スペアナDSA815-TR
RIGOL社製、スペクトラム・アナライザDSA815TR
<<日本語マニュアル 2012年7月版>> 
Publication Number UGD03106-1110
Copyright 2011 RIGOL Technologies, Inc. All Rights Reserved.
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マニュアル#1
マニュアル#2
マニュアル#3
マニュアル#4

 
67ページ
 
<コントロールキー エリアの説明>
 
BW/Det(キー)
 
このキーは、RBW(Resolution Bandwidth バンド幅解像度)、 VBW(Video Bandwidth ビデオ帯域)、検波器タイプのパラメータ を設定する。
 
RBW
 
このキーで必要な解像度バンド幅(RBW)を設定する。それによって 周波数が近接した複数の信号を分離して観測できる。
 
キーポイント:
  • RBWの幅を小さくすると周波数解像度は上がる。しかし、 スイープに要する時間は長くする。(Autoモードでは、スイープに要する 時間はRBWとVBWの組み合わせに影響される)
  • AutoRBWモードではRBWはスパン(ノンゼロスパン)と共に 減少する。
  • このパラメータは、数字キー、ノブ、ディレクションキーを 使って設定できる。詳細は「パラメータ設定」の項を参照。
(注)もし検波器タイプが[Quasi-Peak]か、フィルタタイプが[EMI] のときは、RBWは 200 Hz, 9 kHz, 120 kHz のいずれかのみになる。  
  パラメータ   内    容(フィルタタイプが Gauss )
初期設定 1 MHz
レンジ 100 Hz to 1 MHz
単位 GHz, MHz, kHz, Hz
ノブのステップ 1,3,10(巡回)
ディレクションキーのステップ 1,3,10(巡回)
 
 
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68ページ
 
VBW
 
このキーで必要なビデオバンド幅(VBW)を設定する。それによって ノイズをビデオバンド外にフィルタアウトして観測できる。
 
キーポイント:
  • VBW幅を小さくするとスペクトラムの線はスムーズになる。そして 小さい信号がノイズから分離されて観測できる。しかしスイープに要する 時間が長くなる。(Autoモードでは、スイープに要する 時間はRBWとVBWの組み合わせに影響される)
  • [Auto]に設定すると、VBWはRBWと共に変化する。
    [Manual]モードではVBWはRBWに影響されない。
  • このパラメータは、数字キー、ノブ、ディレクションキーを 使って設定できる。詳細は「パラメータ設定」の項を参照。
 
  パラメータ   内    容
初期設定 1 MHz
レンジ 1 Hz to 3 MHz
単位 GHz, MHz, kHz, Hz
ノブのステップ 1,3,10(巡回)
ディレクションキーのステップ 1,3,10(巡回)
 
V/R Ratio
 
このキーでVBW/RBW比を設定する。
 
キーポイント:
  • この値は、測定対象の信号の種類によって違ってくる。
    サイン波:1/3を使用(より早いスイープのために)
    パルス波:10を使用(過渡信号の振幅への影響を小さくするために)
    ノイズ波:一般には0.1を使用(ノイズの平均値を得るために)
  • このパラメータは、数字キー、ノブ、ディレクションキーを 使って設定できる。詳細は「パラメータ設定」の項を参照。
 
  パラメータ   内    容
初期設定 1
レンジ 0.0000010 to 30000
単位 N/A
ノブのステップ 1,3,10(巡回)
ディレクションキーのステップ 1,3,10(巡回)
 
 
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Detector Type
 
本機は信号をスイープし、トレースする形で画面に表示している。 トレースのそれぞれの点において、設定されたインターバル時間の範囲内で、全ての 点データを取り込み、選択された検波器を使って、取り込まれた点データを処理して いる(ピーク、平均などの処理)。そうして処理したデータ(1つ1つの点)を スペクトラム波形として表示していっている。
 
キーポイント:
  • 測定精度をあげるために、実際の測定用途に適した検波器タイプを選ぶ ようにする。
  • 利用できるタイプは、
    ポジティブピーク検波(Pos Peak)=通常の信号測定。
    ネガティブピーク検波(Neg Peak)=通常測定用ではない。
    サンプル検波(Sample)=ランダム雑音の測定など。
    ノーマル検波(Normal)=パルス性雑音の測定など。
    その他・・・・RMS Avg, Volt Avg, Quasi-Peakの検波タイプがある。
    初期設定はポジティブピーク検波。
 
1.Pos Peak (ポジティブピーク検波)
ポジティブピーク検波は、相応のインターバル時間内で、 それぞれのトレース点における、サンプリングされたデータ 中の最大値を表示する。
ステータスバー表示= 46
 
 
2.Neg Peak (ネガティブピーク検波)
ネガティブピーク検波は、相応のインターバル時間内で、 それぞれのトレース点における、サンプリングされたデータ 中の最小値を表示する。
ステータスバー表示= 47
 
 
3.Sample (サンプル検波)
サンプル検波は、相応のインターバル時間の中央点で、 それぞれのトレース点における、過渡的なレベルを表示する。
この検波方式はノイズやノイズ状の信号の観測に利用する。
ステータスバー表示= 48
 
 
4.Normal (ノーマル検波)
ノーマル検波(ローゼンフェル検波)は、サンプリングデータ・セグメント の最大値と最小値を交互に表示する。即ち奇数のデータポイントでは 最大値を、偶数のデータポイントでは最小値を表示する。
この方式では、信号の振幅変域がきれいに表示される。
ステータスバー表示= 49
 
 
5.RMS Avg (RMS平均検波)
RMS平均検波は、相応のインターバル時間内でサンプリングされた データをRMS平均処理(以下の2−8式参照)をして表示される。 この検波方式では、ノイズが除去されて弱い信号でもきれいに表示される。
53  (2−8)
RMSは電圧のRMS値(単位:V)、 Nは各ポイントのサンプル 値の数、 vi はサンプル値のエンベロープ(単位:V)
参照抵抗値R(リファレンス・インピーダンス)を使うと電力の計算は: 54
ステータスバー表示= 50
 
 
6.Voltage Avg (電圧平均検波)
インターバル時間内の全てのサンプリングデータの平均処理が行われ 表示される。計算式は以下の通り(式2−9)。
55    (2−9)
AVは電圧の平均値(単位:V)、Nはサンプル数、 vi はサンプリング値のエンベロープ(単位:V)。
ステータスバー表示= 51
 
 
7.Quasi-Peak(DS815はオプション)
省略
 
 
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Filter Type
 
このキーでRBWのフィルタタイプをセットする。
 
キーポイント:
  • RBWには[Gause]と[EMI]の2つのフィルタがサポートされている。
    [Gause] 帯域幅=−3dB  [EMI]帯域幅=−6dB
  • [EMI]設定時は、RBWは 200 Hz, 9 kHz, 120 kHz だけになる。
  • 初期設定は[Gause]。Quasi-Peak検波では自動で[EMI]フィルタになる。
 
 
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Sweep/Trig(キー)
 
このキーでは、スイープとトリガの機能についてのパラメータを設定する。 時間、オートSWT、モード、スイープ回数、トリガタイプなど。
 
Sweep Time
 
このキーでは、測定器がスパンレンジ内のスイープを完了するための スイープタイムを設定する。
 
キーポイント:
  • Autoの状態で、ゼロスパン・モードではその時のRBW, VBWに基づいて最も短いスイープタイムが選択される。
  • スイープタイムを短くすると測定にかかる時間も速くなる。 しかしオートカップリング状態で、もし設定したスイープタイムが 最小スイープタイムより短いとエラーが発生する。それでステータスバー に[UNCAL]が表示される。
  • このパラメータは、数字キー、ノブ、ディレクションキーを 使って設定できる。詳細は「パラメータ設定」の項を参照。
 
  パラメータ   内    容
初期設定 50 ms
レンジ 20μs to 1500 s (ノンゼロスパンでの最小値は10ms)
単位 ks, s, ms, μs, ns, ps
ノブのステップ Sweep time/100, Min= 1 ms
ディレクションキーのステップ 1, 1.5, 2, 3, 5, 7.5(巡回)
 
Auto SWT
 
このキーでは、スイープタイムの自動設定方法を[Normal]か[Accy] に設定する。[Nomal]が選択されると、スイープは速くなる。[Accy]では 高い精度で測定ができるようになる。
 
 
Mode
 
このキーで、スイープモードを[Single]か[Cont]に設定する。 この選択の状態は画面左端のステータスバーの表示される。
 
1.Single   ステータスバーのアイコン= 56
シングルスイープ・モードになる。スイープ回数は パラメータアイコン上の10と表示される。
 
2.Cont    ステータスバーのアイコン= 57
連続スイープモードになる。パラメータアイコンに [Cont]が表示される。
 
キーポイント:
  • シングルスイープ・モードでこのキーを押せば連続スイープ・モードに 入る。このとき測定ファンクションが何も設定されていない状態で、 トリガ条件が満たされていれば、連続的にスイープされる。
  • シングルスイープ・モードでこのキーを押せば連続スイープ・モードに 入る。このとき測定ファンクションが設定されている状態で、トリガ条件が 満たされれば、連続的に測定が実行される。
  • 連続スイープ・モードでは自動的にトリガ初期化信号が送られ、 スイープ毎にトリガ判定条件が設定される。
 
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Single
 
このメニュはシングルスイープ・モードでトリガ初期化を実行する ために使う。そのあと、全てのトリガ条件を満足すると設定したナンバの スイープ(また測定)を実行する。
 
キーポイント:
  • 連続スイープ・モードで、測定についてのファンクションが何も 設定されていない状態で、このキーを押すと、シングルスイープ・モード に入って、トリガ条件が満たされたら、設定されているスイープ回数だけ スイープを実行する。
  • 連続スイープ・モードで、測定についてのファンクションが設定 されている状態で、このキーを押すと、シングル測定モードに入って、 トリガ条件が満たされれば、設定されている回数だけ測定を実行する。
  • シングルスイープ・モードでこのキーを押すと、トリガ条件が満た されれば、設定されている回数のスイープ(または測定)を実行する。
  • シングルスイープ・モードでは、トリガの初期化が、トリガ条件 の判定前に実行される。(「Sweep/Trig」キー−>[Single]メニュキー を押した時、またはリモートインタフェースから[INIT]コマンドを 送出したとき)
 
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Number
 
このキーでシングルスイープ・モードのスイープ回数を設定する。 ここで設定した回数だけスイープを実行し、その回数を示す数字 がステータスバーのアイコンに表示される。
 
  パラメータ   内    容
初期設定 1
レンジ 1 to 9999
単位 N/A
ノブのステップ 1
ディレクションキーのステップ 1
 
 
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Trig Type
 
このキーで、トリガ・タイプを選択する。選択したタイプのアイコンが ステータスバーに表示される。
 
1.FreeRun   ステータスバーのアイコン= 60
このモードでは、連続的にトリガ信号が生成され、常時トリガ条件は満たさる 状態になる。
 
2.Video      ステータスバーのアイコン= 61
このモードでは、ビデオトリガ条件を超えたビデオ信号(電圧値)が 検出されると、トリガ信号が生成される。
この機能はノンゼロ・スパンモードでは無効。 またゼロ・スパンモードでも検波タイプが[RMS Avg]と[Voltage Avg] の時は無効。  
3.External    ステータスバーのアイコン= 62
このモードでは、外部信号(TTLレベル信号)が背面パネルの 「トリガイン」コネクタから入力されていて、その信号が 設定したトリガエッジ条件を満たしているとき、 トリガ信号が生成される。
 
Trig Setup
 
 
1.Trigger Level
このキーでビデオトリガのトリガレベルを設定する。 この時、トリガレベル線(TL)とその値は画面上に表示される。
パラメータは、数字キー、ノブ、ディレクションキーを 使って設定できる。詳細は「パラメータ設定」の項を参照。
 
  パラメータ   内    容
初期設定 0 dBm
レンジ -300 dBm to 50 dBm
単位 dBm  (ただしY軸の単位設定による)
ノブのステップ 1 dBm
ディレクションキーのステップ 10 dBm
 
2.Edge
このキーで外部トリガのトリガ・エッジを設定する。Posでパルスの 立ち上がり、Negで立ち下がりのそれぞれエッジを指定する。
 
 
 
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Trace/P/F(キー)
 
スイープした信号は画面上にトレースとして表示される。本機にはパス (Pass)とフェイル(Fail)のテスト機能が準備されている。
[Trace/P/F]メニュキーはそのトレースとPテスト、Fテストに関する パラメータを設定するために使う。
 
 
 
 
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以下、構築中・・・
 
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