へらぶな釣り入門 西池

大阪府堺市にある「西池」はトコ釣り(池底で釣る方法)専用の池。 住宅地の中にある小さいへらぶなの 釣り池だ。池はとても小さくて完全な人工池だ。全席に屋根がある。 半分は屋内、半分は屋外になっている。 毎週のように40pを超えるへらぶなが釣れる。 コンクリートの池だが、ジャミも少なくて、とても興味深い釣りが 楽しめる。駅からも遠くなくて学生でも通える。風の影響は最小で 微妙な浮きの動きを読むとこ釣りには最適。へらぶなのとこ釣りを極めよう。
 
最初は若干近寄りがたい雰囲気があるかも知れない。小さい池で常連さん ばかりだ。でも釣り座は全部線で区切られていて、トコ釣り専門の 池なので、すぐ横で誰が来ようが関係ない。一度行けば全然平気だ。 日曜は多少人が多いので、最初だけは月曜・火曜あたりで行ってみよう。 屋内でも禁煙じゃないので、ちょっと煙たいのが玉に瑕。
金曜は定休日なので要注意。筆者は一度金曜に行ってしまった・・。

下図は屋内側。すごい鉄骨の支柱と梁。実はこの上が駐車場。

池は続きで半分は屋外。屋外でも釣り座の上には屋根がある。


釣り料金は2500円(女子割引はない)。若干高めなのだが、実は 大助(35p以上)の買い取りが多い。大抵の人は200円〜600円を ゲットしている。大助の賞金は期限無しの金券でもらえる。
また連チャン割引が大きい。2日目、3日目・・と連チャンで 行くと500円引きで2000円だ。

この池の特徴はジャミがとても少ない(2024年夏現在)。浮きの動きは ほぼへらぶなによるものばかり。
釣り方はトコ釣り(池底で釣る方法)に限定されている。餌はうどんかねり餌。
トコ釣りの規定は細かく定められているが、大阪の釣り池はどこも 同じなので、別段厳しいとかじゃなくて「常識のレベル」だ。
常識のレベルだが、知らない人もいると困るので、明示されていると 有り難い。


さらに特徴的なのは、設備がいい事。座席には 扇風機が用意されている。夏の暑い日には、かなり助かる。屋根が あるのでパラソルは必需品ではない。 箱池なので波除のパイプによる区切りもある。きれいな洋式トレイがあり 女性でも全然大丈夫。
へらぶなのトコ釣りに専心できるとてもいい環境だ。

写真の加減で暗く見えるが、浮きはどの席でもよーく見える。

食堂も完備されていて、釣り池オーナ夫妻が作ってくれる。 市価より安め。

餌の販売も勿論ある。

 
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へらぶな釣りの内容

竿は屋内側だと13尺ぐらいまで(14尺が限度かな)。竿を立てると 天井に着いちゃう。屋外側なら長尺で楽しめる。 ここではトコ釣り限定、水深は2mぐらい。 釣っている人は両ダンゴか両うどん、2本針では両ずらしで、 2p〜4pぐらいトコにずらして いる人が多い感じ。2本針の長短差は4〜6pぐらいのよう。 筆者は小さいあたりも見たいので1本針で池底に ぴったり着くか少しずらす。

池は小さいのでどこに座っても、餌を振り込めば割とすぐに 浮きが動き出す。 ダンゴだとふなの寄りも早い。わらびうどんでは少し 時間はかかる、根気強く餌を打とう。

餌は少し小さい目がいい。特に夏場前後だと魚が浮くので 池底に小さい餌を投入するイメージ。うどんだとどろを 混ぜてふなのうわずりを押さえている。

 
まだ気温(水温)がそれほど暑くなっていない時期だと じっくりトコ釣りのあたりを見極められる。
 
夏になってくると、集まるふなが上層で結構餌をしゃぶるので、 途中で砕けたり食べられたりする。 上層で食ってしまい、浮きがたたない食いあたりは合わせない。 ダンゴなら少し固め、小さいめで、落ち着いてじっくりあたりを 拾っていく。食いあたりを待つ間隔を少し長めにする。

うどんはわらびやタピオカで自作して、予め準備していく。 うどんはまぶし粉を付けて使う。まぶし粉は ペレット、粉状のマッシュポテト、さなぎ粉など。 夏季では魚のうわずりを抑える「どろ」をまぶす場合もある。

どこの釣り池でも見られる事だが、最近の猛暑下では水温が上がり、 多分ではあるが池底の溶存酸素が少なくなり、池底付近にふなや ジャミがいなくなる。
午前中は浮きも動くが、午後になるとさっぱり動かなくなる現象が 見られる。 夕方近くになって、やっとまた当たりが出だしたりする。

こんな時は、ふなが寄っていないと思って、餌の振り込みを多く したくなりがちだが、やっても無駄なので、気長に当たりが出る のを待つしかないだろう。

この池はとにかく大助がたくさん出る。餌投入の最初の浮きの動きは 見送って、しばらく静かになってからカツンと1節入る きれいな当たりで合わせる。 これで大助が釣れると、これぞへらぶなのとこ釣りと 嬉しくなる。 筆者は屋内側で43.9cmの大助を上げた。片手 では上がらなかった(2024年7月、竿は13尺カーボン、道糸1.0号ハリス0.6号、針4号、 1本針、ダンゴ)。

あたりはジャミがかなり少ないので、浮きの動きはほぼふなだけのはず。 餌を池底に長くずらしていない場合は、細かいあたりが出る、 「戯れあたり」がよく出ている。「戯れあたり」にいくら合わせても釣れない。 2目盛りぐらい入るピュンとした強い引きを2、3度 おくって少し静かになってから、カツンと入るあたりでよく掛かる。 勿論、この法則がいつでも通用するとは限らないので、細かい色んなあたり を試して、その日の食いあたりをさぐろう。ふなとの心理戦にいどむ。

「戯れあたり」についてはこちらを参照 へらぶな釣り入門

釣っている人は全員がトコ釣りなので、トコの測り方、ずらしの長短、餌の大きさ、 餌を振り込む間隔、もちろんあたりの取り方で釣れ方が変わる。 大助が釣れるかどうかは単なる運次第だ。「あの場所が大助が出やすい」 とか噂している人もいるが・・。

大阪のへらぶな釣りを思いっきり楽しめる釣り池である事に間違いない。

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西池へのアクセス

自動車なら南海高野線萩原天神駅、北350mほどの所に位置するので 地図で確認。
 
電車で行く場合は、南海高野線萩原天神駅から徒歩15分ほど。 天王寺からだと地下鉄御堂筋線中百舌鳥駅で南海高野線に乗り換え、 萩原天神駅下車。難波やJR環状線新今宮からだと南海高野線で 直通。
 
1つだけの小さな改札を出る。

 
改札を出た正面に100均ローソンがある。朝食・飲料は ここでゲットできる。このローソン前の道を向かって右方向へ 行く。(この写真では奥の方へ行く道を進む)

 
100mほど進むと信号のある交差点。この信号を左に曲がる。

 
左に曲がって150mほど行くとT字路の車道。ここの信号を 右に曲がる。

 
ここの曲がり角にはファミマがある。このまま30mほど 進む(この写真の奥の方向)。 この車道30m区間だけは歩道が無いので要注意。

 
30mほど進むと車道左上に「へら釣り・西池」という看板が見える。 これを左折する。

 
左折すると静かな住宅地、右手に池が見えてくる。これは西池ではない。 このまま住宅地の中をまっすぐ進む。正面に突き当たる。

 
正面のベージュ色の2階建てが西池の事務所だ。

 
西池到着。事務所に入って釣り料を払ってから池に進もう。 灰色の鉄骨建造物の下が屋内の釣り場。その上は駐車場。

 
若干狭いが、釣り座は線で区切られている。空いている所に 入ればいい。月曜・火曜あたりは空いている。 初めての時は入りづらいかも知れないが、大丈夫。「チュー釣り」 をしている人はいないので、すぐ横でもいい。50pの大助が 釣れるかも知れないので、楽しく釣ろう。
初めてだと事務所で言えば、注意書きのペーパをくれる。
最初少し抵抗はあるかも知れないが、屋内が空いていればそこで 釣ってみよう。 風も無く、日差しもない、 雨でも大丈夫だ。こんな釣り場は他にない、面白い体験ができる。