流し台の製作
流し台完成写真を入れる
流し台を自作したのでその作り方を公開する。シンクトップは通販で購入し、 台の部分を自作した。
市販の流し台は床面に密着するように設置するので、床が湿って傷みやすく 流し台自体も湿気で損傷しやすい。また床面との隙間にねずみや虫が入るので よくない。オールステンレス製の業務用流し台もあるが高価。それで自作する事 にした。
費用概要
シンクトップ単体18,000円、材木3,000円、ニス3,000円、合計24,000円。
手間はかかるが費用は安い。また自分の思い通りの物が作れる。
 
 
シンクトップの購入
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シゲル工業製シンクトップ (FSKC-1200AR)
通販購入し梱包を開けた時の状態。左側にあるのは「排水セット」。購入品は 間口120cm、奥行き55cm。排水セット・送料込みで約18,000円。
注文する時は左袖か右袖かを間違わないように指定する。この写真は左そで。 流し口の排水 セットは標準付属ではないので同時に注文が必要だ。大小があるのでそれも 指定する。
 
シゲル工業はメーカであるにもかかわらず、個人相手にも丁寧に対応して くれる。サイズも豊富。梱包もとても丁寧だった。事業をまじめに 進めている会社であることがよく分かる。
 
 
台部分の製作
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シンクトップに合わせて木枠を作る。長さを測って材木を切るのではなく、 直接材木をシンクトップの裏面に当てて採寸する。そうすればぴったりのもの ができる。この部分が一番の元になるので慎重・正確に作りたい。
どこでも入手しやすいいわゆる2×4木材を利用(1.8m長×89mm幅×18mm厚)。 簡単なほぞを組むのが作りやすい。枠の四角の面がまっすぐになるように作る のがポイント。右の写真はシンクトップの裏面 から木枠を裏にのせた様子。
(注)2×4材は反った物、ねじれた物もよくあるので、なるべく反りの少ない ものを ホームセンターなどでよって購入する。材木の端から端を見通すように 見ると材の反りが割とよく見える。
 
 
脚部分の製作
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高さが標準80cmぐらいで脚部分を作るが、自分に合わせればいい。 これが自作の強み。でも水道の高さやレンジ台との兼ね合いを考慮する 必要があるので要注意。写真は上写真の枠にFクランプで止めて、仮組み している様子。脚部の下が上を向いている状態。
材は同じく2×4木材を利用(1.8m長×89mm幅×36mm厚)。 どの部分も簡単なほぞを組み、どこも直角になるようにする。多少ゆがんでも 平気だが、あとで収納部を作るのであれば、直角が出ていないと多少苦労する。
 
 
部品のニス塗り
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全体の骨組みの部品ができたら、部品ごとにニスを塗る。組み上げてから 外側から塗るのではなく、ほぞに隠れる内側にも丁寧に塗る。写真は水性・ ゴールデンオーク色のもの。私は塗料が大嫌いなので、何を作ってもいつも 白木のままだが、さすがに流し台は水濡れするので、防水防腐のために ニスを塗る。
シンナーなど使いたくないので水性にした。クリア(透明)ではなく色つきに したが、塗りむらが目立ってしまい、クリアの方が良かったかも。
置いて乾かすので、置く面の上側を塗って乾かしてから、ひっくり返して 反対側を塗って、一日乾かす。それからサンドペーパを 軽くかけて、もう一度繰り返し、重ね塗りする。
部材がどこの物か分からなくならないようにマスキングテープなどで部材名を 書き付けている(写真中の上側の物の右端がそれ)。勿論乾いている部分に貼る。
 
 
骨組み組み立て
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ニスが乾いたら組み上げ。あまり見た目を気にしないので木ねじで頑丈に止める。 木ねじはできればステンレスがいいが、サイズが入手できなければコーススレッド でもいい。 しっかり各部の直角を出しながら組み立てる。
組み立てたらとりあえずシンクトップを乗せてみた。(シンクトップが 青く見えるのは、新品の保護フィルムが貼ってあるから)
 
 
収納部分の板壁
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そで下の収納部分を囲む板壁を作る。材は杉の「のじ板」をかんながけ したもの。多少反っていても、構わずカンナをかけて、切ってはめていく。 数年で剥がれてくるような合板などは使わない。安物だけど 全部むく材で作る。はめ込む部分に合わせて一枚一枚切っていく。
ita
これにも全部ニスを塗る。
 
 
収納部分の戸
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収納部分の戸を作る。組みながら部品もニス塗り。戸の板材も板壁と 同じ杉の「のじ板」をはめる。
のじ板は1.8m長×10cm幅×12mm厚の屋根裏用の板材。17枚1束(1坪 分)で約1300円程度で売られている。材木屋さんか大きなホームセンタ にある。安い材料で、節穴もあるのでそれを避けて部材取りする。 はめ込む大きさより少し大きめに切り刻んで、かんながけして、一週間ほど 天日干しするのが理想。日が当たっている面が裏側へへこむ方向に反るので、2時間 ほど毎にひっくり返して干す。のじ板は乾燥すると数%ほど縮むので、干さないで 使うと完成してから隙間が開いてしまう。
 
 
収納部分の天板
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収納部分の天板をはる。材は2×4(18mm厚)で、最初のわくを作ったものと 同じもの。厚みがあるのでシンクトップの袖部分がしっかりして、調理しやすい。 これも木ねじで頑丈に止める。ねじの頭はシンクトップをかぶせるので見えなくなる。
 
 
完成
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ニスを塗った収納部分の戸を蝶番でつける。収納部分の底板は白木のままにした。 よごれたり、湿気で傷んだりしたら簡単にとりかえできるように固定して いない。はめ込んであるだけ。シンクトップを載せて固定して完成。
「床から少し浮かせて、床面を密閉しない」、「全体がムク材」という 希望どおりの流し台 が完成。引き出しをつけようかと妻に聞くと、いらないとつれない返事なので やめた。引き出しは工作が結構大変なのでちょっと助かり。
 
こうして自作したものは、傷めば全部どこでも自分で修理できるので、ほぼ 人生に亘って利用できる。
木材は本当にすばらしい材料だ。軽く加工しやすく安価で丈夫。木材はシロアリ食害と 腐朽菌 で腐らなければ100年経ってもびくともしない。人工材料はたかだかもって30年。 廃棄すると産業廃棄物になり、地球に残す永遠のごみとなる。木材は不要になれば、 別の物に作り替える事ができる。もっと最後は燃やせば燃料になる。今回使った木材 の量なら冬でなければゆうに風呂が沸かせる。見た目ばかりに惑わされず もっと木材を有効利用したいものだ。
 
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