14.採蜜後の処置 | ||
秋になって採蜜した後は、巣箱の中には巣板数枚と数万匹の蜂たちが残る。こ
のままでは越冬に必要な蜜の量が足りない場合がある。そこでまた砂糖水を給
餌してやる。概ね4リットルほど与える。秋が深くなって寒くなってからだ
と、蜂は砂糖水を吸えない。このためあまり寒くならない内に採蜜作業を終え
砂糖水を給餌するようにしたい。砂糖水は人肌程度の温かいものを、カップ焼
きそばの発砲スチロールの容器に入れて、巣箱の中に入れておく。容器の中に
は木片や発砲スチロールなどの小片を浮かべておくと蜂が飲みやすい。
ホームページ |
15.分蜂の取り込み |
||
みつばちの1つの巣の中には通常女王蜂は1匹だけで、あとはメスの働き蜂ば
かりの女系組織になっている。春中頃になると新たに女王蜂が生まれる。する
とどちらかの女王蜂は元の巣を追い出される。その時、働き蜂も半分ぐらいを
配下にして一斉に旅立つ。これが分蜂である。数万匹の蜂が雲のようになって
舞ながら飛翔する蜂の大スペクタクル・ショーだ。
分蜂はいつ起こるか分からない。巣箱の中をよく観察する人は概ねその時期を
予測できるが、ビギナーには無理。春中頃に巣箱を外から見ていると、巣門
(巣箱の出入り口)の前近辺を蜂たちが数十匹騒ぐようにぶんぶん飛び回るよ
うになる。そういう状態を繰り返していると、そろそろ分蜂の時期になってき
ている。そうなると朝から夕方前ぐらいの間は養蜂場に付きっきりで分蜂が出
るのを見張る生活になる。この時期が養蜂家の一番つらい時期だ。
分蜂が始まると音で分かる。数万匹のみつばちが巣箱近辺半径10mぐらいの
領域を飛び回るからである。低いわーんという様な音ともに蜂の雲ができる。
これが分蜂である。初めて見ると感動する。この蜂の雲はそのまま遠くに飛ん
でいく事もあるが、だいたいはどこか近くのある場所に一旦固まる。直径30
cmぐらいの蜂玉になってある場所に止まる。その止まった蜂玉を空の巣箱に
落とし込む。そして巣箱にフタをして養蜂場に持って行って置けば、蜂入り巣
箱が1つ増えることになる。
蜂玉がどこに止まるかが大きな問題だ。高い木の上だと容易に巣箱に取り込め
ない。そこで取り込みやすい場所にいろいろ工夫して止まらせる技術がある。
各個人が工夫を凝らしている点でもある。
蜂玉を巣箱に落とし込む時に、また一工夫が必要である。手の届きにくい場所
に止まった蜂玉は虫取り網などで取り込むこともある。
1つの元の群からは3つぐらい分蜂で巣分かれしていく。3つとも取り込めれ
ば一気に蜂群は4倍に増える。でも1つの養蜂場に設置できるのは5箱ぐらい
が限度とされているのと、また巣分かれした群どうしは同じ養蜂場に置かない
方がよい。逃去の(逃げて行ってしまう)原因になる。
できれば離れた場所で養蜂場を2、3箇所持ち、相互に分蜂群を置くようにし
たい。
ホームページ |