11.採蜜と養蜂 | ||
春に取り込んだ蜂群から、その秋に採蜜できることもあり採蜜してもよいが、
そのまま越冬させて、翌春に分蜂(巣分かれ)させて、その蜂群を新たに巣箱
に取り込んで、まず蜂群の数を増やしていく事も考える。秋にハチミツを温存
しておくと、翌春は元気よく分蜂する事が多くなる。野山で野生みつばちを確
保するのがなかなか困難なようでは、分蜂により蜂群を増やす方を優先した
い。
ホームページ |
12.採蜜 |
||
夏の終わりから初秋にかけての頃に採蜜する。この作業はちょっと難しい。基
本的には巣箱からはちみつが詰まった巣板を取り出し、それをバケツに集めて
棒でこなごなにつぶし、ろ過すると黄金色のハチミツが取れる。
その巣板を取り出す方法として2通りのやり方がある。
1つは採蜜の前に巣箱内の蜂を全部殺してしまうやり方。はち殺し用の煙幕花
火を使って、巣箱内の蜂を殺してしまう。それからゆっくり巣板を取り出す。
もう1つのやり方は、はちが生きている状態で、巣板を1枚ずつ切り出す。こ
の方法だと採蜜後も蜂群を来年に向けて温存できる。ただしちょっと難しいの
と初めてだと度胸がいるかも。へたくそだと蜂がわんわん襲ってくる。
蜂を生かした状態で巣板を切り出す方法を以下に記する。
巣箱から巣板を取り出す方法は、まず巣門を板片などでふさいでガムテープで
固定し、蜂が出入りできないようにする。巣箱設置場所から巣箱を作業しやす
いテーブルなどの上に移動して置き、巣門と反対側の板(天井板や側板)を外
す。つまり巣箱はそういう様に板が外せるように木ねじを使って製作しておか
なければいけない。釘で留めるのは良くありません。
板を外す時はゆっくり取り外す。いっぺんに急に外すと蜂が騒いで、外へたく
さん飛び出してしまう。ゆっくり蜂を巣箱の中へ追いやりながら板を少しずつ
開けていくようにする。
蜂はいつも出入りしていた側(巣門のある側)とは反対側が開いて光が差し込
んできたので、怖がって外へ出るのではなく中の方へ(暗い側へ)集団でぞろ
ぞろとゆっくり移動していく。
しばらくしてから、巣板を1枚ずつ、ゆっくりと切り出す。巣板は天井側や側
板にミツロウでがっちり固定されているので、刃渡りの長い細身の包丁、パン
切り包丁などで固定されている部分を巣箱から切り離しながら、巣板を切り出
す。
こうやって1枚ずつ根気よく丁寧に、巣板を取り出していく。蜂を傷つけない
ように慎重に作業する。もし、蜂を殺してしまい、もしそれが女王蜂だった
ら、もうその蜂群は全滅したのと同じになる。働き蜂が数万匹いても女王蜂1
匹が死ねばその蜂群はどうやっても全滅する。だからとにかくどの蜂も1匹も
殺さないよう、傷つけないように採蜜作業を進めることが重要だ。
巣箱内の巣板を3分の2ほどとり、後はそのまま蜂群の越冬用に残して置いて
あげる。
取り出した巣板は細部をよく観察すること。すると、蜜の詰まっている穴と、
幼虫の入っている穴と、花粉が詰まった穴の3種類があるのがわかる。初めて
の人は包丁の先で幾つか穴のフタをめくってみること。確認できればあとはフ
タの色で中身を概ね判断できるようになる。
取り出した巣板はハチミツの詰まった部分だけを包丁で切り取り、その部分だ
けをバケツに入れていく。それ以外は不要物のバケツに入れて処分する。ハチ
ミツのバケツに幼虫部分が入ると、ハチミツの質が著しく悪くなるので注意が
必要。
ハチミツの巣板を入れるバケツはフタができるようにしておく。採蜜が終われ
ばすぐにフタをしておかなければ、蜂がハチミツ目当てに群がってくる。
巣板は全部取るのではなく、3枚ぐらいは残しておこう。これで蜂たちは寒い
冬が越せる。採蜜を秋後半にするのであれば、半分ぐらいは残しておいてあげ
よう。
巣板を取り終わったら巣箱に外した板を取り付けて、また養蜂場に設置してお
く。
ホームページ |
13.ハチミツのろ過 |
||
巣板からハチミツをろ過する作業は蜂のいない室内で行う。
ハチミツの詰まった巣板を入れたバケツで、全体がどろどろになるぐらいに木
の棒でよくつぶす。それをざるにあけてろ過する。気温が低いと全部ろ過でき
るまで3日ほどかかる。もし気温が低すぎたら、天気の良い日に自動車の中に
入れておけばすぐに落ちる。
下に落ちた液体は容器に入れて一週間ほど置いておく。すぐに食すると舌にぴ
りぴり感じることがある。一週間ほど置いておくと、表面に薄く浮いてくるも
のがある。ろ過し切れなかった細かい巣板の破片(ミツロウ)である。これを
丁寧にスプーンなどですくい取り、これだけをビンに入れおく。残りはきれい
なハチミツになる。表面に浮いたものをビンに集めておくと、またその中で上
層にミツロウの破片が浮いてくるので、それをスプーンですくい取れば良い。
そのままミツロウごと食べるのも健康に良いと言う人がいる。真贋は定かでな
いのでこれも自己責任でどうぞ。ミツロウは食しても害はないようだ。
ホームページ |