸前で餌にブレーキがかかり、 うどんが切れて飛んでしまう。きれいな円弧で着水すると、 うどんには向心力以外の余計な力がかからないので、 餌が落ちにくい。
振り込む時に、少し上を向いて仕掛け先端(餌の部分)
の軌跡を見ながら、
速すぎないように手を動かしてみよう。 12尺ぐらいまでの竿なら、そんなに勢いよく振らなくてもよい。 仕掛けはややスピードをもって、 道糸が張ったまま池面にピシャっと落ちる。 振り込んだら竿はすぐ竿掛けに置いて、じっと動かさない。 浮きが立つ前に竿を動かすと、 水中を落下中の餌からペレットが剥がれて、 ふなが上ずる原因になる。絶対に動かさない。 振り込んだ直後に竿を手前にツンツンと引いて、 道糸を沈めるような動作をする人がいるが、絶対にしてはだめ。
こうやって振り込むと、道糸からハリスまでがピンと、
竿からまっすぐ張った状態で池面に着水し、
シズと餌が円弧を描いてゆっくりと水中に落ちていく。
アンダースローで、
竿の下からゆっくりふわーと振り込むような事はしない。 道糸に撚り(より)がかからないようにするために、 時々竿の握りを半回転ほど回す。 自分側から見て右利きなら反時計回り(CCW)、 左利きなら時計回り(CW)に回そう。 とこの取り方(浮き下の調整) ダンゴのとこ釣りでは、針に小さいシズを付けて行ったが、 ここではフロートを使ったとこの取り方を紹介する。 フロートとは浮力のある小さい浮輪で、 これを浮きのトップに取り付けて、 そして少し重めのおもりを針に付けてトコを測る。 フロートは発泡スチロールなどの軽い素材で自作する。 フロートは道糸に付けてあるシズの重みをキャンセルする浮力分。 0.5g程度のシズなら体積は1立方cm程度(1p角キューブ)。 真ん中に穴をあけて、そこにトップを通す。 使用する浮きのトップの太さより少しだけ小さい穴をあける。 スポッと抜けないように、 また通す時にきつくならないように適度な穴をあける。 下図は100均で売ってる床に敷くウレタンマット。 これを小さく切って、ドリルビットで穴をあける。 それを浮きのトップに通して使う。 フロートは大きすぎると、針に付けるシズで沈まない事がある。 池でとこを取る時は、フロートを装着した状態で、 浮き全体が沈む事を必ず確認してから行うように。 2本針でとこを測る時は、「上針とんとん」と言って、 上針が池底にちょうど付くように測る。 そのために針におもりを付ける時は、2本とも同じおもりに固定する。 持ち上げてみると、当然長針(下針)のハリスがたるんだ状態になる。 上針のハリスはピンと張る。下の説明図ではややこしいので、 針は1本しか描いていない。長針(下針)はおもりに特に固定しなくても、 トコの長さは同じだ。
「上針とんとん」にするには、 トップのシズの位置をとこの目印に合わせる事になる (上の説明図の右端)。 しかし実際釣る時は浮き下が垂直になりにくい。 そのため「上針とんとん」だが、 シズの位置は目印より少し上(トップ1節分、1pぐらい道糸上で 上にずらす)にしておく。 概ねこれで「上針とんとん」だ。 仕掛けを振り込むと、 最初は斜め分でトップはシズの位置より1節ぐらい沈むだろう。 その状態で試しに竿を前に押し出してみる。 トップがシズ位置ぐらいまで浮き上がってくるだろう。 「上針とんとん」の設定が、 池底の餌周辺の動きが一番敏感にトップの動きに現れる。 晩秋〜冬〜春ぐらいまでは、上針とんとんで小さいアタリを楽しめる。 しかしジャミがさわぐ春〜夏〜秋のシーズンでは、 上針とんとんだと、ジャミ・アタリで浮きが動き過ぎる。 下術「ジャミ対策」の項を参考に、浮き下を長くしていく (浮きの位置を道糸上で、うえに上げていく)手法もある。 いわゆるズラシを長くしていくやり方だ。 実際の釣り ここでは浮き下の調整は「上針とんとん」にしてある前提だ。 つまり上針も下針も同じとこ取り用のシズを付けてとこを取り、 その道糸のとこ目印に、浮きのシズ位置を合わせる (か、それより1pぐらい浮きが上)。
うどんはまぶし粉を付けたら、5〜7oぐらいの粒に切り分けて使う。
<餌の大小>うどんの刻み方だが、標準5o長として、
それより少し大きめ(例えば7o)だと、主に寄せに効果がある。
小さめ(例えば4o)だと、食わせに効果がある。 まぶし粉は釣りをする池で販売されているペレットか(市販品はだめ)、 マッシュ系の物(白い)。スーパで食用のマッシュポテトの粉や、 へらぶな用のグルテン系粉餌を使う。 竿を振って仕掛けを投入したら、竿はその位置で動かしては いけない。竿を握って浮きが立つのをじっと見る。 浮きがゆっくり立ち上がって、ゆーっくりトップが沈んでいく。 シズの位置より更に1p〜1.5pぐらい沈んだ所で、 定常位置になる。 この状態は浮き〜シズ〜餌(針)の間が少し斜めになってる。 竿先から浮き〜シズ〜餌(針)までがピンと張ってテンション がかかって仕掛け全体が竿側に少し引っ張られている状態だ。 試しにこの状態で竿を前方に 少し突き出してみると、浮きが上がってくる、 そしてシズの位置で止まるはず。 さて最初の状態 (投げ入れて浮きがシズ位置より1p〜1.5p沈んだ状態) からアタリを見ていく。 テンションがかかった状態のままで、 もしへらぶなが池底の餌に寄って来ると、 ペレットをしゃぶったり、餌の周りを泳ぐために、 餌が転がって餌に掛かっていたテンションが外れる。 すると浮きがシズの位置まで上がってくる。 つまり浮きがシズの位置まで上がってきて初めて、 へらぶなの寄りを確信する。 逆に浮きがシズの位置まで上がって来なければ、 ふなは近くにはいない事になる。 最初のシズの位置より沈んだままの位置で、 浮きにアタリが出る事があるが、 それはスレ・アタリかジャミ・アタリだ。 このアタリに合わせてもスレで引っ掛かるか、 ジャミなので空振りになる。 浮きのトップがシズの位置まで出てからが、釣り本番だ。 その位置でアタリを見極めて釣り上げる。うどんとこ釣りでは どんなアタリが出るのか・・・。 浮きのトップがシズの位置まで出たら、浮きをよーく見よう。 まずは典型的な教科書アタリは、浮きが3oほど上にぷくっと 上がる、次の瞬間浮きが下にさがる。 その下がり方はカチッと入るアタリもあれば、 ふわっと入る時もある。とにかくシズの位置で、 じっとしていた浮きが少しぷくっと上がると、 次の動きで竿を上げて合わせてみる。 この教科書アタリはよく釣れるので見逃さない。 前兆があるので合わせるのが容易だろう。 次の映像は、シズの位置でじっとしていた浮きが、 ぷーんと上がってからカチッと入るアタリだ。 教科書アタリ (5月初旬、上針とんとん) [ブラウザの戻りボタン(上の左向き矢印)でページに戻る] この現象はふなが池底に落ちたうどんを食べる動作として、まず 息を吹きかける、それからパクっと食べる事による。 そのほかトップがシズの位置まで出ていたら、色んな浮きの動きで 合わせてみよう。ほんとに小さい1o〜2oぐらいカチッと 入るのもへらぶなが食っている場合、よく釣れる。小さい アタリを見逃さないように、浮きが動けばすぐに合わせるように 気持ちをセットしておこう。アタリの種類は後述。
ふなが寄ってこない時は、シズの位置より沈んだ状態で浮きは
じっとしている。ではどうするのか・・・ 餌の打ち返しの前に、竿をゆーーっくりと手前に5p、 10cmと引いてみる。 こうする事でうどん餌は池底でゆーーっくりと動く。それで 近くにふながいると、それを見つけてパクっと食べる事もよくある。 いわゆる「誘い」だ。この場合ゆーーっくり引っ張っている 過程で小さいがちょんと入るアタリが出たり、引っ張り終わって 20秒以内ぐらいでアタリが出る。アタリが出ないときは、また 誘ってみる。2度3度やってみて、アタリが出ない時は、餌の 近所にはふながいないのかも知れない。餌を切ってまた新しい 餌を投入する、というやり方だ。 へらぶなは池底に落ちてしまった餌には食いつかない・・・という ぐらいに考えておこう。誘いをかけて食いアタリが出るという事から みても、動きのある餌を追って、パクっと食べる。なので、餌を 投入して水中をうどんがまぶし粉をまき散らしてながら落ちてゆき、 池底に 到着したら、食い気のあるへらぶなはそれを見ていて、パクっと食べる。 そういうイメージだ。浮きが立って、ゆっくりトップが沈んでいく、 その途中や定位置に着いてからすぐにカチッと入るアタリが出る 事もある。ジャミのいる頃では、餌を入れてすぐのアタリは ジャミ・アタリの場合が多いが、何度か合わせてみるといい。 ペレットが付いたうどんを投入する、すぐにペレットへの反応が 出る、ペレットを吸い込んでアタリが出る事もある、でもペレットだけ を吸い込んでのアタリなら釣れない。そんな時はうどんを追わせる事も 考えに入れる。一度ゆっくり引き上げて、ペレットが落ちて白く なったうどんが上がってきたら、そのまま再度振り込んでみる。 白いうどんが水中を落ちていく、ふなはそれを見ている、食い気が あれば池底に落ちた素うどんをパクっと食べる。そんなアタリは よく掛かる。ただし温かい時期だと、 ここに記述したわらびうどんは柔らかくなるので、 ゆっくり引き上げてもうどんは落ちやすい、水中でふやける。
冬場などふなの動きが活発でない時、最初ペレットが付いた
餌を投入する、少し浮きの反応はあるがアタリが出ない、ゆーっくり
上げて再度素うどんの状態で振り込む、浮きが立ってすぐに
アタリが出る事もあるので、浮きが立ち始めたらよく見てアタリを
拾おう。浮きが立ってもアタリが出なければ、誘いを掛ける、
アタリが出なければ、2,3度誘いを掛ける、それでもアタリが
出なければ、またゆーっくり上げて再度振り込む、うどんが取れる
ぐらいまでこの所作を繰り返す。 釣り池のへらぶなは何度も餌を食っては釣られている。 餌と見ればすぐに食いつく訳ではない。最初は怪しみ、なかなか 食べない。へらぶなは1匹だけ泳いで来て、食べる訳ではない。 大体は5〜10匹ぐらいのグループ(群れ)で泳いでいる。 怪しみながらも、他の競争相手よりは早く食べたい気もあるだろう。 魚はとても群集心理が働く。しかも釣り池はダム湖のような透明で 底まで明るい事はない。アオコと呼ばれる植物プランクトンで 水は緑色に濁っている。池底付近ではそんなに物体がよく見える はずもない。なので上から落ちてきた餌、 池底でゆっくり動く餌でないとへらぶなは追えない。でも怪しい、 そんなはざまで食いアタリが出たり出なかったりする。 釣りをしていると、色んなつぶやきが聴こえてくる。あーだ、 こーだ・・と、しかし本当の事は誰にも分からないのも事実だ。 そこがまたこの釣りの面白い所でもある。誰もが長い経験と自分の 信じる所で技を駆使して釣りをしている。 真偽は定かではないが、 そんな話を聞きながら、聞き流しながら、 研鑽を積み自分の釣り方を開拓していこう。 季節による変化 <早春> ゴールデンウイークの頃、へらぶなは産卵期になる。 一週間ほどだろうか、誰でもよく釣れる。 ジャミ・アタリも少なく、きれいなアタリでよく釣れる。 何も悩む事なく、上針とんとん+ペレットうどんで良く釣れる。 釣れ過ぎて面白くないかも知れない。
<晩春〜夏〜晩秋>
へらぶなの動きも高く、色んなアタリでよく釣れたり、
釣れなかったり。
餌を追う活発化に伴い、餌を振り込むと
へらぶなが上層で食べるために上がってきてしまう。
これを「上ずり」と呼ぶ。
とこ釣りなので、へらぶなが上層にあがってしまっては釣りにならない。
池底に寄せ続ける必要がある。 1)餌打ち間隔・・・上ずる心配が薄い晩秋から早春の期間なら、 何も考えずに色んなアタリに合わせていくが、 この時期では餌を投入する間隔(餌打ち間隔)にも気を付けて、 なるべく確信的なアタリだけに絞って、慎重に合わせていく。 つまり餌打ち間隔を開き気味にし、 あまり餌打ちが頻繁にならないように配慮する。 振り込んですぐのアタリに合わせる回数を極力抑える。 振り込んですぐだと、ペレットがまだうどんにしっかりついている。 その状態で合わせると、ペレットが舞い上がる。 それをふなが追うので、上ずっていく。 とは言っても、待ちを長くし、餌を打たないと寄らない=釣れない。 上ずらせないように、適度に餌を打ち続ける事が重要。 この間隔は日によっても違ってくるし、 釣り場所、竿の長さ、まぶし粉の種類によっても違ってくるだろう。 上ずりと餌打ち間隔はとても重要なトレードオフのポイントになる。
2)ドロ・ノリの使用・・・ペレットを使う場合、まぶした餌の上から、
さらに「ドロ」という石の粉を全体にまぶす。
「ドロ」には少しはがれにくくするために、
「ノリ」という白い粉をほんの少しだけ混ぜて使う。 この「ドロ」はジャミ除けのために使うもの。 ジャミが池底の餌付近にたくさん集まってはしゃぎ出すと、 ペレットが舞い上がって、それをふなが道糸のシズぐらいの場所で 盛んに食べるようになる。 3)ペレットの調整・・・ペレットとうどんの接着力を調整する。 一般に大粒ペレットの方が、剥がれ易い。 上ずる季節では小粒を利用する。 またうどんにペレットをまぶし、 さらに板でコロコロしてペレットをうどんに食いこませるが、 この度合いを調整する。しっかりコロコロすれば剥がれ難くなる。 さらにペレットをまぶしてから、少し時間を置くと、 剥がれ難くなる。 いずれにしても、うどんが水中を落ちていく途中では ペレットが剥がれ難く、底でペレットの効果が出るように していく。どれぐらいでどれぐらい剥がれ難くくなるか、 作った餌をを透明容器に水を入れて、その場で実験するのが良い。 水温が上がってくると、ペレットも剥がれ易くなる。 適当に調整するのではなく、自分の目で何度も確認することが このプリサイスな釣りには求められる。 またはまぶし粉をペレットではなく、マッシュポテトの粉末に 替えるとか、うどんにまぶし粉を付けて、すぐには使わずに ちょっとだけ時間を長く置いてから使うようにすると、途中では ばらけ難いとか・・・。とにかく底付近にふなを集める(留め置く)措置をしないといけない。 この温かい時期になると、池によってはジャミがわんさかと寄ってくる。 ジャミ・アタリが出てくると、また釣り方も変える必要が出てくる。 次の「ジャミ対策」の項も参考にして、へらのアタリを楽しもう。 ジャミ・アタリでも、浮きが動くのは楽しいもの。 <盛夏>昨今異常に暑い中、全然釣れない日が続く。 でもチュー釣りの連中はぽつぽつと釣っている。 中層はふなは泳ぎまくって餌も食べる。とこでは全然アタリが出ない。 こんな時はとこ釣りがいやになるかも。 しかし浮きが動かない、全然釣れない、めっちゃ暑いときでも、 じわっと汗を流しながら、餌を打って浮きを見つめる。 太陽がカンカン照りに当たる池中心よりは、 なるべく端っこの方をねらってみる。 場所でも随分食いアタリは違ってくる。 この時期は色々場所をさぐってみる。 面倒くさいが、午前午後で場所を変えてみるのも一考。 <晩秋〜冬〜早春> 晩秋から初冬ではへらの動き・食いが鈍くなってくる。ジャミも かなり静まってくる。でも小さいアタリで釣り上げる絶好の季節だ。 うどんのとこ釣りの真価を発揮できる季節だ。 日傘を立てる苦労も不要だ。 ジャミ・アタリは極端に無くなって、上ずる心配もない。 色々な小さいアタリに合わせて試めせる、とても面白い環境になる。 パクっと元気よく吸い込む食べ方よりは、 口先でチョンと吸い込んで食べているようだ(イメージ)。 とにかくへらぶな独時の小さいアタリを楽しめるのはこの季節だ。 寒いけどめっちゃ面白い。アタリの種類は後述。 釣れる数は少ないが、数などどうでもいい。 じっくりアタリを楽しむ季節だ。
冬は北風が吹くとかなり寒いし、
波も立って浮きをみる環境は良くない。
釣りに行く前日ぐらいから「翌日の天気図」をよく見て、
西高東低の気圧配置がゆるむ日を選ぶと良い。
(NHK放送でdボタン>赤ボタン>青ボタン>天気図の
ページで翌日の天気図を表示できる) 防寒対策は自動車で行ける人は何でも積めばいい。 テントにストーブまで持ち込む人もいる。でも電車で行くなら、 そういう訳にはいかない。 肌着は綿と化繊の物を2枚重ねにし、シャツ、ベスト、 更にダウンジャケットだ。化繊のダウンじゃなくて、 少々価格はするが天然のダウンの物が断然温かい。 下は普通のズボンで電車に載って、池に着いてから、 その上からダウンのズボンをはく。 小さく折りたためる物が市販されている。 これも化繊綿じゃない天然ダウンの物が断然温かい。 あとはカイロだけれど、使い捨てよりは、 ベンゼン燃料のハクキンカイロがお勧め。 初期費用はかかるが、通常使用の費用は小さい。 熱量もあるし、なんといってもサスティナブルだ(!)。 ジャミ対策 春〜夏〜秋の間はジャミ(小魚)がへらぶな釣りの邪魔をしてくる。 人工の池(寺口釣り池・西池)では、ジャミ掃除もされていて、 ジャミ・アタリは極端に少ないが、自然池(王仁新池)の釣り池では、 ジャミがわんかさいる。 ジャミは確かに邪魔、 でもそれをかいくぐってへらぶなを釣り上げるのも技術というもの。 へらぶな釣りは技術を極める釣りだ。 ジャミ対策の技術もへらぶな釣りの楽しみの1つだ。
1)うどん 対策としては、うどんを針に刺すとき、 曲がっている部分から針を縫いこむようにしてクルンと通し、 そのまま軸の方まで通しておく。 すると針からうどんが外れにくく、幾らか長くとどまるようになる。 そうしておいて、 ジャミのアタリが少し落ち着いてからのアタリに合わせるようにする。 激しいジャミアタリのあとに、へらのアタリが来るとは限らないが、 大きなへらぶなが餌に寄れば、ジャミは退散するみたい。 それを待つしかない。
あとうどんを取られないように、少し固めにうどんを作る。
2)まぶし粉 <白系> またまぶす粉をマッシュポテト粉末にする。いわゆる白系。 釣具店でももうマッシュの粉末はもうあまり販売されていない。 ねり餌のグルテン系でもいい。 スーパで食用の物を探す。あるいはグルテン系のねり餌粉末でもいい。 また米粉を中心に色々混ぜ物を工夫している人もいる。 おもゆ、粉ミルク、砂糖・・???? ペレットに比べて、寄せの効果がかなり小さい。 上ずる心配があまり無いので、アタリが出るまで餌打ちは頻繁にする。 ジャミに餌を持っていかれないように、硬めのうどんにする。 食用うどんの尿素漬けを使っている人も多い。 <素うどん>わらびうどんを容器から取り出して、 そのまま水の入った容器に入れて、その中で切り刻む。 それを針に付けて振り込む。 ペレットで餌をいくらか打っておいて、 ジャミがにぎやかになってきたら、素うどんを打ってみる。 ジャミ・アタリが極端になくなって、浮きが静かになる。 それでへらのアタリを待つ。 夏でも晩秋のような浮きの動きに変わる。 じっくりへらのアタリを待てる。 でもそのまま素うどんを使っていると、へらの寄りも悪くなり 釣れなくなる。 時々ペレットで寄せては、 素うどんでへらのアタリを待つというサイクル。 素うどんではなくて、白系に変えて待つという手もあるが、 あまりお勧めではない。ペレットと白の混合では、 アタリがめちゃくちゃになって面白さが低減する。
3)浮き下の調整
そこで浮きにはジャミ・アタリが、あまり敏感に出ないようにする。
そのためには、浮きを上にあげていく。
浮きを上げていくと、当然ハリスが池底にだらりと沿うようになる。
それでもへらぶなのアタリはきれいに浮きの動きに現れるので、
心配はいらない。
ジャミの嵐は一過性である事が多い。 朝の第一投目から、 ジャミがわんさかうどんを食べに寄ってくる時がある(場所によって)。 そのジャミアタリはかなり続く事もある。 午後になってやっと治まる事もある。 また午後の2〜3時間だけ続くような事もある。 ジャミにうどんを取られにくくして、 ジャミ・アタリの中、或いはそのあとのふなのアタリを拾う。 上ずりに気を配りつつ合わせている内に、 ジャミアタリが静かになってくる状況もある。 へらぶなの小群が寄って来て、ジャミを追い出したようなイメージ。 ジャミの群れは水面から中間層あたりに多い。 対策の1つとして少しだけ重めの浮き(シズの重い浮き)に交換して、 ジャミ層を比較的速く落として、 池底のあたりではへらにアピールしながら、餌を落としていくイメージ。 するとジャミの影響が軽減できる時がある。 また深めの場所(2m以上)では、 池底までジャミが追わない事もある。 あと1つのジャミ対策は、 うどんをどんどん小さくしていくと、 ある部分を境にしてジャミが見つけられなくなる大きさがある。 ふなも見つけにくいだろうが、着底してからうどんを転がして、 ふなに見つけさせて食わせる手法もある。 さて、ジャミ・アタリの中から、 へらぶなの食いアタリを選別する方法として、 ジャミ・アタリはツーン、ツーンという浮きの動きだが、 そんな中でも、カツっとした動きや、ツーンの「ーン」が無くて、 ほんの少しの間浮きが沈んだままのアタリがある。 それはふなのアタリである事もある。 春先のころ、このツーン、ツーン、ツ というアタリに合わせられて、それで釣れると気持ちがいい。 ジャミ・アタリの中から、 へらぶなのアタリに合わせられる技術を修得できた証拠だ。 ツーン、ツーンという浮きの動きに合わせて、 頭の中でそれを言って見る。そして「ン」が無ければ、 0.5秒ほど遅れるが、パッと合わせて竿を上げる。 これで釣れると気持ちがいい。 合わせる技術が一段上がった事になる。 通常アタリが出たら、パッと同時に合わせるが、 それをほんの少し時間差で合わせるのだ。本当の食いアタリなら、 それぐらい遅れても大丈夫。飲み込まずにちゃんと上唇にかかる。 勿論、それでも全然釣れない事もままある。 ジャミには苦労するが、その分、面白が増える。 障害物が多いほど、それをすり抜ける技術を修得するのが面白い。 上述した例を色々試してみて、 それぞれの季節でうまくいく技術を見つけてみよう。
あまり良い例ではないかも知れないが、
ジャミ・アタリの中のふなアタリに合わせた映像をのせる。
これは急峻なアタリが2つ続いた時に合わせた例。
釣れる確率がやや高い。
でもこのアタリで釣れない時は、もう合わせないようにする。
こんな浮きが立ってすぐのアタリに合わせてばかりいると、
上ずる原因になる、要注意。 餌打ち間隔 「トコ取り3年、餌打ち5年、アタリの見極め13年」と誰かが 言ったとか言わなかったとか。 ダンゴも同じだが、餌を打つ間隔は常に悩ましい所だ。 餌を打つ間隔とは、イコール竿を上げる間隔だ。 竿を上げると、アタリに合わせて上げても、何も無くて上げても、 餌が池底に落ちる。 アタリに合わせて竿を上げるのはいい。問題はアタリが無い時。 じっとアタリが出るまで5分でも10分でも待つのか、 浮きが全然動かないなら2、3分ほどで上げるのか・・・。
<春〜夏〜秋> やっぱり寄っていないから食いアタリが出ないのかも・・・、 じゃ、早目に切り上げて、また餌を付けて入れ直すか・・・ 餌を投入する間隔が開くと、へらぶなが寄らないし・・・ でもあまり頻繁にやっていると、ペレットが舞い上がって、 上ずる事も心配だし・・・やっぱりもうちょっと待つか・・・ という心理の動揺がある。 ジャミ・アタリが多い時期は、むやみに餌を打つと、 ジャミばかり寄って釣りにならなくなる。 それにへらぶなが上ずってしまうと、 池底で釣れなくなってしまう。 しかし逆に餌を打たないと、ふなが寄らない。 これもまた釣れなくなる。 つまり「ジャミ・上ずり」と「寄せ」のトレードオフなのだ。 この加減が難しい。経験が頼りだ。 日によっても違うし、1日の内でも状態が変わってくる。 適度に寄せながら、上ずりを抑えながら・・・と文章では 簡単に書けるが、実際はどういう加減になるかだ。 とにかく上ずりは抑えたい。なので、前の項でも記述したが、 要はペレットが問題だ。ペレットは魚を寄せられる。 でも上ずる。 ペレット付きうどんでは、例えば3投したら、 あとは素うどんで、じっくりへらのアタリを待つとか。 ペレット付きうどんの3投も、 投入してからジャミ・アタリをしばらく見て、 ジャミがペレットを食べて、 浮きが静かになってからのアタリに合わせるようにする。 2、3分アタリが無ければ、餌を切ってまた次を打つ。 3回繰り返したら、今度は素うどんでアタリを待つ。 素うどんならジャミ・アタリは極端に少ないし、 ペレットが舞う事がないので、 それほど待たずにまた餌を打てる。 素うどんのアタリは暖かい時期でも、 割ときれいな小さいアタリで釣れて面白い。 でも素うどんでは寄せられない。何度かやって、 アタリが出なければ、長く待たずにまたペレットで打つ。 これを繰り返す形になる。 或いは最初からペレットは使わずに、白系のまぶし粉を使う。 白系まぶし粉は寄せ力が低いので、 餌打ちは頻繁になるだろう。 その方が功を奏する事もある。
<秋〜冬〜春> 餌打ち間隔は、特に浮きが全然動かない時が悩ましい。 30秒ぐらい? 1分ぐらい?・・・ それとも3分、5分とじっと待っている方がいいのか、 やっぱりふなが寄らないと釣れないので、 餌打ちをある程度の間隔でする方がいいのか・・とても悩ましい。 気温・水温が下がって、浮きが動かない時間が長くなっても、 そんなに長く待っていれば良いというものでもないだろう。 適度に餌を打って、アタリを出す、という考えも必要だ。 餌を打たなければ寄らない、寄らなければ釣れない。 餌を入れてじっと待ってれば、 いつかふらっと来たふなが食べるだろう・・・と考えるのもどうか。 適度にとはどれぐらいの間隔だろう。 最初は2分〜3分ぐらいの間隔で餌を打って、 浮きが動くかどうかを見よう。 浮きが動き出すまではこのぐらいのペースで餌を打つ。 何か小さい反応でも浮きに出始めたら、 アタリが出るのを少し長めでも待つ。 寒い時期はへらぶなの食いアタリでも本当に小さい反応になる。 浮きがほとんど沈まないようなアタリも出るようになる。 最初は1oでも動けば、どんどん合わせていく。 どんどん合わせて行けば、自然と餌打ち間隔も狭まり、 適度な餌打ちになっていくもの。 この時期は餌を打ち過ぎるという事はあまりないので、 浮きの反応にはどんどん合わせればいい。 アタリを待ち過ぎて、 餌打ちが遠のくとへらぶなも遠のくだろう。 浮き調整(シズ調整) ねり餌でも同じだが、餌を投入・着水して、 シズに引き込まれながら、餌が沈んでいく。 この沈んでいく速度が重要。 この速度とふなが餌を追う速度を一致させたい。 下層付近にいるふなが、落ちていく餌を追って、 池底まで降りて食べる、それにぴったりの速度がいい。 ゆっくり過ぎると、下層のふなが上へのぼってしまいかねない。 とは言っても、 ふなが餌を追いかけられる速度なんか分からない。 四季や水温、時間帯によっても、 このふなの餌追いスピードは異なっているだろう。 なのでいつも気にしながら、 餌が沈んでいく速度を調整する。 餌が水中を落ちていく速度を調整するには、 浮きのシズの重さとハリスの長さ。ハリスは30p固定。 シズをハリス結びのチチワから上に上げるのは論外。 浮きのトップが太めのパイプトップ(1o〜2o)を使えば、 トップの先の方をシズの位置にするなら、ちょっとだけ重くできる。 逆にボディ近くをシズの位置にするなら、 それより少しだけ軽くできる。 この幅がムクの細いトップより断然大きい。 例えば直径2oのトップだと、半径0.1p、断面積は0.031平方cm、 なのでトップ1pあたりの浮力は0.03gのシズに相当する。 2pだと0.06gになる。シズの位置を2p変更するだけで、 シズの重さを0.06g変化させられる。 トップの上から2pの所でシズの位置を取っていた場合で、 例えばそれでシズが0.5gだったとして、 これを上から4cmの所に変更すると(2p変化させた)、 それより0.06gシズを軽くできる。つまりシズを0.44gにできる。 2pシズの位置を変えるだけで、シズを12%変更できる。 浮きを交換して、シズの重さを変更する事も勿論可能。 浮きを大きくすれば(浮きボディの体積を大きくすれば)、 それに合うシズも一般的には重くできる。 シズを重くすれば、餌の水中落下速度も上がる。 例えばシズ重さ0.5gから0.6g、0.7gと徐々に重くしていくとか。 どれぐらいから始めて重くしていくのか、 季節や活性ぐあいを見て、経験と勘になるだろう。 一般的なうどんでハリス長30pなら、 0.5g付近でシズと餌の落ちる速度がそろってくる。 極端に軽くし過ぎると、餌が先に落ちていく形になって、 着底の形がくずれる。 重すぎると、シズを頂点にV字型で落ちていくので、 これでは全然だめだ。 うどん転がし〜さそい
”さそい”は大きく3つ。動きの大きい順に 1)は餌の近辺にはあまり寄っていない状況で、 仕掛けや餌が水面に落ちる音と、 水中をペレットを撒きながら餌が落ちて、初期にふなを寄せる。 通常の仕掛けの振り込み・餌の投入だが、 これもふなを誘っている事になる。 ふなが寄ってはいるが、食いアタリが出ない時、 うどんを落とさないように、ゆっくり仕掛けを引き上げて、 ペレットの落ちた白い素うどんで、そのまままた振り込む。 これは底近辺にいるふなにうどんをアピールできる。 2)は浮きが立ったあと、 どうも浮きが動かないような時間が続いた時など、 ふながすぐ近くまで寄っていない雰囲気で誘う方法。 しかしふなが寄っていた時に、この誘いをやってしまうと、 ふなは逃げる。その時に逃げアタリが出る事が多い。 逃げアタリには合わせても釣れないし、悪い場合、 スレで引っ掛けてしまう。ピュンピュンと誘った直後に、 半から1節ほどのアタリで出たら要注意。 釣れる時もあるので、合わせてもいいが、確率は低い。 そさってから3秒以降ぐらいあとに出たカツン・アタリや、 2o程度の小さいチュン・アタリに合わせていく。 3)は特に寒い時期、ふながどうも餌のすぐ近くにいるのに、 食いアタリが出ない時、ふなの目の前でさそう。 そのため、怖がらせないようにゆーっくり引く。 5pほど引いて、アタリが出なければまた5pと・・・。 引いている最中や、直後にもチュンとアタリが出る事がある。 このさそいをしたら20秒ほどは待ってみる。 その間にアタリが出る事もままある。 アタリが出なければ次の操作に入る。
(実際のパタン、3月初旬、気温は冬の終わり、水温低め)
下の動画は5月初旬、ふなもジャミもかなり動いて、
アタリもどんどん出る時期のもの。ジャミ・アタリが最初あって、
次に静かになって、浮きが動かないので誘いをかけた。
上述の2)のケース。
うどんのとこ釣りの楽しみとして、この様なうどん転がしがある。
針にうどんを付けて投入する、浮きが立つ。
この時投入する振り込み方はオーバスローで、
仕掛けの糸が常にピンと張った状態で入れる。
(糸がたるんでいると、アタリもぼけるし、さそいもできない)
竿先−道糸−浮き−シズ−うどんが一直線になる。
浮き−シズ−うどんの部分が垂直ではなくて、
水中で少し斜めになって、
テンションが掛かって初期の定常状態になる。
この時の初期定常状態は、
浮きの目盛りはシズで合わせた位置(シズ位置)より、
半〜1目盛りほど沈む。
この半〜1目盛り浮きが沈むのを「斜め分」と呼ぶ。
チュー釣り遊びの「なじみ」とは原理的に異なる。 この状態で竿をチョンと少しだけ引く。 手首で3pほど。ゆっくりではなく少し早めに引くのが、 上述の2)だ。糸がぴんと張っているので、 手首の動きが直で浮きに反応する。 ぴんと張っていなければ反応しない。 こんなに小さい動作で、池底のうどんが動くのか?と 思うかも知れないが、十分に動く。 引いた直後の大きめのアタリは逃げアタリだぞ。 竿の握りををゆっくり手前に引くと、 更にテンションがかかって、 浮きが更に少し沈む。 少しずつゆーーーーくり手前に引くと、 浮きが水面で移動し始める。 この時うどんは池底をゆーーーーくり転がっているイメージ。 引き手を止めて、今度は竿をゆーーーくり前に押し出してやると、 「斜め分」で沈んだ浮きは上に出始める。 こうすると、うどん−シズ−浮き−道糸−竿先の間の、 テンションが少し抜ける。 浮きがゆっくり水面から上がってくる。 シズ位置まで出る所で、 カツンとアタリが出る事がよくある。 小さいアタリだがよく釣れる。
この現象は謎だが、テンションが抜ける事で、
うどんが少し池底のどろから浮き出るのかも知れない。
少しだけうどんが動く・・・
それを上から見ていたふなが、
パクっと食べるイメージだ(ほんとか?)。
テンションがかかった状態では、
うどんは池底のどろを引っかきながら移動しているはず。
船が錨(いかり)を降ろしたまま、
風や流れで移動しているイメージ(走錨)。
テンションを外すと、軽いうどんはどろから少し浮き上がる、
食い気のあるふなが寄っていたら、
それを目ざとく見つけて、
おいしそうな浮き上がり方をするうどんを、
ご馳走のように食べるという想像だ。 餌を投入して浮きが立つと、 その周辺にポツポツと泡が出る事がよくある。 ふなが寄って来て、浮き袋の空気を少し吐いているのだろう。 池底から10pぐらいの所にいるへらぶなが、 池底に落ちたうどんを食べるには、 少し頭を下に向ける必要がある。 浮き袋に空気がいっぱい入っていると捕食しづらいのか、 空気をポコンと吐く。 この泡吐きでも、へらぶなが寄っているのを察知できる。 へらぶなが餌の周辺を泳ぐと その水流が浮きに伝わり、 ふわーんふわーんと動く事でも分かる。 ふなはグループで寄っているはずだが、温かい時期だと、 グループ全体で食い気があり、競争心理でふなも割と食べる。 しかし晩秋から初春までは食い気が落ちて、競争心理まではない。 それでなかなかアタリが出ない時は、 ゆーーーーくり竿を引いて、 うどんを池底で転がしてみる。 ふなにうどんを見つけてもらうのが目的だ。 なので怪しまれては食べてくれない。 自然な水流で転がっている感じだといいだろう。 参考程度になるが、1/fというのが自然界の法則らしい。 つまり急峻な動き(周波数成分が高い=fが大きい)は変化量を小さく、 ゆっくりした動き(fが小さい)は多めになる。 急峻に竿を引くような誘いは、引き幅を小さめに(2〜3p)、 ゆーっくり引くような誘いは、引き幅を長め(5p以上)にする。 根拠はないが、自然法則にそった方が、 ふなに違和感を与えずに誘えるのではないだろうか。 へらぶながうどんの近くに寄っている気配があって、 うどんを巧みに転がして、作為的にアタリ出す。 その時の色々な浮きの動きを楽しもう。 この作為的操作によって、小さいアタリが出て、 思うようにへらぶなが釣れた時の感触がまたたまらない。 これぞへらぶな釣りの神髄って感じだ。 何故大阪の人たちがへらぶなを池に飼って、 わざわざうどんで釣るのか、とう事が分かるだろう。 これ以外にへらぶなをたくさん池に飼って、 それを釣る目的は無い事がはっきりと分かる。 へらぶな釣りは「アタリを楽しむもの」だ。
へらぶなは池底に落ちている、
動かない餌には、あまり食い気がそそられない傾向にある。
ペレットを撒きながら池底に落ちていくうどんが好きみたい。
とこ釣りと言っても、ふなが池底に貼りついている訳ではない。 ペレットの付いたうどんをへらは食べない、 と言われるがそんなの全然うそっぱち。 なので浮きが立って、トップが沈み始めたあとのアタリでも、 良いアタリには合わせてみる。(ただしジャミ・アタリにばかり 合わせていると、底付近でペレットが舞い上がって、 へらぶなは上ずる、 シズより上の位置に一旦上がったへらは降りては来ない、 要注意) 浮きが立つのはシズがほとんど池底付近に来てから。 浮きが立ち、トップが沈み始める時は、 もう長針(下針)は池底に着底している。 つまりトップが沈み始めている時のアタリは、底でのアタリだ。 このタイミングでのアタリで釣れても、 チューで釣った事にはならない。 このタイミングでのアタリで釣れないときは、 ペレットだけを食べているので、 「素うどん」でもう一度投入する。 素うどんで入れると、 浮きが立って、すぐに食いアタリが出る事も多いので、 合わせるタイミングに注意しよう。 このようなへらぶなのアタリを楽しむ釣りができるのは、 大阪や奈良・京都近辺の釣り池しかないだろう。 うどんのへら釣り池は小さい、水深は2mぐらいまで、 浮きの小さいアタリを見やすいように、 風や波を防ぐ工夫がなされている。 野趣は少ない、釣り技を楽しむためだけの場所だ。 世界に類のないこの釣りを、是非継承される事を願う。 釣れない原因 不明・・・魚次第。毎週のように釣り池に通っていて、 同じ場所、同じ釣り方(餌や浮き、シズ調整)でも、釣れる日、 釣れない日がある。 原因はへらぶなに聞くしかない。気温・水温、雨の有り無し、 日差し加減、近辺や離れた場所に釣り客の有無などなどか。 へらぶなは1匹単独で泳いできて、餌をパクっと食べる訳ではない。 必ず7〜10匹の小群で泳いでいて、 自分の釣っている小エリアに来てくれて、初めて餌を食べてくれる。 その小群の中から1匹釣り上げると、驚いて小群は去ってしまうか、 一旦ぱっと散るが、すぐまた戻って次の餌を食べるか。 食い気が旺盛な時は、すぐに戻ってすぐに次のが釣れる時もあるだろう。 池全体ではこの小群がたくさんあって、それらが回遊している。 春から秋にかけては、回遊が結構盛んだろう。いくらか釣って、 小群が去っても、次の小群がすぐに来てくれるかも知れない。 他に釣り客がたくさんいる時は、回遊の間隔も開くかも知れない。 そういう波の中で、アタリがよく出たり、パタッと無くなったりする。 でも真実は誰にも分からない。 午前中はジャミ・アタリばっかりで、なかなか釣れないが、 午後からはジャミ・アタリも止んで、へらぶなのアタリもきれいに出て、 ぽつぽつよく釣れ出したりする日もある。 アタリがなくてどうするか・・・じっと待つ釣りになるか。 それともジタバタするか。 餌打ち間隔が自然短くなっていくかも知れない。逆に長くなる人もいる。 餌を(まぶし粉)を変えたり、竿の長短を変えたり、浮きを変えたり、 ずらしを長くしたり。 何かを変えると、アタリが出だしてよく釣れたり、だめだったり。 どの変更ポイントが功を奏しているのかは、はっきり断言できない。 それは変更したタイミングと回遊してくるタイミングが、 たまたま合ってただけかも知れない。真実は分からない。
何も変更せず、アタリがない、あるいはアタリがあってちっとも
釣れなくても、一定の間隔で餌を打ち続けていると、
ある時間からぽつぽつ釣れ出す事もままある。
たまたま小群が回遊し始めた時に、うまく餌を打っていると、
小群がとどまって釣れ出す事もよくある。 何が功を奏するかは分からない、 アタリが無くてもジタバタせず、 根気よくまじめに、 オーバにならないように餌を打ち続ける態度も必要かも知れない。 へらぶなのアタリを楽しみに来ているのであれば、釣れなくても 浮きが動けばそれでいい。1日1匹きれいなアタリで釣れれば、 気持ち良く帰れる。 また釣り池には、よく釣れる場所が必ずある。常連は朝早くから来て、 その場所を取っちゃっているもの。 そんな場所ではぼつぽつと良く釣っているが、 全然気にせず、自分の世界に入って、自分の場所でじっくり釣ろう。 うどんのとこ釣りは、数を釣るよりは、アタリを楽しむもの。 寒い時期なら、じっくり小さいアタリを見逃さないように楽しみ、 温かい時期なら、上ずりを抑えつつ、 ジャミ・アタリの中から、 確信的にアタリを見極める楽しさを満喫しよう。 順調に釣れる時は、むしろ頭は回転せず、腕だけが回転する。 アタリや竿のしなりはよく味わえるが、実はあまり面白くない。 むしろ釣れない時の方が、頭の中は想像でいっぱいになる。 ジタバタしてみるのもいいし、頑固に自分の釣りを貫くのもいい。 釣れた結果なんてどうでもいいじゃないか。 釣り技術がまだまだ未完成なら、 他で釣っているおじいさんに話しかけて、 技術の一端を欲してもみるのも面白い。快く教えてくれる人もいる。 教えてくれるのが論理的な人もいるし、そうでない人もいる。 自分の流儀に合う人もいるし、そうでない人もいる。 人付き合いが苦手な人でも、同じ技術の人と技術の話は簡単にできる。 色々と情報を集めるのも、この釣りの興味ある部分だ。 同じぐらいの技量、経験の人がずらりと並んで釣っている。 その中でも釣れる人、釣れない人が必ずいる。 同じ釣り方、同じ尺の竿、同じ餌で、同じ技量の人が、 ずらりと並んで釣っても、みんな均等になる訳ではない。 やはり釣れる人、釣れない人が出る。 へらぶなの小群の動きは極めて気まぐれだ。 端っこばっかり寄る事もある、真ん中辺りでとどまっている事もある。 釣れなくても気にせず、ジタバタせず、そういう物だと気楽に 自分の世界で釣ろう。 もし全く同じ釣り方だったら、竿の長短でその差が出る事もままある。 みんな8尺で釣っていて、一人だけ10尺とか、 逆にみんな10尺で一人だけ8尺とか。 桟橋から離れた向こう側にへらの小群が泳いできているとか、 桟橋の下から小群が出てきたとか。そんなイメージだろう。 科学的、数学的な根拠はないが、 ほぼこれは正しいだろうと言える事は、 「へらぶな君は気まぐれ」。 アタリ うどんのアタリはねり餌(だんご)に比べて、 はっきり出る傾向にある。 餌のうどん自体はねり餌のようには崩れないからだ。 ふなが吸い込んだ時に、 「カチッ」と入る小さいアタリが出やすい (こんなアタリばかりではないが)。 2〜4mmぐらい沈む、小さいがはっきりしたきれいなアタリだ。 この小さいカチッとしたアタリに、 サッと合わせて竿に手ごたえを感じた時の感触は格別だ。 これぞへらぶな釣りのへらぶな釣りたる所以だ。 このうどんのアタリで釣れた時の感触を、 一度でも味わうと何故へらぶな釣りが面白いか、 どうしてマブナや鯉じゃなく、 わざわざうどんで、へらぶなを釣るのかが分かるだろう。 冬場だと、余計にこのうどんのカチ・アタリは小さい。 水面に立つ浮きをじっと見つめて、 このカチ・アタリを見極める。 浮きのトップが1節以上ズボッと沈むような、 つまり誰が見ても分かるようなばかちょんアタリで、 釣れて喜ぶのは小学生まで。
やっぱり大人がへりぶな釣りをするなら、
アタリの見極めに興味を持つものだ。
餌をさんざんばらまいて、
浮きがぴょこんと沈んでから釣るようなお遊びは、
せいぜい小学生まで。
アタリの初段階の見分け方として、 2)竿先〜浮き〜シズ〜餌 で少し 引っ張られてテンションがかかった状態。 餌で池底にアンカーがかかった状態。 (テンションが掛かっている証拠として、 竿を前に押し出すと、浮きがシズ位置まであがる) 3)へらが餌に寄ってペレットを食べると、 餌のアンカー状態が外れて、 ゆっくりと浮きがシズ位置まで上がる。これによって、 へらの寄り具合を悟る。 4)このシズ位置まで浮きが上がってからのアタリでないと、 へらの食いアタリではない可能性が高い。 ジャミ、糸スレのアタリで、合わせても何も釣れない。 下手をすると、ふなの体に引っ掛けてしまう 5)冬場などへらが全然寄らないような時は、 初期の定常状態のままじっといるので、 つい最初の浮きの動き(スレ、ジャミ・アタリ) でも合わせてしまうが、 なるべくへらが寄ってからのアタリを拾うようにする。 (ただしジャミが餌をつっつく時期になると、餌を投入後、 すぐにつっつく。なので、このテンションは割とすぐに外れるぞ)
ふなの食いアタリには、典型的な前触れが見られる時もある。
(前述の教科書アタリ、再度記述) アタリの種類 食いアタリの種類はいろいろだ。季節によっても釣れるアタリは 随分と違ってくる。全部を文字で列挙するのはとても無理。 ここではトピックス的に、分類もしながら記述してみた。 経験を積んで、アタリを見極める楽しさを味わおう。 一)1節以上ストンと入るいわゆる「ばかちょんアタリ」。 小学生でも合わせられる。「ママ、釣れたよー」「良かったわね、ぼうや」 という幼稚園・小学生のレベル。チュー釣りのアタリはこれ。 (浮きの動く幅は、枝っきれの直径ぐらい) 二)2o〜5oぐらい浮きが力強くカツッと入るアタリ。 変化量は小さいが かなり明確なアタリなので、ばかちょんアタリに近い。目が良ければ 誰でも合わせる事ができる。 小学生高学年以上なら合わせられる。筆者が小学生の時は ここぐらいまでがアタリだと思っていた。(動く幅は割りばし厚みぐらい)
三)1〜2oぐらい小さくチッと速く、力強い感じに上下するアタリ。
文章表現では「小さいツン」となるかも知れない(読み手のイメージ)。
予備知識があれば、通常誰が見ても判別可能なので合わせられる。
冬場はジャミが生意気にもこんなアタリを出す事がある。
合わせても釣れない。 四)0.数mm〜1oぐらいチッと入る気のせいのようなアタリ。 少しゆっくりとフンフンと動く時もある。 浮きがクルンと回る時もある。あるいは 浮きを中心に小さい波紋が出る。 このレベルから「浮きは沈まない」アタリになる。 この「動いたかな?アタリ」に合わせられるようになる のは高校生以上かも。しかし高校生では難しいのは、 釣り池にかなり通い詰めないといけないから(費用的な問題)。 小さいゆっくりとした波間でも見分けられると中級以上だ。 かなり慣れないとこのアタリには手が出ない。(動く幅は髪の毛) 五)「動いた??アタリ」はもろ気のせいのようなアタリで、 余程手慣れた人でないと合わせるのが難しい。 数年以上うどんだけでへら釣りをしている人は、 このようなアタリも徐々に見極めが出来るようになる。 上級者の領域に入ってくる。 この気のせいのようなアタリの1例だが、浮きがじわーっと ゆっくり動く、へらが寄っているような雰囲気だ、 そのゆっくりした動きが瞬間的にぴっと止まった。 この瞬間がアタリだったりして、合わせると釣れる事がある。 これはほんの1例。「アタリの見極め13年」(動く幅はうぶ毛)
六)ここからは選ばれし人の領域になってくる。鏡のような水面に
屹立として浮きが立つ。そよ風にゆれる、小さい水面の波紋にゆれる、
ふんわりと1oもない上下をしたりもする、そんな色々な浮きの
気配のような動きの中に
なにかしかの「違和感」
を感じ取った瞬間に合わせる、竿がしなる、
へらぶなが上がってくる。 この「違和感のアタリ」を見極めて 合わせられるようになったら、選ばれし上級者と言えるだろう。 よし、釣り上げてやるぞと、 目をギラギラさせているようでは、到底この域には 到達はおろか近づく事さえできない。 自我を捨て、時間と水と魚と一体化し、気配を感じつつ、 違和感を読み取る。釣れようが釣れまいが、 そんな我欲は微塵も感じない、 むしろ浮きを見つめ続ける喜びを感じられねばならない。 うどんのとこ釣りをしていると、この一)〜六)までのアタリが 混在して発現する。 五)ぐらいまでのアタリを拾えるようになるのが、 へらぶな釣りの目的だろう。秋が終わって気温が下がってくると、 浮きの動きもなくなってくる。 そんな中、五)ぐらいのアタリを拾える人は、 ぽつぽつと釣り上げている。 「あー、今日は全然浮きが動かない・・・釣れない日だ・・」と 大きな声で嘆いている人がいる。 いや、へらぶなは餌を食っている。そのアタリが見えていないだけ。 浮きにアタリが無いときに、 竿を上げたら偶然釣れたー、ていう経験があるだろう。 1年間釣り池に通っていると、一度や二度こんな経験をするだろう。 これはまだ四)のレベルには達していないという事。
一度でも確信的に四)のアタリに合わせて、
釣り上げる事ができたら、
へらぶな釣りも一段高みへ上がった事になる。
今まで自分がしてきたへらぶな釣りが、
何だったんだろう・・ときっと思えてくる。 当然最初は色んな餌を使って色んな釣り方で釣っただろう、 しかし最終的にうどんのとこ釣りに絞り込んで、 そこでの釣り技術に奥義を求めた。 これこそが、へらぶな釣りの「文化」というものだ。 へらぶなをたくさん入れた池では、釣れるのは当たり前。 大の大人がそんな池で、釣る事を目的にする訳がない。 釣る技術を求めてきたのだ。 「今日はたくさん釣れたぞー」ってお遊びを延々やるか??? へらぶな釣りというのは、 「アタリを見極める」という高等な釣りの趣味だ。 この事は余程へらぶな釣りを続けないと、見いだせないかも知れない。 限られた範囲の人にしか、 本当の楽しみ方が分からなかったかも知れない。 昔は個人のそんな技術は仲間内にも秘密で、技術を競った、 技術を誇った。余計に一般化しなかった。 しかしこれが今日の大阪での、 へらぶな釣りの衰退につながってしまった。 餌会社の営利に踊らされている関東圏までは、 このような文化は到底伝わらない。 文化の核心というものは、容易に他地域には伝わらないもの。 (ちなみに柏餅の製法は現在でも近畿圏以外には伝わっていない、 和菓子文化にもそういう物が多い)。 今はインタネットの時代だ、 どんな技術も世界中で公開される時代だ。 筆者はまだまだ五)の段階でもがいているレベルだ。 でも何とか、京阪奈の人には自分たちの文化である、 本当のへらぶな釣りの一端を伝えたいと思い、 このサイトを記述している。 筆者のお師匠はんは、もうかなりの高齢。 でもよく池に足を運ばれて、 時には筆者が釣っている後ろに座って浮きを見てくれる。 お師匠はんが「う?」と言われると、それがアタリの瞬間なのだが、 合わせる事がなかなか出来ないでいる。 それ以外にも色々教わるが、言葉の本当の意味にもまだまだ 理解が及んでいないでいる。
このお師匠はんは他の人にも快く釣りを教えて下さるが、
その人たちはみんな口をそろえて
「あの人は池底のふなが見えるようだ」と言う。
教わって最初の頃、お師匠はんが筆者の浮きを見ながら
「・・・のように竿を動かしてみて、
するとアタリが出るから」と言うので、
筆者がそうした瞬間、カチッとアタリが出て釣れた。
自分はまだまだお師匠はんの足元はおろか、
足跡にも近づけていないと思っている。
このお師匠はんには伝説的な話がある。
それをそばでじっと見ていた人から、直接聞いた話だ。
後日筆者は直にお師匠はんにその話で聞いてみた。
どうやって大助を狙い撃ちで釣る事ができるのかを。
お師匠はんはニヤッと笑って「ちょっとしたコツがあるんや」
とその一端だけを教えてくれた。
しかし筆舌だけで全部を伝えられるような、
そんな世界でもないようだった。 お師匠はんの逸話には続きがある。 実は昔、お師匠はんのお師匠はんがおられて、 その人はなんと盲目だったそうだ。 へらぶな釣りの世界を垣間見れただろうか。
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