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8.日本みつばちも刺す
ミツバチも蜂だから刺す。養蜂をやると必ず一度や二度は刺される。日本みつ ばちは小さい蜂なので毒も少ないが、刺されるとかなり腫れる。刺されると 「痛みの毒液」を注入された感じの痛みだ。痛みは数時間で消えるが、腫れは 1週間ほどひかず痛がゆい状態が続く。 腫れの程度は免疫反応なので体質による。 日本みつばちは春から夏にかけてはほとんど刺さないのでつい無 防備で近寄ってしまう。でも油断すると刺される。蜂は目の近くを刺すことが 多いので、少なくともまめに面網ぐらいは着用したい。 刺されたらエキストラクタという毒抽出器で毒を吸い出す。3000円ほどす る、何故かフランス製の器具だ。いくら吸い出しても腫れるが、多少軽減でき る。民間療法では果実酒用リカーにオオスズメバチを着けた液を傷口に塗る と、痛みはすぐに引く。腫れも軽減するがあくまで民間療法なので自己責任。 過剰免疫反応がでる人もいるので要注意。 蜂に何度も刺されていると、アレルギー過剰反応が出て、最悪呼吸困難、心停 止に至るので、とにかく刺されないようにすることは大変重要だ。もし刺されてじん ましんなどがひどいようなら、医者に行って、養蜂をしている事を相談し、場 合によっては養蜂を断念しよう。次に刺されるとアレルギー過剰反応が出る可 能性が高くなる。命をかける程の事ではない。  
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9.防備
防備をしっかりすればほぼ刺されない。ズボンはジーンズでもいいし、カッパ やウィンドブレーカのズボンならベスト。ちょっと暑いのが難点。上着はカッ パかウィンドブレーカ。上着の裾はズボンの中に入れてベルトでしっかりベル トで締めておく。足はブーツ状の長靴をはき、ズボンとブーツの隙間をひもな どでしめられる物がベスト。手袋は下地に布が入った厚手のゴム手袋が丈夫で 良い。上着の袖の中にゴム手の裾をしっかり入れて、さらに袖カバーをつける 事を勧める。頭部はつばのある麦わら帽子の上から面網をかぶる。帽子と面網 に隙間があれば、両者を縫い合わせておく。面網の首もとから蜂が入り込むと 大変なので、首元のひもをしめるか、手ぬぐいなどでしっかり隙間をふさぐよ うに巻く。もし作業中に面網の中に蜂が入ったら、網の上から ためらわずに両手で叩いて 殺す。カッパの中などに入った時も同じ。ゴム手を付けていれば手で叩いても 大丈夫。 作業中は暑くて汗が目に流れ込むことも多いので鉢巻きもしておきたい。要は 素肌の露出をしないこと。蜂に潜り込ませない事。 蜂に刺されるよりも、最も注意したいのは脱水症状による熱中症。これを軽視 すると命取りになる。暑い時には連続して1時間以上の作業はしないこと。高 山に居る時の様に、呼吸をしていても酸素不足を感じたり、かるいめまいが少 しでもでれば、もう最悪の状態になっていると認識すること。すぐに作業をや め、衣服を脱ぎ、涼しくて電話に手が届く場所で水分を十分にとること。手足 がしびれてきたらすぐに助けを呼ぶ。すぐに動けなくなり意識が薄れて天国行 きになる。熱中症は徐々に進行することを認識しておこう。  
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10.夏から秋、越冬の養蜂
春、野山で取れた日本みつばちは野山にたくさん蜜源(ハチミツの源、つまり 草木の花が出すみつ)があるので、さかんにたくさんのみつばちが巣箱から 通うようになる。その様子を見ているだけでも楽しい。さかんにみつばちが 通うようになると、ほぼ蜂群は居着いたと言える。夏前には巣箱にたくさん ハチミツを貯める。巣箱を少し持ち上げてみると、その重さにびっくりする。
 
しかし、野山にたくさん花が咲いているからと言って花が蜜を出しているとは 限らない。つゆの頃でもそれほどハチミツを貯めていない時がある。そこが 養蜂家が気にする蜜源の不思議でもある。天候や気温、降雨量、生り年なども 関係する。
 
そこで夏中頃、もう一度巣箱の重さを確認する必要がある。春の蜜源が 少なかった年には、夏にはもう巣箱内の蜜量が激減している事がよくある。 巣箱が軽い、とびっくりするほど。もしそうなると非常に問題だ。
みつばちは、野山にもハチミツ原料はないし、巣にもハチミツがないと 急速に弱る。すると巣がスムシ(という蛾の幼虫で、白いウジ虫)に侵略 されて、やがて巣全体がボロボロに犯される。するといつしか蜂群は いなくなってしまう。蜜源のある所に引っ越していくのだ。
 
もし、夏の中頃にもう巣箱内にハチミツが残っていないようなら、その年の 採蜜(秋にハチミツを取る事)はあきらめ、蜂群を生かすことを優先する。 蜂群を生かすために、砂糖水を与える。蜂群はこれで結構元気になる。 砂糖水の量は、巣板全体がバレーボール以上ぐらいの大きさの群なら、 3から4リットル、それより小さいぐらいなら2リットルぐらいをおおまかな 目安に与える。
砂糖水は重量比で、水1に対して砂糖1.3ぐらいを溶かした物。水を 熱してよく砂糖を溶かし、冷やす。これをタッパ容器などに入れて、巣箱 の中の、できれば蜂群が固まっているような場所の下に置く。タッパは 内側に水平方向に紙やすりで傷をつけておく。蜂がすべり落ちないように。 また蜂が容器内に入りやすいように、巣箱内の壁面にくっつけて置く。 また容器の砂糖水には浮くようなものをいくつか浮かせておくと、蜂も 砂糖水を吸いやすい。昔の人はワラの小さい束を入れていたという。
 
砂糖水を与えて、夏を乗り切ることができれば、秋口(寒くなる前)に もう一度重さを見て、越冬できるぐらいある程度重ければ、そのまま越冬に 入ればよいが、やはり軽くて越冬できそうになければ、ここでももう一度 砂糖水を与える。今度は越冬用として上述の1.5倍から2倍ほど与える。 いくらでも与えればよいのではなく、越冬できる分を意識しよう。
 
さて、もし夏でもずっしり重いと秋に採蜜する。か、蜂群増殖を考えて そのまま越冬させて、翌春、分蜂を取り込んで蜂群を増や事にするかの どちらか。
越冬は特別何もせずそのままで良い。降雪地帯では雪の重みで、巣箱の 屋根や巣箱全体が傾いたりしないように工夫する。
 
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